0 編集部が注目した重点ポイント
①2025年6月の事業承継で新たな収益機会を創出する
2025年6月に株式会社光波のネットワークソリューション事業を承継し、インキュベーションセンターセグメントへ編入しました。前年は未連結のため単純比較はできませんが、相手方の持つソフトウェアやセンシング技術と自社の高周波技術を融合することで、次世代のソリューション型ビジネスへの変革を本格的に推進しています。
②生成AI向けの需要拡大で中核事業が大幅に伸長する
回路検査用コネクタ(CTC)事業において、生成AI向けGPU市場の拡大継続や先進パッケージング化に伴う検査需要の拡大を背景に、売上高19,610百万円、セグメント利益2,931百万円と驚異的な成長を記録しました。高いキャッシュ創出力を持つ同社の新たな中核事業として、全社の業績を力強く牽引しています。
③新中期経営計画で営業利益率10%超の達成を目指す
2026年5月に更新された新中期経営計画では、2029年3月期に売上高営業利益率・ROE・ROICの全てで10%超を目指す「ミニマム10」の達成を明確な目標として掲げました。安定収益基盤であるVCCS事業等で創出したキャッシュを、成長の中核であるCTC事業へ果断に集中投資する戦略を公表しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期決算説明会 P.5
売上高
90,090百万円
+8.7%
営業利益
5,016百万円
+18.7%
経常利益
5,528百万円
+40.8%
当期純利益
3,886百万円
+74.4%
当連結会計年度における売上高は、すべての報告セグメントが前期比で増収となったことにより、90,090百万円(前期比+8.7%)となりました。営業利益は生産拠点での労務費上昇等のコストアップ要因があったものの、生成AI関連の検査需要が爆発的に拡大したCTCセグメントの大幅な増益が牽引し、5,016百万円(前期比+18.7%)を達成しています。さらに、為替レートの円安進行に伴う為替差益369百万円の計上などにより、経常利益は5,528百万円(前期比+40.8%)と大きく伸長し、過去最高の収益基盤を強固なものにしています。
当期は通期の実績確定となりますが、直近の通期業績予想(2026年2月公表)に対して、売上高が101.2%、営業利益が111.5%、経常利益が118.9%の達成率となり、当初の見込みをすべて上回る大変順調な業績進捗で着地を遂げました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期決算説明会 P.6
VCCS(車載通信機器)事業
【事業内容】 シャークフィンアンテナやGPSアンテナなど、自動車メーカー向けの車載用アンテナシステムおよびモジュール化製品の開発を担っています。
【業績推移】 当期の売上高は56,096百万円(前期比+0.2%)と横ばいを維持しましたが、セグメント利益は労務費単価上昇や米国関税の影響により2,198百万円(前期比△22.5%)の一時的な減益となりました。
【注目ポイント】 利益面では苦戦したものの、固定費構造改革や生産性向上が奏功し、キャッシュカウ事業としての安定的な収益力は健在です。今後はインドなどの成長市場における基盤拡充や、ソフトウェア制御による次世代の無線モジュール開発といった選択的取り組みを強化する計画であり、構造改革や新技術の導入を推進できる技術人財の参画が強く求められています。
CTC(回路検査用コネクタ)事業
【事業内容】 半導体の前工程および後工程検査に用いられる、高性能な半導体検査用ソケットやプローブカードのグローバル開発を行っています。
【業績推移】 売上高は19,610百万円(前期比+25.6%)、セグメント利益は2,931百万円(前期比+98.1%)と、製品ミックスの大幅な改善も相まって驚異的な増収増益を達成しました。
【注目ポイント】 生成AI向けGPU市場の拡大を背景に検査需要が急増しており、同社の成長を牽引する中核事業へと進化しています。今後は量・質・スピードを重視した試作・量産キャパシティの増強や、他社とのアライアンスによる前工程市場への進出加速、フィールドサポート体制の確立が急務であり、生産能力拡大や最先端の材料開発を支える専門人財の採用可能性が非常に高まっています。
FC・MD(民生用コネクタ・医療機器)事業
【事業内容】 携帯通信端末向けの細密スプリングコネクタを扱うFC事業と、カテーテル用部品や低侵襲治療向けの医療機器用部品ユニットの開発を展開しています。
【業績推移】 売上高は11,458百万円(前期比+3.9%)と増収を確保したものの、FC事業における原材料価格上昇等のコスト要因により、セグメント利益は551百万円(前期比△30.2%)の利益面の圧縮となりました。
【注目ポイント】 利益面は悪化したものの、ウェアラブル端末向けや医療機器ベンチャーエコシステム向けの販売は堅調です。今後は高収益なニッチ製品の創出や売価連動の仕組化、米国市場進出に向けた投資を積極的に実行する計画であり、グローバルな市場開拓や収益構造改革をリードできる人材にとって、裁量を持って挑戦できるフィールドが広がっています。
インキュベーションセンター
【事業内容】 MaaSやIoT向けのスマートアンテナ技術、車載鍵管理ソリューション、および次世代の成長の源泉となる新規コア技術の探索を推進しています。
【業績推移】 2025年6月の光波のネットワークソリューション事業承継(注:前年同期は未連結のため単純比較不可)により売上高は2,920百万円(前期比+977.7%)へ激増し、損失は690百万円と赤字幅の縮小を達成しました。
【注目ポイント】 事業承継した光波のソフトウェア・センシング技術と、ヨコオの既存の高周波・アンテナ技術の融合により、ソリューション型ビジネスへの変革を急加速させています。次世代検査の潮流である「光電融合技術」などの新規事業探索を本格推進しており、ゼロから新しいビジネスや技術融合を創出することに情熱を持つ先進的な開発人材に最適な環境です。
その他
【事業内容】 報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、主にグループ内外を対象とした人材派遣事業等を含んでいます。
【業績推移】 売上高は4百万円(前期比+9.1%)で推移し、セグメント利益は0百万円と安定した推移を維持しています。
【注目ポイント】 規模は極めて小規模であり、グループ全体の経営管理や業務サポートに特化した運用を行っています。直接的な大規模採用の可能性は低いものの、グループの安定的運営を裏から支える役割を担っており、規律ある業務遂行を通じて組織の基盤維持に貢献しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期決算説明会 P.10
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高97,000百万円(前期比+7.7%)、営業利益7,000百万円(前期比+39.5%)と、引き続き旺盛な生成AI関連需要を背景に大幅な成長を見込んでいます。主力となるCTCセグメントでの大幅な増収効果が全体を力強く牽引する見通しです。この旺盛な需要を確実に取り込むため、同社は2027年3月期に前年比+91.3%となる7,800百万円の過去最大規模の設備投資を計画しており、主にCTCおよびMDへの重点投入を掲げています。試作・量産キャパシティの増強や製造高度化に資する「ビジュアルフィードバック技術」の自動化ロボット開発など、製造・開発の現場におけるエンジニアやプロジェクトリーダーの採用が急加速する可能性が高く、転職者にとって非常に大きなキャリアチャンスと言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は、100年に1度の変革期にある自動車市場向けのVCCS事業という安定した収益基盤を持ちながら、生成AI関連需要で急成長を遂げるCTC事業へ経営資源を集中させる動的なポートフォリオ経営を推進しています。また、2025年には光波の事業承継を行い、ソフトウェアやセンシング技術を融合させたソリューションビジネスへの転換など、「両利きの経営」を本格化させています。これまでの経験を活かして、安定した経営基盤の上で社会的インパクトの大きい最先端の技術革新や事業変革に挑戦したいという意欲を伝えることが、強力な志望動機となるでしょう。
面接での逆質問例
・CTC事業における生成AI向けGPU検査需要の急増に対し、量・質・スピードを重視した開発・生産体制の抜本強化が掲げられていますが、入社後にこの増産プロセスやマネジメント機能強化に最も貢献できる具体的な課題は何でしょうか。
・2025年に事業承継した旧光波の技術とヨコオのコア技術を融合させる取り組みがインキュベーションセンターで進んでいますが、現在特に強化しているソフトウェアやセンシング領域において、中途採用者に期待される即戦力としての役割について教えてください。
・新中期経営計画の「ミニマム10」達成に向けて、全従業員のDXリテラシー習得目標を前倒しで達成し、今後はAI活用スキル教育に注力されるとのことですが、中途入社者が日々の実務においてAIやDXを推進するためにどのようなサポート体制や期待が寄せられていますか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
ものづくりに興味がある人はお勧めです
ものづくりに興味がある人はお勧めです。車載アンテナ部門は各車メーカーへ展開するので、自分で設計した製品が乗用車に搭載されます。
(30代前半・アナログ回路設計・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ヨコオ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社ヨコオ 2026年3月期 決算説明会資料



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