0 編集部が注目した重点ポイント
①売上高・当期純利益が過去最高を更新する
2026年3月期の売上高は前年同期比7.0%増の1,489億54百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比153.6%増の169億10百万円となり、過去最高益を達成しました。案件の着実な進捗に加え、非事業用資産である物流施設の売却に伴う固定資産売却益120億32百万円の計上が最終利益を大きく押し上げました。
②水環境事業でM&Aと運転管理体制を強化する
水処理および下水処理施設の運転管理を手掛ける東日本エンジニアリングを吸収合併したほか、つばめ・やひこウォーターサービスを新規連結化するなど、水環境事業の基盤拡充が完了しました。官民連携(PPP/DBO)や長期包括受託の拡大に向け、現場運用と施工管理の技術人材に対する需要が一段と高まっています。
③産業事業が大幅増益を達成し成長を牽引する
産業事業の営業利益は前年同期比95.5%増の41億48百万円と激増しました。化学・ライフサイエンス分野向けプラントや固形廃棄物焼却炉、半導体向け廃水処理案件の採算性が向上したことが貢献しており、先端素材や環境保全機器を扱うエンジニアリング求人の活発化が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.4
売上高
1,489.54億円
前年同期比: +7.0%
営業利益
98.42億円
前年同期比: +10.4%
経常利益
109.87億円
前年同期比: +7.2%
親会社株主に帰属する当期純利益
169.10億円
前年同期比: +153.6%
当連結会計年度における月島ホールディングスの業績は、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益のすべてにおいて前年実績を上回りました。受注高は大型案件の端境期の影響で1,542億1百万円(前年同期比15.4%減)となりましたが、豊富な手持ち工事により期末受注残高は3,235億17百万円(前年同期比1.6%増)と過去最高水準を維持しています。
会社公表の業績予想との比較においては、売上高予想1,440億円を50億円上回り、営業利益予想95億円も3億円超過して着地しました。通期計画をしっかり達成する優れた実行力を示しており、業績の進捗・達成度は非常に順調と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.30
水環境事業
【事業内容】
上下水道や汚泥処理設備の設計・建設を行う水インフラと、運転管理・補修工事を請け負うライフサイクルビジネスを提供します。
【業績推移】
売上高は前年同期比6.4%増の985億78百万円と順調に進捗しましたが、研究開発費や人件費の増加により営業利益は58億5百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
【注目ポイント】
PFIやDBO事業などの官民連携案件の受託が拡大しており、ストック型の維持管理収入が安定した収益基盤となっています。また、DXソリューション「OPTINOA」やAIを活用した設備制御の導入が進んでおり、デジタル技術に強みを持つエンジニアや大規模インフラプロジェクトの施工管理・運転管理経験者への採用ニーズが拡大しています。
産業事業
【事業内容】
化学・ライフサイエンス分野向けの産業プラント・単体機器(乾燥機・晶析装置等)や、廃液・固形廃棄物焼却設備などを提供します。
【業績推移】
売上高は前年同期比10.0%増の497億35百万円、営業利益は前年同期比95.5%増の41億48百万円と、採算改善も加わり大幅な増益を達成しました。
【注目ポイント】
二次電池材料向けの微粒子製造技術(晶析・ろ過・乾燥)や、半導体工場向け廃水処理・アンモニア回収設備など、GX(グリーン・トランスフォーメーション)関連の戦略領域で受注が急増しています。高度な機械設計・プロセス設計ノウハウを持つ専門人材や海外営業経験者にとって、キャリアの幅を広げる好機となっています。
その他事業
【事業内容】
不動産の管理・賃貸業務および大型図面・各種書類等の印刷・製本事業を担います。
【業績推移】
売上高は前年同期比52.1%減の6億40百万円、営業損失は1億37百万円(前年同期は6億80百万円の営業利益)となりました。
【注目ポイント】
2025年9月に三井不動産と共同開発した物流施設(信託受益権)の譲渡が完了したため、不動産賃貸収入が解消し減収減益となりました。これは資本効率向上を目指す資産ポートフォリオ再編の一環であり、グループの主軸である水環境・産業事業へのリソース集中が進んでいます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.11
2027年3月期の通期連結業績予想では、売上高1,520億円(前期比2.0%増)、営業利益110億円(前期比11.8%増)、経常利益117億円(前期比6.5%増)を見込み、営業利益過去最高を更新する見通しです。当期純利益は資産売却益の剥落に伴い85億円(前期比49.7%減)を見込みますが、本業の稼ぐ力は確実に高まっています。
中期経営計画に基づき、ベースアップや中途採用の強化といった人的資本投資、ならびにDX・研究開発費への投資を拡大しています。また、非事業用資産の売却で得た資金をM&Aや成長分野に再投資するキャピタルアロケーションを推進しており、専門性の高い技術者や事業開発人材を中途採用で獲得しようとする採用意欲が強い環境が続いています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
月島ホールディングスは、上下水道インフラの老朽化更新や脱炭素(温室効果ガス削減)、官民連携(PPP/DBO)の加速を背景に水環境事業の安定成長を実現しています。さらに、二次電池材料や半導体廃水処理などGX関連分野で産業事業の利幅を拡大させています。
面接では、「インフラ維持管理のデジタル化・効率化への貢献」や「脱炭素社会の実現に向けた環境プラント技術の展開」など、同社が注力する重点分野とご自身の経験(施工管理、機械・プロセス設計、運転管理、DX推進など)を結びつけた志望動機を構築すると評価が高まります。
面接での逆質問例
- 大型包括受託案件(PPP/DBO事業)が増加する中、現場のオペレーション体制やDXツール(OPTINOA等)の活用はどのように推進されていますか?
- 産業事業において電池材料や半導体廃水処理などの成長分野が好調ですが、中途入社者が最先端プロジェクトに参画する機会や育成サポート体制について教えてください。
- グループ会社統合(東日本エンジニアリング等)やM&Aが進む中で、異なる組織文化を持つメンバーのシナジー創出やチームワーク促進の工夫について伺えますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
会社全体の事を考えられる人が増えれば、もっと良くなる
後輩が技術力をもち、しっかり仕事をする事を怖がる古い人間が多いので、勿体無いと思います。現在の古い人間がいなくなるまで技術力が上がることを許されない風土です。 もっと、会社全体の事を考えられる人が増えれば、もっと良くなると思います。
(研究開発・30代後半・女性) [キャリコネの口コミを読む]古くからある人間が重宝される
古くからいる人間が正解、古くからある人間が出世する、古くからある人間が重宝されるので、中途や技術力がある方、頭が良い方はどうしてた批判の対象になります。周りの人間も古くからいる人間の味方ですので、中途採用にはきついと思います。
(研究開発・30代後半・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 月島ホールディングス 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 月島ホールディングス 2026年3月期 決算説明資料



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