0 編集部が注目した重点ポイント
①GIGA第2期受注で契約高が過去最高の166億円へ拡大する
2026年3月期通期において、大型案件「GIGAスクール構想 第2期」の順調な獲得により、契約高は前年比+57.1%増の16,604百万円と大幅な伸びを記録しました。有償フィルタリングでの導入シェアも第1期の53%から70%へ上昇し、強固な顧客基盤の構築が進んでいます。
②クラウド移行加速で120億円規模のストック収益基盤を構築する
主要案件のクラウドサービス化が進んだことで、サービス提供期間にわたって売上計上される契約残高(前受金)が12,006百万円(前期末比+92.3%増)へ急増しました。単発の売り切り型から月次按分による積上げ型収益へシフトしており、次期以降の極めて高い業績安定性を生み出しています。
③企業向け「Z-FILTER」投入で直販型の営業体制へ進化する
企業向け市場において、ゼロトラスト領域の新製品「Z-FILTER」を本格展開するとともに、エンドユーザーへ直接アプローチするハイタッチセールス体制を強化しています。顧客課題の直接把握を通じて提案精度を高め、製品開発への迅速なフィードバックを可能にする組織作りを推し進めています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 通期決算補足説明資料 P.6
デジタルアーツの2026年3月期通期業績は、売上高が10,835百万円(前期比8.5%増)、営業利益が4,791百万円(同5.1%増)となり、過去最高の売上高を達成しました。主力製品であるWeb・メールセキュリティ対策の導入が着実に拡大したことに加え、「GIGAスクール構想 第2期」案件の獲得が大きな推進力となっています。
当期の契約高は16,604百万円(前期比57.1%増)と大幅に拡大しました。受注案件がクラウド型サービス中心であったため会計基準上は月次按分による段階的な売上計上となり、当期の売上高成長率は一桁台にとどまりましたが、繰延売上となる前受金が膨らみ将来の収益基盤は大幅に強化されました。業績予想との比較ではクラウド化による収益認識のずれがあったものの、事業の好調さは極めて顕著と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 通期決算補足説明資料 P.7
企業向け市場
【事業内容】
民間企業や各種組織向けにWebアクセスセキュリティ「i-FILTER」やメール脅威対策「m-FILTER」、新製品「Z-FILTER」などのクラウド型製品を提供しています。
【業績推移】
当期の契約高は5,564百万円(前期比10.9%増)、売上高は5,176百万円(同8.2%増)となり、クラウド対策需要を取り込み堅調な二桁成長を達成しました。
【注目ポイント】
偽装メールやURLを悪用した攻撃への対策ニーズが高まる中、ゼロトラスト領域をカバーする新製品「Z-FILTER」の案件積み上げが順調に進んでいます。パートナー経由のみならず顧客へ直接提案するハイタッチセールス体制へのシフトを進めており、顧客課題を捉えてプロダクト提案や機能改修へ素早く還元できる営業・エンジニア人材が強く求められています。
公共向け市場
【事業内容】
官公庁、自治体、教育委員会や学校向けにセキュリティソリューションおよび学習支援システム「D教室」などを提供しています。
【業績推移】
「GIGAスクール構想 第2期」案件を獲得し、契約高は10,639百万円(前期比106.7%増)と大幅伸長。売上高は5,256百万円(同9.8%増)となりました。
【注目ポイント】
GIGA第2期案件では有償フィルタリングの導入シェア70%を獲得し、受注単価も約30%向上させるなど圧倒的な強みを発揮しました。クラウド中心の受注であるため受取手形・売掛金ではなく前受金として積まれ、中長期的なサービス収益として寄与します。今後は「次世代校務DX」や「自治体セキュリティ強靭化」などの国家政策案件へ水平展開するため、公共分野のDX推進ノウハウを持つ人材が即戦力となります。
家庭向け市場
【事業内容】
個人・家庭向けに子ども向けWebフィルタリングソフトや大人世代向け総合セキュリティ「i-フィルター 10」を展開しています。
【業績推移】
当期の契約高は400百万円(前期比1.9%減)、売上高は402百万円(同1.8%減)となり、ほぼ前年並みの水準で推移しました。
【注目ポイント】
MVNO商流の拡大や複数年パッケージ製品の販促を強化したことで新規獲得が進みました。従来の児童保護用途にとどまらず、大人世代向け「ホワイト運用」機能の普及を図るため、販売代理店やPCメーカーとのアライアンス構築・販路開拓を担うマーケティングや営業担当者の役割が重要性を増しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 通期決算補足説明資料 P.47
デジタルアーツの2027年3月期業績予想は、売上高12,000百万円(前期比10.8%増)、営業利益5,400百万円(同12.7%増)を見込んでいます。GIGA第2期案件の獲得ピークアウトに伴い契約高は13,500百万円(同18.7%減)と一時的な減少を見込むものの、過去に獲得したクラウドサービス案件の売上計上(繰入売上高4,804百万円)が進むため、売上・利益ともに過去最高水準を更新する計画です。
今後は生成AI利用拡大に伴う新たなセキュリティ・ガバナンス需要(誤作動、情報漏えいリスク対応)を捉えるため、特許技術を活用したAIセキュリティソリューションの展開を加速させます。また、開発・営業・管理などの全社部門でAIを実務に実装し、生産性を飛躍的に高める方針です。組織増強に向けた採用では、AI活用環境のもとで能動的に事業拡大を牽引できる専門性の高い人材にとって、大きなキャリア機会が広がっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
デジタルアーツは国内セキュリティソフトのパイオニアとして、独自技術である「ホワイト運用」を強みに1,500万人規模のユーザー基盤を確立しています。GIGAスクール構想第2期での圧倒的シェアナンバーワン獲得に留まらず、ゼロトラストプロダクト「Z-FILTER」や生成AIセキュリティ分野などの新たな市場を果敢に開拓しています。面接では、ストック型収益モデルへの転換期において、顧客と直接対話するハイタッチ営業や高度なAIプロダクト開発を通じて、同社の成長スピードをいかに加速させられるかを自身の過去の実績と結びつけてアピールすることが有効です。
面接での逆質問例
質問例1:新製品「Z-FILTER」や「a-FILTER」の案件創出にあたり、従来の代理店販売と強化中のハイタッチセールスはどのように連携し、営業戦略を最適化されていますか?
質問例2:社内各部門におけるAI活用(社内AI実装による業務高度化)が進む中、入社後に担当部門で成果を出すために期待される役割やスキルセットについて教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
昇給の基準が設定されているものの不明瞭
・昇給の基準が設定されているものの不明瞭であり、運用が回っているように思えない。 ・賞与に上限があり、若手が稼ぐことのできる年収がほぼ決まっている。 ・新卒社員はほぼ年次でジョブグレードが上がっていくイメージであり、個人の業績や働く姿勢はあまり考慮されていない印象 ・30代、40代の能力のあるベテラン社員は、能力並みにしっかいと評価されていないイメージ
(代理店営業・20代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]若手向けになるが、実家住、一人暮らし問わず月に1.5万円の住宅補助ができる
若手向けになるが、実家住、一人暮らし問わず月に1.5万円の住宅補助ができる。また、新卒向けに毎年社員寮が提供される。ただし、社員寮については家賃を全学区会社が負担するのではなく、3万円の補助金がでるのみである。 交通費については、上限はあるものの全額支払われる。 退職金はないが、長期間在籍や会社の業績が条件となるストックオプション制度がある。条件等が厳しく、行使できる人はかなり少数と思われる。
(代理店営業・20代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- デジタルアーツ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- デジタルアーツ 2026年3月期 通期 決算補足説明資料



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