0 編集部が注目した重点ポイント
①韓国子会社不祥事などで特別損失806百万円を計上しガバナンスを強化する
当期において韓国連結子会社A&D SCALES CO., LTD.における不正支出(横領損害額243百万円)および国内子会社のエー・アンド・デイにおける計量法違反是正費用(552百万円)が発生し、特別損失806百万円を計上しました。グループ全体での内部統制・ガバナンス体制の徹底再構築を進めています。
②売上高69,326百万円を達成し営業利益も4.5%増益と着実に成長する
半導体事業の需要調整があったものの、計測・計量機器事業や医療・健康機器事業が伸長したことで、売上高は69,326百万円(前期比3.3%増)、営業利益は9,209百万円(前期比4.5%増)となりました。主力事業の多角化により安定した収益基盤を維持しています。
③ホロン新工場建設へ30億円を投じ半導体製造装置の供給能力を拡充する
2025年12月にホロン新工場(東京都立川市)が竣工し、2026年3月より稼働を開始しました。総額約30億円を投じてクリーンルーム面積を大幅拡大したことで、中長期的な半導体市場の成長に対応する先端電子ビーム検査装置の生産体制を確立しました。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.5
売上高
69,326百万円 +3.3%営業利益
9,209百万円 +4.5%経常利益
9,470百万円 +5.8%親会社株主に帰属する当期純利益
5,923百万円 -8.4%
当連結会計年度における業績は、米国関税の影響や各種コスト増、米州EV市場の減速などの懸念材料があったものの、計測・計量機器事業における高付加価値化や医療・健康機器事業の海外需要が牽引し、増収増益を確保しました。営業利益は前年同期比4.5%増の9,209百万円となりました。一方で、一連の不祥事・是正対応に伴う特別損失806百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,923百万円(同8.4%減)と減益となりました。
期初予想との比較では、売上高が予想70,000百万円に対し達成率99.0%の69,326百万円、営業利益が予想9,500百万円に対し達成率96.9%の9,209百万円となり、業績は概ね順調に着地したと評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.7
半導体関連事業
【事業内容】
電子銃やフォトマスク寸法測定装置(CD-SEM)など、半導体製造の前工程で用いられる最先端の電子ビーム測定・検査装置の開発・製造。
【業績推移】
売上高は11,114百万円(前期比9.6%減)、セグメント利益は3,628百万円(前期比12.0%減)となり、前期の旺盛な需要の反動による調整局面を迎えました。
【注目ポイント】
足元では一過性の需要調整期にあるものの、次世代装置「HSS-1000」のリリースや新工場の稼働開始により、中長期的な成長基盤は一段と強化されています。技術力を強みとする製品開発体制とグローバルな顧客サポート体制の拡充を進めており、高度なメカトロニクス技術者や電子ビーム評価技術者の専門性が強く求められています。
計測・計量機器事業
【事業内容】
産業用電子天びん、試験機、制御シミュレーション(DSP)機器など、幅広い製造業向け計測・計量システムの提供。
【業績推移】
売上高は31,545百万円(前期比2.9%増)、セグメント利益は3,387百万円(前期比25.2%増)と大幅な増益を達成しました。
【注目ポイント】
米州におけるEV関連投資抑制の影響を受けたものの、日本国内でのDSP機器の収益改善策や大口案件寄与、中国・インドでの計量機器需要の好調が利益を大きく押し上げました。エネルギーシフト対応や工場自動化(FA)需要に向けた製品展開を加速しており、産業用システムのソリューション提案型営業やソフトウェア開発人材の需要が高まっています。
医療・健康機器事業
【事業内容】
家庭用デジタル血圧計、全自動血圧計、医療DX対応機器、超音波吸入器などの医療・健康管理機器の製造・販売。
【業績推移】
売上高は26,667百万円(前期比10.5%増)、セグメント利益は米国関税によるコスト増の影響を受け4,009百万円(前期比2.4%減)となりました。
【注目ポイント】
米州での大口顧客向け出荷拡大や欧州市場での為替効果・販売強化が貢献し、売上高は二桁成長を実現しました。医療DXに対応した通信機能搭載血圧計や睡眠時血圧計など、高付加価値製品への転換が進んでいます。デジタルヘルス分野での事業拡大に伴い、コネクテッドデバイス開発やグローバルマーケティングの実務経験者が重宝されます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.13
2027年3月期の通期業績予想は、売上高68,000百万円(前期比1.9%減)、営業利益7,000百万円(前期比24.0%減)を見込んでいます。これは、中国市場における半導体投資の一時的な調整や、米国EV関連市場の減速、米国関税政策によるコスト高といった外部環境の変化を織り込んだ結果です。
これに伴い、中期経営計画(FY2025〜FY2027)の最終年度数値目標を売上高755億円(修正前800億円)、営業利益99億円(修正前117億円)に見直しました。しかし、同社はこれを構造的な衰退ではなく一過性の需要調整と位置付けており、2028年3月期からの業績回復を見据えています。
キャッシュアロケーションにおいては、期間累積で450億円規模の営業キャッシュフローを見込み、そのうち120億円以上を成長・戦略投資(R&Dセンター新棟建設や国内生産拠点の再編など)に投入する計画です。事業基盤の再構築と先行投資を推進する中で、新しい事業モデルや生産革新を推進できる人材の採用ニーズは堅調に推移すると想定されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は、半導体・計測・医療という多角的な事業ポートフォリオを有し、世界的な需要変化にしなやかに対応できる強みを持っています。志望動機を構築する際は、単に製品や技術に関心がある旨を伝えるだけでなく、「ホロン新工場の稼働開始に伴う生産能力拡大」や「医療DX・デジタルヘルスへの shift」といった同社の具体的成長施策に触れることが有効です。自身の専門スキル(メカトロニクス設計、海外営業、ガバナンス構築など)を、同社が推進する事業基盤の再構築やグローバル展開の加速にどう活かせるかを論理的にアピールすると説得力が高まります。
面接での逆質問例
質問例1:「2028年3月期に向けた業績回復フェーズにおいて、半導体関連事業と他事業とのシナジー創出に向けた具体的な取り組みや、中途採用者に期待される役割について教えてください。」
質問例2:「米国関税政策や為替変動といった外部環境リスクに対し、医療・健康機器事業でのコストダウン活動や価格適正化を推進する上で、現場で最も注力しているテーマは何でしょうか。」
質問例3:「グループ全体のガバナンス体制強化や内部統制の再徹底が進められる中、各事業拠点における業務プロセスの透明化や効率化に対して、どのような組織改革が行われていますか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
かなりの運要素と長い時間が必要である
実力主義を謳っており、確かに営業で数字を上げれば出世は出来そうな気がする。しかし、それには膨大な製品知識(メディカル以外の全製品)を身につけ、上司に気に入られ、大手優良顧客(昔からの人間がなかなか離れないので引継ぐのを待つしかない)を担当しなくてはならない。よって、かなりの運要素と長い時間が必要である。
(30代前半男性・代理店営業・正社員) [キャリコネの口コミを読む]コーヒー一杯飲む余裕もない
残業は少なめだが、コーヒー一杯飲む余裕もない。トイレに行くのも躊躇するレベル。そのくらい業務量が多い。いつも気がついたら16時になっている、それが毎日。休日出勤はまずない。
(30代前半男性・代理店営業・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- A&Dホロンホールディングス 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- A&Dホロンホールディングス 2026年3月期 決算説明資料



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