0 編集部が注目した重点ポイント
①売上高は前期比12.4%増で過去最高を達成する
2026年3月期の売上高は前期比12.4%増の35,301百万円となり、過去最高を更新しました。主力の「GPUインフラストラクチャーサービス」や「クラウドサービス」が力強く牽引したほか、官公庁向け大口案件の受注拡大が成長に貢献しています。
②国産事業者初となるガバメントクラウドへ正式採択される
2026年3月、デジタル庁が整備する政府・自治体共通基盤「ガバメントクラウド」サービス提供事業者に国産事業者として唯一正式採択されました。公共・エンタープライズ領域における導入提案の拡大とともに、全国的なパートナー連携による販売チャネル強化が進んでいます。
③先行投資から2027年3月期の営業利益15億円へのV字回復を見込む
生成AI(人工知能)向け機材調達やデータセンター構築、人材獲得(当期で連結138名増)などの戦略投資が先行し、当期営業利益は△403百万円の一時的赤字となりました。しかし2027年3月期は高稼働の継続により営業利益1,500百万円への大幅な業績回復を見込んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 期末 決算説明資料 P.4
売上高
35,301百万円
前期比 +12.4%
営業利益
△403百万円
前期実績 4,145百万円
経常利益
105百万円
前期比 △97.4%
親会社株主に帰属する当期純利益
216百万円
前期比 △92.6%
当連結会計年度における売上高は、GPUインフラストラクチャーサービスが前期比20.3%増、クラウドサービスが同9.4%増と順調に成長したほか、官公庁向け大口案件の受注獲得によりその他サービスも19.6%増と大きく寄与し、35,301百万円の最高売上を記録しました。利益面においては、クラウド機能開発や販売促進を強固にするための積極的な人材投資(連結従業員数138名増)に加え、GPU関連機器の減価償却費、サーバー保守費用、データセンター賃料等の先行コスト増加が影響し、営業利益は△403百万円となりました。なお、営業外収益にクラウドプログラムによる補助金収入617百万円を計上したことで、経常利益105百万円を確保しています。
なお、通期の事業進捗評価について、当期は期初予想に対して設備・人材投資の先行による一時的な費用増加が発生したものの、注力事業であるGPU・クラウド分野の売上拡大は計画通り順調に推移しており、収穫期に向けた基盤構築が着実に完了しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 期末 決算説明資料 P.20
クラウドサービス
事業内容:「さくらのクラウド」および「さくらのレンタルサーバ」などを提供し、オープン系システムのモダナイゼーション(近代化)やガバメントクラウド用途を支える中核サービス群です。
業績推移:売上高は15,324百万円(前連結会計年度比9.4%増)となり、安定したストック収益として拡大が続いています。
注目ポイント:ガバメントクラウド正式採択を受け、全国1,700超の自治体や大手エンタープライズ企業への導入提案機会が急増しています。高品質なインフラ技術の開発や専門サポート体制の拡充が急務であり、顧客の課題解決を支える営業・技術一体型の組織強化を進めています。
GPUインフラストラクチャーサービス
事業内容:ベアメタル型GPUクラウド「高火力 PHY」や「さくらONE」など、生成AIの開発・運用に不可欠な高度計算資源を提供しています。
業績推移:売上高は8,144百万円(前連結会計年度比20.3%増)と大幅な伸びを達成し、急速な成長を示しています。
注目ポイント:新たに設置したNVIDIA B200 GPU約1,100基の国内大手企業向け提供を開始したほか、H100やH200などの既存GPUの稼働率も向上しています。学習から推論までの需要に応えるため、AIエキスパートチームの技術力と販売体制のさらなる強化が期待されています。
物理基盤サービス
事業内容:ハウジングサービスおよび専用サーバサービスなど、従来のオンプレミス型・物理インフラの運用基盤を提供しています。
業績推移:売上高は3,056百万円(前連結会計年度比7.2%減)となりました。
注目ポイント:クラウド移行に伴う利用減少の傾向がある一方、高い堅牢性が求められる一部顧客層からの根強い需要があります。自社データセンター資産の効率的な活用や次世代基盤へのスムーズな移行支援において、基盤運用のノウハウを持つエンジニアが重要な役割を果たしています。
その他サービス
事業内容:官公庁向けの大口デジタルインフラ整備案件や「さくらのAI」などの新規サービス展開を含みます。
業績推移:売上高は8,776百万円(前連結会計年度比19.6%増)と力強く成長しました。
注目ポイント:行政・公共ITプロジェクトでの大型受注獲得により売上規模が大きく拡大しました。官公庁や大企業とのビジネスを円滑に進めるプロジェクトマネジメント業務や、受託・アライアンス案件を推進する人材への期待が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 期末 決算説明資料 P.6
さくらインターネットは、国産唯一のガバメントクラウド正式採択と日本最大級のAI向けGPU基盤という2つの強力な強みを軸に、国内のデジタルインフラ市場でのシェア拡大を目指しています。2027年3月期は、GPUインフラストラクチャーサービスで売上高18,400百万円(前期比125.9%増)、クラウドサービスで17,600百万円(同14.9%増)を見込むなど、注力領域での大幅な成長を予測しています。
組織体制においても開発と販売が密接に連動する再編を行い、社内でのAI活用を推進することで営業生産性と顧客LTV(顧客生涯価値)の最大化を狙います。また、2027年3月期には60名の新規採用を計画しており、エンジニアや営業、マーケティングをはじめとする多様な職種で組織基盤の強化を加速させる方針です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
さくらインターネットは「ガバメントクラウド正式採択」と「生成AI向け大規模GPU基盤」という、日本のITインフラの根幹を支える成長領域で圧倒的な立ち位置を築いています。
志望動機を作成する際は、「国産クラウド基盤としての高い信頼性」や「最先端の生成AIインフラ」という環境において、自身の専門スキル(エンジニアリング、エンタープライズ提案、プロジェクトマネジメントなど)をどのように活かし、社会や顧客の課題解決と自らの持続的な成長に貢献できるかを具体的に記載することが有効です。
面接での逆質問例
質問例1:ガバメントクラウド正式採択に伴い、公共・自治体領域の提案プロジェクトが増加していると伺いました。今後どのような職種や体制で受注から運用までのプロセスをサポートしていく方針でしょうか?
質問例2:生成AI領域でGPU稼働率を高めつつ高付加価値化を図る戦略において、開発チームと営業・アライアンスチームがどのように連携しているか教えてください。
質問例3:リモートワークや柔軟な働き方を導入しながらも、社内のAI活用や組織再編を通じた生産性向上に取り組まれている点に魅力を感じます。入社後に早期活躍するための期待事項や研修環境について教えていただけますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
クリエイティブさも感じられました
私が所属していた部署はサーバ運用でして、ほとんどルーチンワークではありましたが、ルールにきつく縛られていることはなかったです。 そのため、日々の業務の中で改善すべき点などがあれば提案することで、すぐに反映させていただくことができるところから、クリエイティブさも感じられました。
(システム運用・20代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- さくらインターネット 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- さくらインターネット 2026年3月期 期末 決算説明資料



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