0編集部が注目した重点ポイント
①配当方針を配当性向50%以上へ変更する
配当方針を「連結配当性向50%以上」へ変更し、2026年3月期の年間配当金を150円(前期比+40円)へ大幅増配しました。株主還元の強化と資本効率の改善を両立させる明確な方針を示しており、還元基準の強化が図られています。
②2030年度目標でROE11%以上を掲げる
2026年5月に「2030年度に目指す姿」を発表し、2030年度に営業利益率15%以上、ROE11%以上の達成を掲げました。高付加価値な40Vmax(XGT)シリーズの浸透や事業基盤強化により、明確な長期ロードマップが提示されています。
③パナソニックEWからパワーツール事業を取得する
パナソニックエレクトリックワークスからのパワーツール事業取得(2026年度中に実行予定)を発表しました。パナソニックEWのトルク制御やデータ管理技術と、自社のバッテリ・モータ技術を融合させ、工場向け市場への本格参入を目指します。
1連結業績ハイライト
出典:マキタ 2026年3月期 決算説明会資料 P.4
売上収益
7,776億円 +3.2%
営業利益
1,047億円 △2.2%
税引前利益
1,080億円 △0.4%
親会社当期利益
794億円 +0.1%
当期は通期実績の報告です。売上収益は米国の関税措置や住宅投資の低迷等の影響を受けたものの、円安に伴う為替効果や充電製品の拡販により、前年比+3.2%増収の7,776億円と過去最高を更新しました。営業利益については、継続的なコストダウン施策があったものの、販売人員増強や広告宣伝費の増加により前年比△2.2%の1,047億円となりました。
利益面では販管費の先行投資が影響したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益は794億円と前年水準を維持しています。通期実績として、売上高および最終利益がプラス成長を確保しており、堅実な事業基盤のもとで概ね順調な着地を達成したと評価できます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:マキタ 2026年3月期 決算説明会資料 P.21
日本市場
事業内容:国内における電動工具、園芸用機器、エア工具等の製造・販売およびアフターサービスを担当します。
業績推移:外部売上収益は1,514億円(前年比3.4%増)、営業利益は389億円(同40.8%増)となりました。
注目ポイント:住宅着工数の減少など需要環境が厳しい中、40Vmax(XGT)シリーズや充電式園芸用機器の拡販が売上を下支えし、前年比で大幅な増益を達成しました。国内129箇所のきめ細やかな営業・サービス拠点網を活用し、建築分野以外の新たな現場へソリューション提案を行える営業・サービス人材が求められています。
欧州市場
事業内容:欧州各国における電動工具・園芸用機器の販売および地域密着型カスタマーサポートを展開します。
業績推移:外部売上収益は3,933億円(前年比5.0%増)、営業利益は390億円(同3.8%増)となりました。
注目ポイント:高水準の金利に伴い建築・建設市場は低調だったものの、為替影響および高付加価値な40Vmaxシリーズの需要が堅調に推移し、全社売上の約5割を占める最大の収益柱となっています。現地ユーザーの潜在的課題を捕らえるため販売人員の強化が進められており、グローバル展開をリードできる人材に好機があります。
北米市場
事業内容:米国およびカナダ市場における電動工具、園芸用機器等の販売・流通ネットワークを統括します。
業績推移:外部売上収益は816億円(前年比6.0%減)、営業利益は23億円(前年の赤字から黒字転換)となりました。
注目ポイント:住宅投資の鈍化や市場競争の激化により現地通貨ベースでは苦戦したものの、コスト管理と効率化により営業利益は黒字へ回復しました。北米市場での再成長に向け、エンジン式から充電式への切り替えニーズ(OPE市場)を獲得するプロダクトマネージャーやテクニカル営業の活躍が期待されています。
アジア市場
事業内容:中国、東南アジア各国における製造拠点および製品の販売・アフターサービス事業を展開します。
業績推移:外部売上収益は343億円(前年比8.3%増)、営業利益は303億円(同5.3%増)となりました。
注目ポイント:中国の不動産不況の影響を受けつつも、インフラ関連や基幹産業向けにハイパワー製品の拡販を推し進め、増収増益を維持しました。製造拠点・調達地の多極化(タイやインドへの分散)を進めており、サプライチェーンの再構築や現地生産管理に長けた専門人材の重要性が増しています。
その他市場(中南米・オセアニア・中近東・アフリカ等)
事業内容:中南米、オセアニア、中近東、アフリカ各地域における電動工具・園芸機器等の販売事業を推進します。
業績推移:外部売上収益は1,168億円(前年比3.1%増)、営業利益は55億円(同24.3%減)となりました。
注目ポイント:中南米での好調な販売やオセアニアでのXGTシリーズ拡販、中近東・アフリカでの建設需要の伸びが売上増に寄与し、堅調な拡大を見せています。地域ごとの市場特性に応じたきめ細やかな拠点展開を行っており、新興国市場の開拓を担うチャレンジ精神旺盛な人材が求められています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:マキタ 2026年3月期 決算説明会資料 P.10
2027年3月期の通期予想は、売上収益8,200億円(前年比+5.5%)、営業利益1,100億円(同+5.1%)、親会社当期利益810億円(同+2.0%)と増収増益を見込んでいます。地政学的リスクや販管費の増加が見込まれるものの、販売人員の増強や40Vmax(XGT)シリーズを軸とした園芸・インフラ等の新分野開拓により、売上の拡大を見込む計画です。
さらに「2030年度に目指す姿」としてROE11%以上、営業利益率15%以上を目標に設定し、40VmaxとOPE(園芸用機器)分野への注力により1,500億円規模の売上増を見込んでいます。パナソニックEWからのパワーツール事業取得など積極的な成長投資も加速しており、新分野の開拓を牽引する人材にとって高い成長性と挑戦環境が提供されています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
作業現場の人手不足解消やエンジンから充電へのシフトによる脱炭素社会への貢献といった同社の事業戦略への共感をアピールすることが有効です。また、世界中のユーザーに密着した拠点網を強みとする同社において、現場へのソリューション提案や新市場開拓に自身のスキルをどう活かせるかを具体的に伝えましょう。
面接での逆質問例
- 「2030年度目標に向けた40Vmaxシリーズの拡販において、建築現場以外の新市場(インフラ・OPE等)の開拓を担当する営業・マーケティング人材にはどのような動きが求められますか?」
- 「地政学リスクへの対応として推進されているサプライチェーンの強靭化において、生産管理やグローバル調達の職種に期待される具体的な課題は何でしょうか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料



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