0 編集部が注目した重点ポイント
①売上と全利益で過去最高を更新し成長を加速させる
2026年3月期は、売上高が前期比8.2%増の5,970億円、営業利益が16.7%増の469億円となり、過去最高の更新を達成しました。価格改定の進展や高付加価値サービスの伸長が寄与しており、次期も連続での最高業績更新を計画するなど盤石な事業基盤が強みです。
②商号をALSOKへ統一し綜合安心産業へ進化する
2025年7月に「綜合警備保障」から「ALSOK」へ商号変更を実施しました。従来の警備業務にとどまらず、設備管理や介護、防災など社会全体の多様なリスクに応える強靭な「綜合安全安心サービス業」への転換を明確にしており、キャリア機会の拡大が進んでいます。
③積極的なM&AでFM事業等の事業基盤を拡大する
2025年9月に富士通グループからの施設管理事業承継、2026年3月には平和管財の株式取得による連結子会社化を実行しました。FM(ファシリティマネジメント=施設総合管理)領域の売上高は16.6%増と急成長しており、事業多角化の推進が顕著です。
1 連結業績ハイライト
出典:ALSOKグループ決算説明資料(2026年3月期) P.3
当期は処遇改善に伴う労務費の増加やDX関連投資を、継続的な価格改定や業務効率化によって吸収し、大幅な営業増益を達成しました。自己資本当期純利益率(ROE)も前期の7.9%から9.2%へと改善し、資本効率の向上が着実に進んでいます。
通期業績予想に対しては、売上高が9億円未達、営業利益が15億円未達となったものの、純利益は公表予想を3億円上回って着地しており、全体として極めて堅調な業績進捗を示した決算と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:ALSOKグループ決算説明資料(2026年3月期) P.4
セキュリティ事業
【事業内容】
機械警備、家庭向けHOME ALSOK、常駐警備、警備輸送を展開するグループ中核の警備サービス事業です。
【業績推移】
売上高は前期比7.4%増の4,208億14百万円、営業利益は12.6%増の454億16百万円と増収増益でした。
【注目ポイント】
国内の体感治安悪化を背景に「HOME ALSOK Connect」の受注が好調に推移したほか、万博や大型イベント、空港警備などの需要を取り込みました。さらに法人向け「ALSOK-G7」やドローン点検、物理ペネトレーションテストなど高度セキュリティ技術の導入を加速しており、最先端技術と警備を融合させるDX人材やソリューション提案営業の需要が高まっています。
FM事業等(注:当期中に事業承継および新規連結あり)
【事業内容】
設備工事・管理、環境衛生・清掃管理、消防設備点検、防災機材販売などを担う総合施設管理事業です。
【業績推移】
売上高は前期比16.6%増の929億84百万円、営業利益は23.0%増の112億76百万円と大幅に伸長しました。
【注目ポイント】
富士通ホーム&オフィスサービスからの事業承継や、沖縄ビル・メンテナンス、平和管財の連結子会社化など積極的な外部リソース獲得により規模拡大を続けています。EV充電設備の設置・保守など脱炭素・サステナビリティ領域の拡充も進めており、施設管理の施工管理技士やエネルギー管理の有資格者にとって大きな活躍の場が広がっています。
介護事業
【事業内容】
「ALSOKの介護」ブランドのもと、居宅介護支援、訪問・通所介護、施設介護などを提供する事業です。
【業績推移】
売上高は前期比3.5%増の552億42百万円、営業利益は49.4%増の22億38百万円と大幅な増益を達成しました。
【注目ポイント】
入居率が堅調に推移したことに加え、介護ロボットの導入や職員配置の適正化によるDX推進が実を結び、収益性の大幅な改善を実現しました。大和ハウスグループからの介護事業取得契約締結など、中長期的な拠点網拡大が継続しており、現場の介護専門職のみならず、拠点マネジメントや業務標準化を主導できる管理職の登用が急務となっています。
海外事業
【事業内容】
アジア地域を中心とする海外子会社において、日系企業等向けに警備およびファシリティ管理を展開します。
【業績推移】
売上高は前期比4.3%増の279億83百万円、営業損益は11億10百万円の損失(前期は5億47百万円の損失)となりました。
【注目ポイント】
インドネシア現地法人の再編統合など基盤整備を進める中で先行投資がかさみ営業損失が拡大したものの、日系企業の海外展開支援や現地ニーズへの対応を着実に進めています。海外拠点の統括管理やグローバル事業基盤の確立に向けた現地法人マネジメント人材の重要度が増しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:ALSOKグループ決算説明資料(2026年3月期) P.10
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高6,375億円(前期比6.8%増)、営業利益557億円(同18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益373億円(同12.1%増)と、連続での過去最高更新を計画しています。3G停波対応や退職給付費用の減少、継続的な適正価格への改定が利益を大きく押し上げる見通しです。一方で、ベースアップ等による人件費増やシステム開発関連の投資拡大を織り込んでおり、単なるコスト削減ではなく成長投資を両立させる方針が示されています。また、中期経営計画「Grand Design 2025」の完了に伴い、新たに「ALSOK STAGE 2028」が始動します。セキュリティを核とした総合安全安心サービス業としての進化に向けて、DX・AIを活用した業務プロセスの変革や専門性の高いプロフェッショナル人材の採用が活発化すると考えられます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は社名変更を経て、警備専業から社会のあらゆる課題を解決する「綜合安全安心サービス業」へのシフトを急ピッチで進めています。志望動機を構築する際は、単に警備業界への関心を述べるのではなく、売上比率を高めているFM事業や介護事業とのシナジー創出、あるいはDX・AIを活用した省人化・高付加価値化に対して自身の経験や専門知識がどう貢献できるかを具体的に語ることが極めて効果的です。
面接での逆質問例
「決算説明資料では『ALSOK-G7』や介護ロボットの活用、ドローン点検などテクノロジーによる業務効率化が強調されていますが、現場へのシステム実装において直面している組織的課題と、中途採用者に期待される役割について教えてください。」
「相次ぐM&AによりFM事業等の成長が著しいですが、新たにグループに加わった事業会社とのPMI(買収後の統合プロセス)において、特に注力されている人材交流やカルチャー統合の取り組みはありますでしょうか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
新卒社員と中途社員の差は感じない
新卒社員と中途社員の差は感じない。実力主義なので結果を出せば中途でも十分昇任できる環境である。その点についてはとても良いと思う。
(代理店営業・20代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]少しずつ女性の管理職も増えている
少しずつ女性の管理職も増えているが、まだまだ男性社会のように感じる。育休制度もあり、実際に私が所属する場所でも利用している人がいる。
(代理店営業・20代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- ALSOKグループ決算説明資料(2026年3月期)



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