0 編集部が注目した重点ポイント
① 再生可能エネルギー事業会社を完全子会社化
2024年7月に豪州で再生可能エネルギーおよび蓄電設備の開発を展開するGenex Power Pty Ltdを連結子会社化(100%)しました。これにより、同国における太陽光発電やバッテリー貯蔵など、クリーンエネルギー事業のさらなる拡大が期待されます。
② アセット売却による資本効率の改善を推進
当期は米国におけるガス火力発電事業の持分譲渡(北米ガス火力権益売却)を実施し、多額の売却益を計上しました。このように資産の入替えを機動的に行うことで、得られた資金を次なる成長分野(再エネ等)へ再投資する戦略的な動きを加速させています。
③ 石炭火力発電のトランジションを加速
松島火力発電所を休廃止するなど、老朽化した石炭火力の見直しを進めています。一方で、既存設備にガス化炉を追加する「GENESIS松島」計画など、CO2フリー水素発電に向けた技術開発とアップサイクルにも注力し、脱炭素化への道筋を明確にしています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期(2025年度) 決算説明資料 P.9
売上高(営業収益)
1兆1,822億円
前年同期比 -10.2%
営業利益
1,009億円
前年同期比 -27.0%
経常利益
1,585億円
前年同期比 +13.2%
親会社株主に帰属する当期純利益
585億円
前年同期比 -36.7%
売上高は1兆1,822億円と減収になりました。これは、松島火力発電所の休廃止影響や容量市場価格の下落など、国内発電事業における売上減少が主な要因です。また、営業利益も修繕費の増加や豪州炭鉱権益保有子会社での石炭販売価格低下が響き、減益となりました。
一方で、経常利益は前年同期比+13.2%の1,585億円と増益を確保しています。この増益を牽引したのは、北米ガス火力権益の売却による持分法投資利益の増加です。なお、純利益については、高砂火力発電所等での減損損失や大間原子力発電所計画に伴う固定資産除却損を特別損失として計上したため、減益着地となりました。通期決算であるため進捗率は100%となります。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期(2025年度) 決算説明資料 P.13
発電事業
事業内容:水力、火力、風力などによる国内発電事業および設備の保守運営を行っています。
業績推移:売上高は8,404億円(前年比88.9%)、経常利益は453億円(同66.2%)と減収減益になりました。
注目ポイント:松島火力発電所の休廃止や容量市場価格の下落が響き、減益となりました。しかし、CO2フリー水素発電への移行や再生可能エネルギーの開発など、脱炭素社会に向けた電源ポートフォリオの変革期にあります。技術の社会実装を推進できるエンジニアや、電源開発のプロジェクトマネージャーへの期待が高まっています。
送変電事業
事業内容:J-POWER送変電が担う、全国の一般送配電事業者向け電力託送事業です。
業績推移:売上高は492億円(前年比98.8%)、経常利益は17億円(同62.6%)と減収減益になりました。
注目ポイント:修繕費の増加などにより減益となりましたが、再エネの大量導入を支える電力ネットワークの増強(新佐久間周波数変換所の新設など)に貢献する事業機会は豊富です。インフラのレジリエンス強化を担う送変電設備の技術者や、大規模な建設工事を管理する専門人材が求められています。
海外事業
事業内容:タイ、米国、豪州などを中心とした海外での発電事業を展開しています。
業績推移:売上高は2,278億円(前年比93.1%)と減収、経常利益は948億円(同274.9%)と大幅増益になりました。
注目ポイント:北米ガス火力権益の売却益が大きく寄与し、大幅な増益を達成しました。今後は、米国や豪州での再エネ開発・投資サイクルの推進、およびアジア圏での大型IPP(独立系発電事業者)事業の長期安定運営が鍵となります。グローバルな事業投資やM&Aを主導できる人材が活躍できるフィールドです。
電力周辺関連事業・その他の事業
事業内容:豪州炭鉱権益の保有など、発電事業を補完する事業を展開しています。
業績推移:売上高は646億円(前年比84.6%)、経常利益は174億円(同50.2%)と減収減益になりました。
注目ポイント:豪州における石炭販売価格の下落が影響し、減収減益となりました。燃料調達の安定化とコスト最適化はグループ全体の基盤を支えるため、資源市況を的確に分析し、調達戦略を最適化できる専門人材の役割は引き続き重要です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期(2025年度) 決算説明資料 P.17
2027年3月期の通期予想では、売上高は1兆3,800億円(前期比16.7%増)、営業利益は1,250億円(同23.8%増)と増収増益を見込んでいます。国内発電事業での電力販売価格上昇や、海外でのチャージャー太陽光発電所の運転開始などが寄与する見通しです。一方で、経常利益については、前期の北米ガス火力権益売却益の反動により、1,250億円(同21.2%減)を予想しています。
成長戦略においては、「J-POWER "BLUE MISSION 2050"」に基づき、国内の洋上風力や次世代水力発電(NEXUS佐久間)、CCS(二酸化炭素の回収・貯留)事業化に向けた調査など、脱炭素化へ向けた大型プロジェクトが進行中です。また、大間原子力発電所計画についても、適合性審査への適切な対応と早期の安全強化対策工事開始を目指しています。これらの社会課題解決に直結するプロジェクトを牽引できるイノベーション人材の採用が、今後のさらなる企業価値向上において非常に重要になると言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
J-POWERの志望動機では、エネルギー変革期における挑戦意欲を示すことが効果的です。「CO2フリー水素発電や大規模洋上風力開発など、次世代エネルギーの社会実装に貢献したい」といった具体的なビジョンや、「海外でのアセット入替えに伴う再投資サイクルの推進において、自身の金融・投資専門性を活かしたい」といった、事業戦略に合致する専門性をアピールすると説得力が増すでしょう。
面接での逆質問例
「GENESIS松島など、既存の火力発電設備をアップサイクルするプロジェクトにおいて、技術的な課題解決のために現在どのような専門人材が最も求められていますか?」
「豪州Genex社の完全子会社化など、海外での再エネ開発投資が加速していますが、現地パートナーとの協業やガバナンス体制構築において、特に重視しているポイントを教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自分のやっていることは小さいなこと
仕事は自分のやっていることは小さいなことだが、会社全体では大きな仕事をしているので、大変にやりがいを感じる。
(20代前半・総務・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期(2025年度) 決算説明資料


