0編集部が注目した重点ポイント
①経常利益675億円で過去最高の更新を見込む
2027年3月期の通期計画は経常利益675億円(前期比+225億円)、当期純利益450億円(同+120億円)で、両利益ともに過去最高の更新を見込みます。金利上昇に伴う邦貨資金関連利益の増加と、前期の低利回り債圧縮の影響の剥落が主因です。年間配当金も96円と16期連続の増配を予想しています。
②債券入替で減益も、コア業務純益を61億円伸ばす
2026年3月期の経常利益は450億円(前期比14.1%減)でした。低利回りかつ長期の国内債券を中心に簿価2,100億円相当を売却し、有価証券ポートフォリオの改善を優先したためです。一方、貸出金利息や預け金利息の増加により、コア業務純益は567億円(同+61億円)と本業の稼ぐ力は増益を確保しています。
③子会社4社を再編し、YMGPを新たに始動させる
2025年7月、ワイエムコンサルティング、YMキャリア、データ・キュービック、ワイエムライフプランニングの4社を再編し、YMFGグロースパートナーズ(YMGP)が始動しました。同年9月には保険ひろばの全株式を譲渡し連結から除外(前期との単純比較は不可)。法人の経営課題解決を担うコンサルティング領域でキャリア機会が拡大する可能性があります。
1連結業績ハイライト
出典:山口フィナンシャルグループ 2026年3月期決算 会社説明会資料 P.7
経常収益
2,619億円
前期比 +22.7%
コア業務純益※
567億円
前期比 +61億円(+12.1%)
経常利益
450億円
前期比 ▲14.1%
親会社株主に帰属する当期純利益
330億円
前期比 ▲6.6%
※コア業務純益(除く投信解約損益および金利スワップ解約損益)=コア業務粗利益(投信解約損益および金利スワップ解約損益を除く)-経費(臨時処理分除く)。有価証券の売却損益などを除いた、銀行本業の収益力を測る指標です。
2026年3月期は、貸出金利息や有価証券利息配当金、株式等売却益の増加により経常収益が2,619億円(前期比+22.7%)と伸びた一方、資金調達費用や国債等債券売却損の増加で経常利益・当期純利益は減益となりました。ただしコア業務純益は増益で、OHR(経費÷コア業務粗利益で算出する経費効率の指標、低いほど効率的)も54.3%と前期の56.1%から改善しています。
2025年5月公表の期初計画に対する通期の進捗は、経常利益が計画450億円に対し実績450億円(達成率100%)、当期純利益が計画315億円に対し330億円(同約105%)と、いずれも計画を達成しており順調です。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:山口フィナンシャルグループ 2026年3月期決算 会社説明会資料 P.24
山口銀行
事業内容:国内123拠点(本・支店109、出張所14)に加え、大連支店・青島支店・香港駐在員事務所の海外3拠点を持ちます。
業績推移:経常利益は404億円(前期比+10億円)、当期純利益は292億円(同+5億円)と、3行で唯一の増益を確保しました。
注目ポイント:有価証券利息配当金や株式等売却益の増加が増益を支えました。2025年11月には青島支店・大連支店を駐在員事務所へ変更する方針を決定し、当局の認可取得後に国内基準行へ移行する予定です。移行後は資本活用余地が1,000億円程度に増加する見通しで、戦略的出資などに資本を振り向ける余地が広がるため、国際業務の再設計や市場運用を担う人材の重要性が高まると考えられます。
もみじ銀行
事業内容:国内103拠点(本・支店98、出張所5)を展開するグループ3銀行の一角です。
業績推移:経常利益は59億円(前期比▲51億円)、当期純利益は42億円(同▲31億円)と減益でした。
注目ポイント:貸出金利息は311億円(前期比+44億円)と本業の収益は拡大しています。減益の主因は資金調達費用の増加と、低利回り債の売却に伴う国債等債券損失(▲251億円)であり、2027年3月期以降の収益改善に向けた先行的な処理といえます。グループとして預金調達コストの低減に向け、給与振込や決済口座などのメイン口座化を進めており、個人・法人の取引基盤を広げる営業力が求められています。
北九州銀行
事業内容:国内37拠点(本・支店37)を展開し、成長ドライバーの一つである半導体関連の融資を担います。
業績推移:貸出金利息は177億円(前期比+30億円)と伸長も、経常利益は65億円(同▲14億円)、当期純利益は47億円(同▲17億円)でした。
注目ポイント:減益は資金調達費用や与信関係費用の増加が主因です。一方、グループは「半導体関連(北九州銀行)」を成長ドライバーの一つに掲げ、北九州銀行の貸出金平残を2030年3月期に2025年3月期比+2,500億円とする計画です。地域戦略産業として投資拡大局面にあり、サプライチェーン全体への波及も見込まれることから、産業知見を持つ法人営業人材の活躍余地が大きい領域です。
グループ会社(YMFGグロースパートナーズ・ワイエム証券等)
事業内容:YMGPが法人の経営課題解決を、ワイエム証券(山口・広島・福岡に9拠点)が証券業務を担います。
業績推移:グループ会社等の役務取引等利益は83億円(前期は98億円)。保険ひろば売却による▲15億円の影響を含みます(注:前期とは連結範囲が異なり単純比較不可)。
注目ポイント:2027年3月期は、銀行のリテール関連が▲10億円となる一方、YMGP関連+4億円、ワイエム証券関連+4億円とグループ会社が収益を下支えする計画です。YMGPは4社に分散していた経営課題の情報や知見を集約し、エクイティ出資を含む成長支援をワンストップで提供する体制を整えており、「同舟共命型ビジネスモデル」の中核としてコンサルティング人材の需要が高まっています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:山口フィナンシャルグループ 2026年3月期決算 会社説明会資料 P.20
2030年3月期に当期純利益600億円を目標とし、成長の柱として「シップファイナンス」(船舶向け融資、2030年3月期に2025年3月期比+2,000億円)、「ストラクチャードファイナンス」(再エネ・インフラ等のプロジェクト向け融資)、「半導体関連」の3分野で貸出を拡大します。山口県は2026年4月にGX(脱炭素と経済成長の両立)戦略地域の有望地域に選定されました。社内では3銀行の勘定系システム(預金・融資等を処理する基幹システム)統合を本格始動し、営業人員約1.5倍増加を見込みます。一方、経費は成長投資やベア等で750億円(前期比+74億円)に増える計画で、中東情勢の緊迫化は見通し不透明のため計画に織り込まれていない点にも留意が必要です。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は融資にとどまらず、エクイティ出資やソリューションを組み合わせて地域企業と事業リスクを共有する「同舟共命型ビジネスモデル」への転換を進めています。「資金を貸すだけでなく、お客さまの経営課題に伴走したい」という姿勢は、志望動機の軸として評価されやすいと考えられます。
また、地域金融機関でありながらシップファイナンスや半導体関連などグローバル・成長産業にアクセスできる点は、他の地方銀行との差別化ポイントです。GX戦略地域への取組みなど、地域全体を「面」で支える構想に共感した点を具体的に語ると説得力が増します。
面接での逆質問例
- 「YMGPの始動により、銀行の法人営業担当とコンサルティング部門の連携は現場でどのように変わりましたか」
- 「勘定系システム統合で営業人員が約1.5倍に増える見込みとのことですが、業務の再配置に伴いどのようなスキルが求められますか」
- 「GX戦略地域に選定された場合、地域企業への支援でどのような役割を担うことを想定されていますか」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
係長まではほとんど誰でも昇格することが可能。
基本的に年次が経てばきちんと昇格していくが、役席になるためには運とタイミングとある程度の能力が必要となる。係長まではほとんど誰でも昇格することが可能。昇格も複線化されているが、人材配置に意味があるかどうかは不明。
(20代後半男性・ルートセールス・正社員) [キャリコネの口コミを読む]休日出勤もほとんどないため、休みはきちんと取れると感じる
残業の抑制により、3ヶ月に一度残業時間の調整が行われ、極力残業代を支払う必要がないように組織に仕向けられる。残業代は支給されるものの、そもそも残業代が発生しないように労働時間をうまく調整されている。休日出勤もほとんどないため、休みはきちんと取れると感じる。
(20代後半男性・ルートセールス・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社山口フィナンシャルグループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社山口フィナンシャルグループ 2026年3月期決算 会社説明会資料



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