三井不動産の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
三井不動産は、江戸時代に創業した「越後屋」をルーツとし、三井合名会社の不動産課を経て、1941年に設立されました。以来、「都市に豊かさと潤いを」をコーポレートステートメントとして掲げ、オフィスビルや商業施設、ホテル・リゾート、海外事業など幅広く事業展開しています。
2018年5月に発表された長期経営方針「VISION2025」では、「街づくりの一層の進化」「リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新」「海外事業の飛躍的な成長」の3つの取り組み方針のもと、不動産業そのもののイノベーションとグローバリゼーションを目指すと明言しました。
こうした事業展開は、三井グループの精神といえる「新しいものにチャレンジする『進取の気性』」が根付いているからこそ。口コミでも「若手の意見が即、プロジェクトに反映される」「プロジェクトリーダーとして早くから仕事を任される」といった声が多く見られ、若手のうちから「主体的かつ積極的に仕事に取り組む人材」を育成する風土であることが分かります。4~5年のサイクルで複数の部署をローテーションさせる仕組みもあり、「部署によって業務がまったく異なり、転職に近い感覚。学ぶべきことが多い」「次々に様々な経験ができる」という声も見られるなど、キャリアアップの観点でも好環境であるといえます。
また、「街づくり」というスケールの大きな仕事そのものも、社員のモチベーションにもつながっているようです。「自分たちの企画したものが出来上がっていくことの達成感」「とにかくダイナミックな仕事」「地図に残る仕事」という声が多く見られるとともに、「仕事だけに集中できる雰囲気がある」「自分で仕事を作り、自分で問題を探し、自分で解決する。基本的なこのスタイルを何の弊害もなく貫き通せる」というように、その仕事の進め方に対する満足度も高いことが伺えます。
「街づくり」というダイナミックな仕事に気概を持ち、「進取の気性」で主体的かつ積極的に仕事に取り組む。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
三井不動産の中途採用プロセスでは、書類選考後、適性検査および2回の面接が行われます。1次面接は採用担当者や課長クラスの現場社員、最終面接は役員を含めた複数名による面接が行われます。職種によっては面接が3回行われる場合もあるようです。
募集職種は、大きく「総合職掌」「技術職掌」および「業務職掌」の3つの職掌に分類されます。「総合職掌」は、オフィスビル・商業施設・ホテル・住宅等の事業部門およびコーポレート部門に配属され、「技術職掌」はテクノロジーを活用した不動産そのもののイノベーションを行うエンジニアとなります。「総合職掌」の場合、予め配属される事業部門が決まっているわけではなく、これまでの経験・キャリアと会社が求めるポジション双方を調整し、個別に配属部署が決定されます。そのため、エントリー時には希望する仕事内容やこれまでの業務経験・スキル等をなるべく具体的かつ詳細に登録する必要があります。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「『街づくり』というダイナミックな仕事に気概を持ち、『進取の気性』で主体的かつ積極的に仕事に取り組む」という社風が大いに反映されています。「壁にぶつかったときにどう乗り越えたか?」「今までで一番辛かった経験は?」「ストレス解消法は?」という質問が多く見られ、どんなに困難な状況下でも、チャレンジ精神を持って乗り越えられる人材かどうかが評価ポイントとであると言えます。
また、「三井不動産の建物のなかで好きなものを3つ挙げてください」「どの建物が嫌いか?自分ならどう工夫するか」というように、総合不動産業ならではの質問もあります。事業内容について事前にしっかりと把握し、自分の見解を整理しておきましょう。
その他には、志望動機やこれまでのキャリアなどのオーソドックスな質問が多く見られますが、どの質問についても「なぜ?」「どのように?」と深く掘り下げられる傾向があります。論理的に分かりやすく説明できるよう、しっかりと準備をしておきましょう。
三井不動産の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
三井不動産の面接攻略法(面接対策)
■三井不動産の行動指針「GROUP MISSION」を理解した上で自己分析をする
三井不動産の面接を受ける上では、「GROUP MISSION」と呼ばれる行動指針を理解しておくことが不可欠です。「GROUP MISSION」は以下の4つで構成されています。
1.ビジネスとくらしに関するソリューションとサービスの提供
●豊かさと潤いをもたらし、安全・安心で魅力にあふれる空間とソフト、サービスを提供して、街の価値を最大化する。
●多彩で革新的なソリューションを提供して、不動産投資市場の成長に貢献する。
2.グローバルな視野で顧客のパートナーへ
●顧客をビジネスの創造ならびに進化・発展の基盤と考える。
●顧客が真に求めているものを多面的に把握し、グループの総力で提案・実現する。
●顧客のパートナーとして、高い評価を獲得し続け、ブランド価値を高める。
3.企業価値の向上
●持続的な利益成長を図るとともに、不断のイノベーションを行うことにより企業価値を向上させる。
●経営資源の最適活用ならびに効率経営を追求する。
●常にリスクに対して適正なマネジメントを行う。
4.個の力を高め結集してグループの力へ
●多彩な人材、多様な価値観を融合し、パイオニア精神に満ちた独創性を育む。
●個々人がプロフェッショナルな知識・能力を磨き、互いに共有して、付加価値創造力を高める。
●企業倫理と規律、コンプライアンスについて、常に高い意識を持って行動する。
これは、三井不動産の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「GROUP MISSION」に合致する人材であることをアピールしましょう。
例えば、これまでに携わったプロジェクトにおいて、お客様視点に立ち、前例にとらわれない革新的な解決をしたエピソードがあれば、「ビジネスとくらしに関するソリューションとサービスの提供」についてのアピールにつながります。
また、「街づくり」というダイナミックな仕事においては、多種多様な人材が必要であり、一人ひとりが「主体的かつ積極的に仕事に取り組む」人材であることを求められます。自分自身の高い専門性とともに、プロジェクトメンバーの力を引き出せるようなコミュニケーション能力についても語ることができれば、「個の力を結集してグループの力へ」の観点でのアピールが可能です。
さらに、長期経営方針「VISION2025」の取り組み方針の一つとして「海外事業の飛躍的な成長」が掲げられていることからも分かるように、三井不動産にとって「グローバルな視野で顧客のパートナーへ」は欠くことのできない要素です。これに絡めた志望動機を準備しておくことも、強力なアピールになるでしょう。
■「なぜ三井不動産に転職したいのか」の明確化には他社研究を
三井不動産の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ三井不動産か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、三井不動産という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 三菱地所株式会社
- 住友不動産株式会社
- 東急不動産株式会社
三井不動産の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、三井不動産の採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「『街づくり』というダイナミックな仕事に気概を持ち、『進取の気性』で主体的かつ積極的に仕事に取り組む」という社風を意識して、どんなに困難な環境下でも、専門性やコミュニケーション能力をもって革新的なソリューション提供ができる人材であることを、具体的なエピソードで紹介すると良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
22歳男性/不動産管理【結果:入社】
28歳男性/営業【結果:1次面接で不採用】
34歳男性/その他【結果:最終面接で不採用】
27歳男性/営業【結果:2次面接で不採用】
三井不動産の採用面接に向けて
三井不動産の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「『街づくり』というダイナミックな仕事に気概を持ち、『進取の気性』で主体的かつ積極的に仕事に取り組む」という社風を意識する。そして、どんなに困難な環境下でも、専門性やコミュニケーション能力をもって革新的なソリューション提供ができる人材であることを、自分の言葉でアピールする。
- 三井不動産の行動指針「GROUP MISSION」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ三井不動産か」に対する答えを明確にしておく。
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東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。