任天堂の20年間:ゲーム機と売上利益
任天堂の業績は、個々のゲーム機のヒットおよび収益構造に大きく影響されています。ここ20年間の推移を見てみましょう。
2001年に携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」と据置型ゲーム機「ニンテンドーゲームキューブ」を相次いで発売した任天堂は、2002年6月に岩田聡氏が社長に就任。2004年にはタッチパネルを搭載した2画面の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を発売し、大ヒットとなります。
2006年の年末には家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」を発売。これもヒットし、2007年3月期から2011年3月期にかけて業績の大きなピークができました。
2011年に携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」を発売し、ハード、ソフトともにヒットしたものの、本体の価格値下げによる逆ザヤ状態が発生。円高などの影響もあり、2012年3月期から2014年3月期まで大きな営業赤字を計上しました。
2015年3月期決算で4期ぶりの営業黒字となりましたが、7月に岩田社長が死去。9月に君島達己社長が就任し、2016年7月にゲームアプリ「Pokémon GO」をリリース、2017年3月に家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」を発売。業績回復を果たし、2018年6月に古川俊太郎社長へ交代しています。
任天堂の2019年3月期の売上高は前期比13.7%増の1兆2006億円、営業利益は同40.6%増の2497億円となり増収増益でした。
売上原価は6994億円と前期比7.2%増えましたが、売上総利益は5012億円で同24.2%増となり、粗利率は同3.5pt増の41.7%にまで高まりました。
販売費及び一般管理費は2515億円で前期比11.3%増えましたが、売上総利益の増加が大きかったため、営業利益率は同4.0pt増の20.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は同39.0%増の1940億円まで伸長しています。
2020年3月期の業績予想は、売上高1兆2500億円(前期比4.1%)、営業利益2600億円(同)、親会社株主に帰属する当期純利益は1800億円(同7.2%減)を見込んでいましたが、2020年1月30日発表の2020年第3四半期決算とともに以下のように修正されました。
- 売上高:1兆2500億円→1兆2500億円(修正なし)
- 営業利益:2600億円→3000億円(15.4%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:1800億円→2100億円(16.7%増)
Nintendo Switchファミリー本体やソフトウェアの販売台数が好調に推移したこと、中国においてNintendo Switchの販売を開始したことが主な理由です。
セグメント分析:Nintendo Switch が牽引
お読み頂きありがとうございます。続きで読めるコンテンツは
3884文字画像2枚