損益計算書(PL):予想を上回る増収増益
任天堂の2020年3月期決算は、売上高が前期比9.0%増の1兆3085億円、営業利益が同41.1%増の3524億円と大幅な増収増益でした。営業利益率も同6.1pt増の26.9%と大きく伸びました。
売上原価は前期比4.7%減の6668億円と抑え、売上総利益は同28.0%増の6417億円と大幅増。粗利率は同7.3pt増の49.0%で、円高によるマイナス影響があったものの、主にソフトウェアの売上構成比率の上昇や利益率の高いデジタル売上高の割合の増加により改善しました。
販売費及び一般管理費は、前期比15.0%増の2893億円。主に、研究開発費やデジタル販売の増加に伴う決済手数料などの費用が増加したことが要因です。しかし増収効果は大きく、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比33.3%増の2586億円となりました。
任天堂は2020年1月に、通期の連結業績予想の上方修正を出していますが、その修正を更に上回る形で着地しています。Nintendo Switch『あつまれ どうぶつの森』がSwitch向けソフトウェアでは過去最速でミリオンセラーとなり、好調な滑り出しを見せていることなどが主な要因です。
2021年3月期の業績予想は、20年3月期が爆発的な好調だったこともあり、売上高が前期比8.3%減の1兆2000億円、営業利益が前期比14.9%減の3000億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比22.7%減の2000億円の減収減益予想となっています。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、生産・販売数量の減少が一定期間見込まれるものの、開発中のソフトウェアは予定通り発売ができる前提としています。
セグメント分析:Switch関連の売上が93%、デジタルの増加は「特殊要因」
お読み頂きありがとうございます。続きで読めるコンテンツは
4567文字画像6枚
ビジネス会計の知識を生かして執筆活動を行っています。読者にわかりやすい記事を書けるよう日々精進しています。