【面接対策】ブラザー工業の中途採用面接では何を聞かれるのか

【面接対策】ブラザー工業の中途採用面接では何を聞かれるのか

家庭用ミシンからオフィス用複合機、工作機械まで、幅広く製品を展開するブラザー工業への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。


ブラザー工業の採用面接前に知っておきたいこと

社風への理解

1908年、輸入ミシンの修理業からスタートしたブラザー工業。のちに自社製ミシンを開発し、これがヒット。その後も次々と新しい製品づくりに挑戦し、タイプライターやファクスなど、数々の人気商品を世に送り出してきました。近年はSOHO向けの複合機やファクスにおいて、特に海外で高い評価を得ています。

変革をいとわず、常に新市場を開拓し続けてきたブラザー工業には、チャレンジ精神を重んじる企業風土があります。「やりたいことにチャレンジさせてくれる」「ボトムアップの傾向が強いため自分次第のところが大きい」「入社1年目であろうと企画を通してくれる」といった声が多く見受けられ、社員一人ひとりのチャレンジ精神を大切にしていることがうかがえます。「自律型社員の活躍が目立つ」との口コミもあり、こうした企業風土が事業の多角化を成功させてきたと言えるでしょう。

また、社内の風通しはかなり良いようで、「社長に対してさえ役職名を使わず『さん』づけで呼ぶ」習慣があるなど、役職の違いによる垣根は低く、フランクな交流が行われている様子。しかし、こうした環境については賛否両論で、「ぬるい」と断じる人もいれば「まったりしていてストレスがたまらない」と満足感を覚える人もいます。福利厚生制度や女性が働きやすい環境も整っているなど、全体的に穏やかで安定した労働環境があるようです。

面接を受けるにあたっては、こうしたチャレンジ精神と穏やかさが共存するブラザー工業の社風のもとで自律的に仕事に取り組み、成果を上げられるかどうか、という観点から自己分析や事前準備を行う必要があるでしょう。

選考は何次まで?

ブラザー工業の選考プロセスは、コーポレートサイト経由のエントリーからスタートします。書類選考通過後、原則2回の面接に合格すれば内定が出る流れとなっています。1次面接は配属予定部署のマネジャーが、2次面接は配属予定部署の部長および人事部長が面接官となるとのこと。筆記試験もあるため、事前の対策が欠かせません。

2020年2月現在、ブラザー工業では、技術系職種と営業職で中途採用を行っていますが、職種なしエントリーも受け付けています。自分のこれまでのキャリアと今後のビジョンに照らし合わせて、適した応募スタイルを選ぶとよいでしょう。中途採用情報ページには、募集要項だけでなく、現在ブラザー工業で活躍する中途入社者へのインタビューも掲載されていますので、職場の雰囲気を掴む手段のひとつとして目を通してみてください。

面接内容の傾向は?

ブラザー工業の中途採用面接では、入社後のビジョンや実務遂行能力を問う傾向が見られます。口コミによると、志望動機や転職理由など、オーソドックスな質問に加えて、「これまでのキャリアを入社後にどのように活かすか?」と聞かれたり、前職での業務内容について詳細な説明を求められたりすることがあるようです。中途入社の場合、即戦力としての働きを期待されることが多いため、その期待に沿う実務能力を持った人材であるかどうかは重要なポイントです。これまでのキャリアを棚卸しし、活かせるスキルや経験をピックアップした上で、どのようなアプローチで入社後の実務に反映させられるかを整理しておく必要があります。

また、チャレンジ精神を重んじるブラザー工業らしく、「これから身につけたい知識は?」と向上心の度合いを計られたり、「プリンター業界をどう思う?」と業界展望についての意見を求められたりすることも。「本当に上昇志向のある人間なのかどうかを見ているように感じられた」という口コミも見受けられます。安定的で穏やかな企業風土はあるものの、漫然と業務に取り組む姿勢は好まれません。常に前を見据える姿勢をアピールするため、「5年後になりたい姿」「業界展望を踏まえた上で自分が成し遂げたいこと」などのテーマで回答例を作成してみるとよいでしょう。自分のキャリアビジョンとブラザー工業のビジョンおよび戦略が重なるポイントを探るのも有効です。

ブラザー工業の面接攻略法(面接対策)

ブラザー工業の中期戦略「CS B2021」を理解した上で自己分析をする

面接に臨む前に必ず押さえておきたいのがブラザーグループの中期戦略です。グループ中核企業であるブラザー工業は、グループ中長期ビジョン・グループ中期戦略に則った経営を行っています。

ブラザーグループ コーポレートサイトより

「グルーバルビジョン21」と銘打った、上図のような中長期ビジョンを掲げるブラザーグループ。独自の技術力を強みに、顧客から信頼されるブランド力を有した高収益体質の企業への進化を目指します。この中長期ビジョン実現のための戦略が、現在取り組み中の中期戦略「CS B2021」(2019~2021年度)です。

ブラザーグループ 新中期戦略「CS B2021」説明会資料より

紙離れや米中貿易摩擦、顧客ニーズの急激な変化など、ビジネスシーンの現状はブラザーグループにとって厳しい環境と言えます。そんな中、前中期戦略では事業・業務・人財の3つの面からの変革が功を奏し、重点領域での収益性向上や売上成長を実現しました。今中期戦略では事業環境の現状を反映し、さらなる改革の断行を推し進めたい考えです。

プリンティング領域では「ブラザーらしい」ビジネスモデルで製品に高付加価値をつけ、マシナリー・FA領域では商品価格変動の小さい自動車・一般機械市場に重点をシフトし、大きな成長を見込みます。

しかし、2019年4月~12月期の連結決算では、純利益は前年同期比10%減。施策のさらなる強化が望まれます。上記グループ施策に加え、ブラザー工業としては事業運営基盤の強化を施策目標としており、「業務生産性10%向上」を具体的な目標数値として設定しています。中途採用においても、効率的に業務を進められる有能な人材が求められます。面接に臨むにあたり、「『ブラザーらしさ』やチャレンジ精神を大切にしながら変革の実現に貢献できる」ことをアピールできれば強いでしょう。そのためには中期戦略「CS B2021」をしっかりと理解しておく必要があります。

「なぜブラザー工業に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要

ブラザー工業の面接でよく聞かれる質問のひとつとして「なぜブラザー工業か」というものがあります。ブラザー工業の場合、志望動機を問うことで面接官は「これまでのキャリアをどのように当社で活かすつもりなのか」といったキャリアビジョン的な要素とともに、「本当に当社の成長に貢献できる人材なのか」を見極めようとしていると考えられます。

業界理解・職種理解はもちろん、ブラザー工業という企業についてしっかりと理解した上で、自分のビジョンと意欲をアピールしましょう。そのために、競合となりやすい企業の他社研究も必ず行ってください。「なぜ他社ではなくブラザー工業を志望するのか」という視点で志望動機を理路整然と説明できれば、ブラザー工業の戦略や方向性を理解していることも併せてアピールすることができます。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

  • キヤノン株式会社
  • セイコーエプソン株式会社
  • 株式会社日本HP

ブラザー工業の採用面接で実際に聞かれた質問内容

ブラザー工業が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。ブラザー工業の場合、「チャレンジ精神と穏やかさが共存する社風」を意識して、「『ブラザーらしさ』やチャレンジ精神を大切にしながら変革の実現に貢献できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問に自分ならどのように答えるか、面接対策としてしっかりと考えてみてください。

[20代前半・男性/生産・製造技術] 【結果:最終面接で不採用】

質問

これから身につけたい知識は?

回答

材料工学などを学んで仕事に活かそうと…(口コミの続きとアドバイスを見る

[20代後半・男性/メカトロ設計] 【結果:4次面接以降を辞退】

質問

プリンター業界をどう思う?

回答

たしかにペーパーレス化が進んでいるが紙というのは昔からあるものであり…(口コミの続きとアドバイスを見る

[20代後半・男性/財務] 【結果:一次面接で不採用】

質問

入社したらどのように仕事をするか

回答

自分の得意なコミュニケーション能力を活かし、アットホームな雰囲気を…(口コミの続きとアドバイスを見る

[30代後半・男性/営業マネージャー] 【結果:二次面接で不採用】

質問

志望理由は?

回答

自分の希望職と一致している、グローバルに展開している事業内容に魅力…(口コミの続きとアドバイスを見る

ブラザー工業の採用面接に向けて

ブラザー工業の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

  • 「チャレンジ精神と穏やかさが共存する社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。

  • ブラザーグループの中期戦略「CS B2021」を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。

  • 競合他社についての理解を深め、「なぜブラザー工業なのか」に対する答えを明確にしておく。

この3点についてしっかりと整理し、自分の言葉で再構築した上で、面接当日は積極的にアピールできる準備をしておきましょう。

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この記事の執筆者

大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。


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