【19年12月期】大幅赤字のホットリンク Twitter社とパートナー契約結び「PGRパッケージ」展開

【19年12月期】大幅赤字のホットリンク Twitter社とパートナー契約結び「PGRパッケージ」展開

ビッグデータによるマーケティング支援を行うホットリンク。19年12月期は過去最高売上でしたが、プライバシー保護規制で売上原価が急増するなど収益構造の悪化で赤字に転落しました。20年12月期は既存事業のリストラとともにSNSマーケティングの新規事業を実施予定です。財務諸表などに基づく会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):プライバシー保護規制で売上原価急増

ホットリンクの2019年12月期の売上高は前期比14.0%増の36億9600万円と過去最高でしたが、営業損益は17億円の赤字と赤字転換でした。営業利益率はマイナス46.0%に悪化しています。

売上原価は前期比35.0%増の25億8300万円、売上総利益は同16.2%減の11億1300万円となりました。データ原価の値上がりや原価率の高いデータの売上比率の増加などにより、売上原価の増加率が売上高を上回り、粗利率は同10.9pt減の30.1%に悪化しています。

19年12月期は、世界のソーシャルメディアアクセス権市場の環境は急激に悪化しました。プライバシー保護規則(GDPR)によりデータアクセス権が有料かつ割高になったことにより、売上原価率の高いデータの売上比率が上がったことが売上原価の増加要因となりました。

さらに顧客企業の経営が悪化したことから、2019年12月期第3四半期においてのれんの減損損失を7億5900万円計上したことも、その他費用を増加させる要因となりました。

販売費及び一般管理費は前期比181.3%増の28億1300万円。業容拡大に伴い人件費や業務委託費が増加し、データアクセス権の市況悪化に伴う貸倒引当金の繰入により増加しました。

親会社株主に帰属する当期純損益は16億3500万円の赤字で、最終赤字転落となりました。

2020年12月期の業績予想は、新型コロナウィルスによる感染症の影響により中国市場などの業績見通しが困難であることなどから開示していません。

セグメント分析:「SNSビッグデータ」の分析と活用支援が柱

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この記事の執筆者

金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。

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