【財務分析】売上高675億円のペッパーフードサービスは、なぜ経営危機に陥っているのか?

【財務分析】売上高675億円のペッパーフードサービスは、なぜ経営危機に陥っているのか?

「いきなり!ステーキ」で話題を呼んだペッパーフードサービスが経営危機に陥っています。19年12月期の売上高を675億円に伸ばし、営業損益は赤字転落とはいえ7100万円。それでも有価証券報告書に「事業活動の継続に重要な問題がある」と記載することになったのはなぜか。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):売上高は前期比増も営業赤字に

2019年12月期の売上高は、前期比6.3%増の675億円でした。

売上原価は前期比9.7%増の398億円。売上総利益も同1.7%増の277億円と増えましたが、売上の伸び以上に売上原価が増えたため、粗利率は同1.8pt減で41.0%でした。

販売費及び一般管理費は前期比18.9%増の278億円。新店舗の増加に伴い給料手当などの人件費が前期比21.9%増えて117億円となり、さらに地代家賃や水道光熱費なども増加しました。

この結果、営業損益は前期39億円の黒字から7100万円の赤字に転落しています。

さらに、退店を決めるなど収益性が見込めなくなった店舗資産などについて減損損失27億円が計上され、親会社株主に帰属する当期純損益は27億円の赤字となりました。最終赤字は2期連続で、金額は前期の22倍超に増えています。

なお、2020年2月14日時点での2020年12月期の連結業績予想は、売上高が614億100万円(前期比9.0%減)、営業利益が5億8200万円の黒字、経常利益が5億1900万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益が2300万円の黒字回復となっています。

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この記事の執筆者

公認会計士試験合格。過去には監査法人勤務も。数字アレルギーを克服し、次に目指すは数字に強いアナウンサー。
『企業の財務データには過去にその企業が何を考え、どう行動したかが現れていると知ってから、数字が血の通ったものに見えるようになりました。分かりやすく丁寧な解説を心がけます。』

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