【20年2月期】「天気の子」で最高益の東宝 「重要な後発事象に関する注記」にコロナ禍の影響記載

【20年2月期】「天気の子」で最高益の東宝 「重要な後発事象に関する注記」にコロナ禍の影響記載

「映画」「演劇」「不動産」のすべての領域で好調で過去最高益となった東宝。しかしコロナ禍で映画公開の日程変更や演劇の公演中止などが相次ぎ、21年2月期の業績予測は非開示に。株主総会招集通知の「重要な後発事象に関する注記」はコロナ禍に言及しました。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):全ての項目が過去最高に

東宝の2020年2月期決算は売上高に相当する営業収入が前期比で6.7%増の2628億円、営業利益は同17.5%増の529億円で増収増益。各項目で過去最高の業績を記録しました。

営業原価は変動費の増加で前期比5.3%増の1493億円となり、増収により売上総利益は同8.6%増の1134億円。粗利率は同0.7pt増の43.2%とわずかに改善しています。

販売費及び一般管理費は前期比1.8%増の606億円。広告宣伝費は同9億8400万円減りましたが、人件費が同11億4500万円増えています。営業利益率は同1.8pt増の20.1%と改善しました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比21.2%増の366億円と過去最高益となりました。

東宝は新型コロナウイルスの影響で、「映画ドラえもんのび太の新恐竜」「名探偵コナン 緋色の弾丸」「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」「ミニオンズフィバー」等の公開予定作品が多数公開延期、「エリザベート」「ミス・サイゴン」など演劇の公演中止、帝国劇場・シアタークリエ・日生劇場東宝など劇場の営業休止や時間短縮等の対応を実施しています。このため業績の見通しが困難であることから、2021年2月期の業績予想は非開示としています。

セグメント分析:利益の6割は映画、3割強が不動産

お読み頂きありがとうございます。続きで読めるコンテンツは

この記事の執筆者

金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。


関連記事

【面接対策】TOHOシネマズの中途採用面接では何を聞かれるのか

日本最大級の興行会社として映画の上映を中心に展開しているTOHOシネマズへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。


wiget_w300
wiget_w300
wiget_w300