【20年3月期】空調設備大手の大気社が最高益 コア技術を活かし事業領域拡大へ

【20年3月期】空調設備大手の大気社が最高益 コア技術を活かし事業領域拡大へ

空調設備大手の大気社。「空気を操る技術」をキャッチフレーズにしていますが、自動車塗装システムで国内首位、世界でも2番手の知る人ぞ知るニッチトップ企業です。1974年の上場以来、一度も経常赤字になったことがなく、連結純利益は3期連続の最高益となりました。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):売上横ばいでも利益率改善で過去最高益

大気社の2020年3月期決算は、売上高が前期比で横ばいの2254億円、営業利益は同10.0%増の154億円。売上は横ばいながら増益で、営業利益は過去最高益を記録しました。

売上原価は前期比0.8%減の1877億円と、増収の中でやや抑制。19年3月期は塗装システム事業の北米のプロジェクトで採算が悪化した影響がありましたが、当期は解消しています。

これにより売上総利益は前期比4.0%増の377億円と増加し、粗利率は同0.6pt増の16.7%に改善しました。販売費及び一般管理費は前期比0.2%増の223億円で、概ね前期並み。営業利益率は同0.7pt増の6.9%とやや改善しています。

このほか、特別利益として投資有価証券売却益を計上したものの、特別損失としてのれんの償却額を計上しましたが、営業利益の増加が大きく、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3.3%増の91億円となり、3期連続で最高益を更新しました。

2021年3月期の業績予想は、新型コロナウイルスが業績に与える影響度やその期間が見通せず、業績予想の合理的な見積もりが困難であるため、現段階では未定としています。

 

セグメント分析:空調設備の工事がメイン。自動車塗装設備は世界トップクラス

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この記事の執筆者

金融機関で法人融資に従事した後、ベンチャー企業で財務経理を経験。わかりやすく読みやすい記事になることを心がけます。

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