ニプロの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
ニプロの歴史は、1947年、電球再生事業からスタートしました。その後、アンプル用硝子管・錠剤瓶用硝子管の販売を手がけるようになったのを契機にガラス事業に参入。スーパーマーケット事業でも成功を収めた同社が、新たな事業領域としたのが医療分野でした。以降、輸液セット、注射針など、さまざまな医療機器の生産を開始し、日本有数の医療機器メーカーへと成長しました。ダイアライザ(人工腎臓)の製造で知られ、人工透析分野に強みを持っています。
近年では再生医療分野にも注力するニプロの社是は「意欲(Willingness)」。病を抱える患者の立場に立ち、役立つ医療機器を提供することと、事業の発展に貢献しつつ社員一人ひとりの自己実現をも達成することの両立を目指して事業展開しています。
そんなニプロの口コミからは、古風さの残る企業風土のなかで実直に仕事をこなす社員の姿が浮かび上がります。「純日本的企業」「年功序列」「残業、休日出勤が多い。やりがいがある反面、忙しいのは仕方がない」などの声が聞かれ、昔ながらの日本企業といった雰囲気があることがうかがえます。社内の雰囲気も穏やかでゆったりとしており、「職場にスピード感や活気を求める人は物足りないと感じる」という口コミも見受けられました。精力的に仕事に取り組みたい人には向かない環境と言えそうです。
一方で、社内政治力や上司との付き合いが重視される傾向は薄まっていると見る人も。「純粋に実力で成果を挙げる人が出世していくように変わってきている」など、企業風土に変化の兆しを感じる人もいることがわかります。
また、やりがいに言及する口コミも多く見られました。健康に関わる事業に携わること、開発する製品が多岐にわたるためさまざまな研究に関われることにやりがいを見出す人が多いようです。
「穏やかで落ち着いた企業風土のなか、意欲とやりがいをもって仕事に取り組む」。中途採用面接では、こうしたニプロの社風にフィットする人物かどうかが見極められます。
■選考は何次まで?
2022年12月現在、ニプロでは、MRやコンプライアンス担当者、法務担当者など、さまざまなポジションで中途採用をおこなっています。
コーポレートサイト内の「キャリア採用情報」ページからエントリー、または応募書類(履歴書・職務経歴書)を人事部に直接送付することで応募できます。書類選考通過後の選考フローについては明記がありませんが、口コミによると、内定までには1~3回の面接を経ることが多いようです。
ニプロの中途採用は、職種やポジションが明確に区分されたうえでの募集となっています。応募資格や要件もそれぞれ異なるため、応募にあたっては自分の適性を確認し、自己PRの方法を工夫するとよいでしょう。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、ニプロの面接では、奇をてらった質問は少なく、中途採用面接としては一般的な質問をされることが多いようです。転職理由や志望動機、学生時代の活動、自身の長所・短所など、想定される質問にはスムーズかつわかりやすく答えられるよう準備しておくのがよいでしょう。
面接は「穏やかな雰囲気」という口コミが多いほか、世間話を中心に面接が進んだという人もおり、面接官とのコミュニケーションを通じて人柄や考え方などを見極められることも少なくないようです。
ただ、なかには「今朝の新聞は読んできましたか?」と聞かれた人も。雑談中は予想外の質問をされることもあるので、的外れな回答をしてしまわないよう、落ち着いた受け答えを心がけましょう。
ニプロの面接攻略法(面接対策)
■ニプロの中期経営計画を理解した上で自己分析をする
ニプロの面接を受ける前に、同社の中期経営計画を理解しておきましょう。
この中期経営計画においてニプロは、上図のような数値をKPIとして掲げています。年平均7.0%以上の売上高成長率と9.0%の営業利益率の実現を目指し、各施策を展開する方針です。医療機器・医薬品の増産体制をより充実させるべく設備投資をおこなうほか、SDGsに対する取り組みも加速させるとしています。とくにSDGs関連では、受診困難な地理的条件下にいる人々にも人工透析をはじめとした治療を届け、医療事故の防止につながる安心・安全な製品を提供するなど、社会課題解決に向けて積極的に取り組みます。
また、ニプロでは、患者目線で業務に取り組み、医療機器部門・医薬品部門・ファーマパッケージング部門の3つが一丸となって安全かつハイクオリティな製品を提供することが行動指針として定められています。さらに「三方良し」の精神を重んじる同社では、「会社」「ユーザー」「社会」のいずれもを利する戦略を追求する姿勢です。
こうした経営方針を踏まえると、中途採用でも、社会に貢献する意欲を忘れず、患者目線に立って仕事に取り組める人材を求めていると言えます。面接の際は、広い視野で事業の意義をとらえながら実直に業務を遂行できることをアピールするとよいでしょう。
■「なぜニプロか」をはっきりさせるためには他社研究が必要
中途採用面接では一般的な「なぜ当社なのか」という質問。この問いかけでは、応募者が企業をどの程度理解しているかはもちろん、同業他社との違いをどれだけつかめているかを探られることが多いでしょう。
説得力のある回答を提示し、面接を突破するためには、企業研究の際に他社研究という手法を取ってみましょう。他社と比較することで、ニプロの特色や強みが浮き彫りになります。事業内容や特化領域などにおいて競合する以下の企業についても研究しておきましょう。
- テルモ株式会社
- 東レ・メディカル株式会社
- 日機装株式会社
ニプロの採用面接で実際に聞かれた質問内容
ニプロの経営方針や求める人物像が企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。ニプロの中途採用面接を受ける際には、「穏やかで落ち着いた企業風土のなか、意欲とやりがいをもって仕事に取り組む社風」を意識して、「社会に貢献する意欲を忘れず、患者目線に立って仕事に取り組める人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
ここでは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問にどう答えるか、ぜひシミュレーションしてみてください。
[20代後半・男性/MR] 【結果:入社】
[20代後半・男性/会計] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/技術関連職] 【結果:入社】
[20代前半・男性/MR・MS] 【結果:入社】
ニプロの採用面接に向けて
ニプロの採用面接を受けるにあたって、その社風や経営方針、面接の傾向など、事前に理解しておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は自分の言葉でアピールすることが大切です。ニプロでの仕事に対する意欲や熱意を伝えましょう。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。