キッコーマンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

キッコーマンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

キッコーマンの2026年3月期2Q決算は、売上収益3,586億円と過去最高を更新。国内豆乳事業の二桁成長や、北米での次世代型新工場建設など、攻めの投資が加速しています。M&Aによる「食と健康」領域の新事業創出も掲げており、グローバルな事業開発や高度なマーケティングを志す転職希望者にとっての機会を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

北米に新工場を建設し供給能力を高める

米国ウィスコンシン州ジェファーソン郡にて、次世代型となる第3工場の建設を推進しています。2026年秋の出荷開始を予定しており、多品種少量生産を効率化することで、北米で多様化する需要に柔軟に対応する体制を整えます。この投資により、生産・物流分野での新たなキャリア機会が大きく拡大する見込みです。

国内豆乳事業が二桁成長を継続する

健康意識の高まりを背景に、国内の豆乳事業が前年同期比113.3%という力強い成長を記録しています。朝食でのたんぱく質補給などの価値訴求が奏功しており、マーケティングや商品開発の分野で専門性を発揮できる環境が整っています。既存の調味料事業に加え、飲料カテゴリーが第2の成長柱として存在感を高めています。

食と健康分野で新規事業を創出する

中期経営計画の重要課題として、M&Aを活用した「食と健康」領域での新事業創出を掲げています。将来的に売上規模1,000億円程度を目指しており、3年間で少なくとも1件の実現を目標としています。グローバルな経営力と外部の力を融合させる方針であり、事業開発や投資領域のプロフェッショナルが活躍できるフィールドが広がっています。

1 連結業績ハイライト

国内外での価値訴求により売上収益は過去最高を更新。為替影響を除いた実質ベースでは増収増益を達成しており、堅実な成長を維持しています。
連結業績サマリ

出典:2025年度第2四半期 決算説明会 P.14

売上収益

358,610百万円

+0.9%

事業利益

41,236百万円

-3.2%

※事業利益 = 売上収益 - 売上原価並びに販売費及び一般管理費(事業の経常的な業績を測る指標)

2026年3月期第2四半期の連結売上収益は、国内・海外ともに伸長し、前年同期比0.9%増の増収となりました。利益面では、北米での関税影響による一時的な物流混乱やマーケティング費用の投入により事業利益が微減となりましたが、為替影響を除いた実質ベースでは+0.5%の増益を確保しています。

通期業績予想に対する進捗率は、売上収益で49.1%、事業利益で52.9%となっており、当中間期の業績は概ね順調に推移しています。下期に向けては、北米での関税政策による混乱が収束し、通常の成長軌道へ回帰することを見込んでいます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内事業は高付加価値化により収益性を向上。海外事業は北米の生産体制強化と欧州の市場深耕により、グローバルな成長機会を創出しています。
海外しょうゆ事業の成長目標

出典:2025年度第2四半期 決算説明会 P.38

国内 食料品製造・販売事業

事業内容

国内におけるしょうゆ、食品(つゆ・たれ)、飲料(豆乳)、酒類(みりん)の製造および販売。日本市場の多様な食ニーズに応える商品展開を担います。

業績推移

売上収益は80,848百万円(前年比103.1%)、事業利益は5,824百万円(前年比110.7%)と、大幅な増益を達成しました。

注目ポイント

豆乳事業の爆発的な成長に加え、しょうゆ類でも「いつでも新鮮」シリーズのような付加価値商品へのシフトが成功しています。健康課題を解決する「健康価値」の訴求が重要戦略となっており、エビデンスに基づいたマーケティング施策を立案できる人材の需要が急増しています。国内市場の成熟に対応した、緻密な販促戦略と製品開発力が求められるフィールドです。

注目職種:ブランドマーケティング、ヘルスケア商品開発、営業企画

海外 食料品製造・販売事業

事業内容

北米、欧州、アジア等でのしょうゆ、デルモンテ製品の製造販売。現地の食習慣に合わせた「キッコーマン」ブランドの浸透を推進します。

業績推移

売上収益は85,348百万円(前年比100.5%)、事業利益は22,429百万円(前年比99.7%)となりました。

注目ポイント

欧州市場において、ドイツやフランスを中心に3期連続の二桁成長を目指すなど、非常に高い成長性を維持しています。北米では新工場の稼働に向けたSCM最適化や、加工用ユーザー向けの深耕が進められています。グローバル基準の品質管理や、多国籍なチームを牽引するプロジェクトマネジメント能力が不可欠であり、「世界の調味料」を創るというダイナミズムを体感できる領域です。

注目職種:グローバルSCM企画、海外生産管理、海外マーケティング

海外 食料品卸売事業

事業内容

東洋食品を世界各地で仕入れ、販売する卸売事業。世界最大の東洋食品ネットワークを基盤に、日本食ブームを支えています。

業績推移

売上収益は202,912百万円(前年比100.2%)、事業利益は13,594百万円(前年比91.1%)を記録しました。

注目ポイント

景況感の変動がある中でも、システム活用による経営の可視化とデータ分析力の強化により、他社比較で高い利益率を維持しています。物流基盤の整備と、DXによる業務効率化が急務となっており、ITリテラシーの高い物流・調達のスペシャリストが切望されています。既存拠点の拡大や新拠点開拓におけるM&Aなど、事業規模の拡大に直接関与できるやりがいがあります。

注目職種:物流企画(DX担当)、グローバル調達、経営分析

国内 その他事業

事業内容

臨床診断用酵素や衛生検査薬、ヒアルロン酸の製造販売、不動産賃貸および運送事業。バイオ関連の先端技術領域を担います。

業績推移

売上収益は10,938百万円(前年比99.1%)、事業利益は859百万円(前年比112.6%)と増益を確保しました。

注目ポイント

衛生検査薬やヒアルロン酸などのバイオ事業が回復基調にあり、利益率の改善が顕著です。グループの「健康」戦略を技術面から支える中核領域であり、新規市場の開拓や新領域へのチャレンジが推奨されています。食品企業の枠を超えた高度な専門知識を持つ技術者や、BtoB市場でのソリューション提案が可能な営業人材が、変革をリードする役割を担っています。

注目職種:バイオ・医薬品研究、品質保証、技術営業

3 今後の見通しと採用の注目点

中期経営計画の目標達成に向け、1,700億円の設備投資を断行。将来的なROE 15%到達を目指し、資本効率の向上と新事業の創出を加速させます。
中期経営計画のキャッシュアロケーション

出典:2025年度第2四半期 決算説明会 P.8

同社は2025年度から2027年度までの中期経営計画において、売上成長年平均5%以上(為替差除き)、ROE 12%以上の達成を目指しています。この目標に向け、増産や維持保全を含めた1,700億円の設備投資を計画しており、特に海外しょうゆ事業への重点配分(1,200億円)が特徴です。質疑応答では、新規事業として既存の強みである「食と健康」分野でのM&A実施を示唆しており、将来的に1,000億円規模の売上を見込む新事業を3年以内に1つ、続く3年でもう1つ実現したいという具体的な意欲が示されています。

また、北米しょうゆ事業については、来期の減益を前提とせず、新工場稼働による売上増で固定費をカバーする方針です。質疑応答で言及された通り、M&A実施の際は負債も活用してB/S改善に取り組む考えであり、攻めの姿勢での財務戦略が期待されます。2030年度以降の「早期ROE 15%」達成という長期目標に向け、既存事業の成長と資産効率の向上を同時に推進できる経営感覚を持った人材が、今後の同社の飛躍を支える鍵となります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント:同社は「食と健康」をキーワードに、伝統的なしょうゆ事業から高成長の豆乳事業やバイオ領域へと事業ポートフォリオを広げています。また、北米や欧州での圧倒的なシェア獲得に見られる「グローバルな経営力」も大きな強みです。「食文化の創造」と「健康価値の提供」を、世界規模のネットワークを通じて実現したいという情熱を伝えることが、強い共感を得るポイントとなります。

Q&A

面接での逆質問例:
・「北米第3工場の稼働により実現する、多品種少量生産の自動化・効率化において、現場が直面している最大の技術的・組織的課題は何ですか?」
・「中期経営計画にある、『食と健康』領域の新規事業創出において、どのような専門性を持った中途採用人材が、プロジェクトの成功に最も貢献できると考えていますか?」
・「欧州の家庭用市場開拓において、デジタルマーケティングやデータ分析はどのように現場の意思決定に活用されていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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福利厚生はいい

福利厚生はいいと感じました。住宅手当がつき 3 万ほどでて、車内環境もオフィスはとてもきれいだと感じました。とても楽しいです。

(20代前半・経営幹部・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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新たなことにチャレンジするのは難しい

全体的に安定志向が強く、新たなことにチャレンジするなどは難しいため、そういったことを求める人にとっては面白くない会社かと思います。

(30代後半・企画営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
  • 2025年度第2四半期 決算説明会資料
  • 2025年度第2四半期決算説明会における主な質疑応答の要旨

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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