0 編集部が注目した重点ポイント
① 海外展開を加速し販売国を50カ国へ広げる
長期ビジョン「世界のティーカンパニー」の実現に向け、グローバル展開が一段と加速しています。大谷翔平選手を起用したマーケティングが奏功し、北米やアジアを中心にブランド認知度が向上。2025年10月末時点で販売国・地域は50カ国へ拡大しており、海外事業でのキャリア機会が飛躍的に高まっています。
② 国内事業を再構築し新会社を設立する
サプライチェーンの構造改革として、茶葉製品の製造を担うグループ会社2社を統合し、2025年より「伊藤園ティーファクトリー」として再編しました。製造・物流・営業体制を最適化する「国内盤石化」を進めており、生産管理や物流企画といった専門人材の活躍フィールドが刷新されています。
③ 中間売上高が過去最高を更新し成長を継続する
主力の「お〜いお茶」や「健康ミネラルむぎ茶」が好調に推移し、上半期の連結売上高は過去最高を更新しました。原材料高などのコスト増を価格改定や収益改善で吸収する構造を作っており、持続的な収益基盤の確立に向けたマーケティング職や営業職の重要性が増しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年4月期上半期 決算説明会資料 P.6
売上高
2,624億円
(前年比 +4.0%)
営業利益
139億円
(前年比 -3.2%)
中間純利益
95億円
(前年比 +3.8%)
2026年4月期上半期の連結業績は、売上高が2,624億円と好調に推移しました。記録的な猛暑により「お〜いお茶」や「健康ミネラルむぎ茶」の止渇需要(喉の渇きを癒やす需要)が拡大したことが要因です。営業利益は原材料費や物流費の高騰により微減となりましたが、米国事業の採算改善や広告宣伝費の最適化により、利益を確保しています。
通期予想に対する進捗率は、売上高で53.5%、営業利益で54.6%に達しており、中間期として業績は概ね順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年4月期上半期 決算説明会資料 P.7
リーフ・ドリンク関連事業
事業内容:緑茶、麦茶、野菜飲料などの製造・販売、および「お〜いお茶」のグローバル展開。
業績推移:売上高2,353億円(前年比+4.0%)、営業利益115億円(前年比-5.0%)。
注目ポイント:国内では「お〜いお茶 濃い茶」や「健康ミネラルむぎ茶」が過去最高の販売数量を記録。海外では米国事業の営業利益が45.8%増と急伸しており、グローバルなサプライチェーン構築と地域に根ざしたマーケティングが重要視されています。日本文化を世界へ広げる実務経験が積めるフィールドです。
飲食関連事業(タリーズコーヒージャパン)
事業内容:タリーズコーヒー店舗の運営、および家庭用コーヒー飲料の展開。
業績推移:売上高232億円(前年比+7.6%)、営業利益19億円(前年比-4.3%)。
注目ポイント:新規出店が829店舗に拡大し、売上高は中間期として過去最高を記録しました。ショップ品質を追求したペットボトル飲料「TULLY'S COFFEE」とのシナジー(相乗効果)を強化。原材料高の中でも、客単価+2%の向上を実現しており、付加価値の高いブランド戦略に携わるチャンスがあります。
その他事業(チチヤス等)
事業内容:チチヤスブランドのヨーグルト製造・販売、およびその他のグループ会社運営。
業績推移:売上高39億円(前年比-12.4%)、営業利益3.7億円(前年比-4.8%)。
注目ポイント:チチヤスでは、コスト増の影響を受けつつも地域密着型のブランド力を維持しています。グループ全体では、健康価値を軸とした新たな事業の創出を模索しており、既存ブランドの枠を超えた新規事業開発のキャリアも見込めます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年4月期上半期 決算説明会資料 P.25
通期業績予想は売上高4,900億円、営業利益255億円と、大幅な増収増益を見込んでいます。今後は「マーケティングの選択と集中」を掲げ、基幹ブランドの更なる強化とアイテム数の最適化を進める方針です。特に注目すべきは、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成です。ルートセールスの強みにデジタルを融合させ、より効率的な営業体制の構築を急いでいます。
また、世界的な抹茶需要への対応として、生産能力を2倍に拡充する投資も継続中。グローバルな品質リスクに対応できる品質保証人材や、持続可能な農業を支える茶産地育成の専門家など、「健康創造企業」を支える多様な専門職への期待が高まっています。
4 求職者へのアドバイス
「世界のティーカンパニー」という明確なビジョンに対し、自身のスキルをどう活かせるかが鍵です。例えば、海外での販路拡大経験や、新会社設立に伴う生産・物流体制の構築経験などは非常に親和性が高いです。「お客様第一主義」という経営理念に共感し、泥臭いルートセールスの強みとデジタルの融合を提案できれば、強力なアピールになります。
- 伊藤園ティーファクトリーの設立により、現場の意思決定スピードや製造工程はどう変化していますか?
- 海外50カ国展開の中で、特に日本独自の無糖文化を浸透させるために苦労している点や、現地化の工夫は何ですか?
- DX推進において、現場のルートセールス担当者が最も実感しているメリットは何でしょうか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自社商品を通常より安く買えたりできる
自社商品を通常より安く買えたりできるので、お茶など伊藤園の商品が好きな人は嬉しいかもしれない。また、グループ会社のタリーズの割引チケットを貰えることがあるのでその点は嬉しい。
(30代後半・マーケティング・男性) [キャリコネの口コミを読む]肉体労働が多い
入社してほとんどの方がルート営業に配属され、2tトラックで自動販売機に補充だったりスーパー、売店に納品するところの部署に配属になる。 高卒、大卒関係なく配属がそこになったりする。肉体労働が多い。
(40代前半・企画営業・男性)[キャリコネの口コミを読む]
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社伊藤園 2026年4月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社伊藤園 2026年4月期上半期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。