0 編集部が注目した重点ポイント
① ヒット連発により通期業績予想を上方修正する
映画事業において「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」や「国宝」が記録的な大ヒットを記録したことにより、通期の連結業績予想を上方修正しました。営業収入は当初予想比で600億円増の3,600億円を見込んでいます。エンタテインメント業界での確固たる地位を背景に、企画・製作の第一線で活躍したい求職者にとって、かつてない追い風となっています。
② 成長領域のIP・アニメ事業を新セグメントとして独立させる
2026年2月期より、映画事業からIPおよびアニメビジネスを抽出し、新たに「IP・アニメ事業」セグメントを新設しました。北米配給のGKIDS社や制作のサイエンスSARU社のグループ入りも完了しており、国内外でのライセンス展開や商品化を加速させるための専門人材、および海外拠点を支えるグローバル人材の重要性が劇的に高まっています。
③ 3年間で約200名を採用し「精鋭多数」の組織へ転換する
「中期経営計画 2028」において、これまでの「少数精鋭」から「精鋭多数」への転換を掲げ、3年間で約200名の採用(東宝株式会社単体)を計画しています。特にアニメ事業の人員は2032年までに倍増させる方針であり、人への投資とエンゲージメント向上を最優先する経営姿勢により、中途採用者にも多角的なキャリアパスが開かれています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期第2四半期 決算説明資料 P.9
営業収入
1,916億円
(前年比 +17.1%)
営業利益
411億円
(前年比 +0.6%)
中間純利益
334億円
(前年比 +26.3%)
2026年2月期中間連結業績は、営業収入が1,916億円と前年を大きく上回り、映画・IPビジネスともに力強い成長を示しました。前期のヒット作「ゴジラ-1.0」の反動を、最新のメガヒット作品群で完全に補い、営業利益も411億円を確保しました。政策保有株式の売却益も寄与し、中間純利益は前年比26.3%増と急伸しています。
修正後の通期利益予想(当期純利益475億円)に対する進捗率は、中間期時点で70.4%に達しており、極めて好調に推移しています。下半期以降のラインナップも豊富であることから、業績のさらなる上振れも期待できる状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期第2四半期 決算説明資料 P.10
映画事業(東宝、TOHOシネマズ 等)
事業内容:映画の企画、製作、配給(映画営業)およびシネマコンプレックスの経営(映画興行)。
業績推移:営業収入1,037億円(前年比+30.3%)、営業利益231億円(前年比+13.4%)。
注目ポイント:「名探偵コナン」や「鬼滅の刃」のメガヒットが興行を牽引。また、ワーナー・ブラザース洋画作品の日本国内向け劇場配給受託に合意するなど、配給会社としての競争力が一段と強化されています。作品を最高な環境で届けるための劇場投資やDX推進も進んでおり、興行とデジタルを融合できる人材の需要が高まっています。
IP・アニメ事業(TOHO animation、TOHO Global 等)
(注:当期よりセグメント新設のため、成長戦略の主軸となる組織です)
事業内容:TOHO animation作品の企画・製作・権利運用、ゴジラ等のキャラクターライセンス事業。
業績推移:営業収入373億円(前年比+9.0%)、営業利益106億円(前年比 △19.5%)。
注目ポイント:配信権や海外商品化権がビジネスの要です。「呪術廻戦」や「薬屋のひとりごと」など強力なIPを軸に、海外売上比率30%(2032年目標)に向けたグローバル展開を急いでいます。新たに買収したGKIDS社等との連携による北米・海外展開の強化は、グローバルライセンスや海外法務の経験者にとって絶好の機会です。
演劇事業
事業内容:演劇の製作・興行および芸能プロダクション「東宝芸能」の経営。
業績推移:営業収入106億円(前年比+7.2%)、営業利益9億円(前年比 △19.6%)。
注目ポイント:帝国劇場の一時休館という大きな局面を迎えつつも、シアタークリエや外部劇場をフル活用して主催公演数を確保し、増収を達成。舞台「千と千尋の神隠し」の海外進出成功を受け、「ライブからマルチユースへ」の転換を推進中です。演劇作品のデジタル配信やグッズ展開など、新たな収益モデルを創出できる企画人材が求められています。
不動産事業(東宝日比谷ビル、スバル興業 等)
事業内容:オフィスビル・商業施設の賃貸、道路の維持管理・清掃、ビルメンテナンス。
業績推移:営業収入393億円(前年比+0.3%)、営業利益104億円(前年比+18.3%)。
注目ポイント:空室率0.2%と極めて堅調な稼働を維持。現在「帝劇ビル」の共同再開発という歴史的なプロジェクトを推進中です。エンタテインメントと都市開発のシナジーを最大化させるため、資産価値向上だけでなく、街全体の賑わいを創出できる都市開発・アセットマネジメント人材にとって、挑戦しがいのある環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期第2四半期 決算説明資料 P.75
今後の成長戦略として、3年間で1,200億円規模の成長投資を計画しています。特に注目すべきは、2026年春にローンチ予定の新しい会員サービス「TOHO-ONE」です。グループの顧客データ基盤を統合し、ファンとダイレクトに繋がることで、映画・アニメ・演劇の垣根を超えたシナジー創出を狙っています。
質疑応答でも言及された通り、2025年10月には情報システム部内に「AIソリューション推進室」を新設し、創作作業の合理化や業務効率化を推進しています。伝統的な興行スタイルに甘んじることなく、最新テクノロジーを積極的に取り込む姿勢を鮮明にしており、IT・データサイエンス領域の専門家にとっても活躍の機会が飛躍的に広がっています。
4 求職者へのアドバイス
東宝が現在、コンテンツビジネスからグローバルなIPビジネスへとトランスフォーメーションしている真っ最中であることを意識しましょう。「良い作品を創る」だけでなく、その価値を配信、グッズ、海外展開へとどう横展開し、最大化できるかを自身の経験に基づいて提案できれば、強力なアピールになります。また、「精鋭多数」の一員として主体的に変革を担う意欲を示すことが重要です。
- 「IP・アニメ本部」への改称と「ゴジラ部」の新設により、現場の意思決定スピードや組織間の連携はどう変化しましたか?
- 新会員サービス「TOHO-ONE」のローンチにより、具体的にどのような顧客体験の変革を目指されていますか?
- 海外売上比率30%達成に向けて、ヨーロッパ拠点設立を含めたグローバル戦略において、中途採用者に最も期待されている役割は何でしょうか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
充実したキャリアをつむことができる
産休もしっかりとれ、子育てにはとても良い企業だと感じています。職場の雰囲気もとても温かいので、産休をとりにくい環境では全くありません。また、待遇に関しても手当や休暇などしっかりとしているので、長く働きやすい会社だと思います。とても充実したキャリアをつむことができると思います。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]女性管理職を増やそうという動きが出ている
女性が管理職を目指すのは非常に難しいです。少なくとも私が働いていた時は女性が出世するには男性社員の倍くらいの実勢・実力がないと認められないような風潮でした。実際に女性の管理職は男性に比べて少なかったです。最近は女性管理職を増やそうという動きが出ているのでわかりませんが。
(20代後半・ディレクター・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東宝 2026年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 東宝 2026年2月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料
- 東宝 2026年2月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 質疑応答要旨



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。