0 編集部が注目した重点ポイント
① 不動産事業本部を新設し収益源を多角化する
2025年4月に「不動産事業本部」を設置し、グループ保有資産の有効活用とまちづくりを加速させています。株式会社芝リアルエステートの新規連結(当中間期)や株式会社エスコンとの連携強化により、2025年度には不動産利益200億円の達成を目標としています。エネルギー事業以外の成長領域でキャリアを築きたい専門人材にとって、新たな挑戦の場が広がっています。
② 過去最高の利益水準を背景に安定配当を維持する
当中間期の親会社株主に帰属する中間純利益は1,663億円(前年同期比13.2%増)と堅調に推移しました。2025年度の年間配当予想は1株当たり70円と、震災前水準を超える過去最高額を予定しています。強固な財務基盤と株主還元の姿勢は、長期的なキャリア形成を志向する転職者にとって大きな安心材料となります。
③ 事業ポートフォリオの抜本的な再編を断行する
次期中期経営計画に向け、採算の合わない事業のスクラップ(撤退)を「強い勇気を持って」進める方針を明らかにしました。ROE(自己資本利益率)8.0%以上を意識した資本効率重視の経営へシフトしており、戦略の策定や事業再生に知見を持つプロフェッショナル人材の重要性がこれまで以上に高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) P.1
売上高
1兆7,478億円
△1.1%
経常利益
1,962億円
+4.5%
中間純利益
1,663億円
+13.2%
2026年3月期中間期の連結売上高は、子会社の関連会社化に伴う除外影響などから前年同期比1.1%減の1兆7,478億円となりました。一方で経常利益は、電力小売事業(中部電力ミライズ)における期ずれ影響が差損から差益に転じたことで1,962億円に伸長。純利益も持分法投資利益の増加により大幅増益を確保しました。
通期計画に対する進捗率は、経常利益で85.3%、当期純利益で89.9%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。下期の事業環境変化を見据えても、目標達成に向けた確度の高い状態にあります。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度第2四半期 決算説明会資料 P.7
中部電力ミライズ(小売事業)
事業内容:家庭・法人向け電力・ガス販売、エネルギー活用サービス提供。
業績推移:経常利益956億円。電源調達ポートフォリオの最適化により費用削減効果が拡大。
注目ポイント:厳しい競争環境下で「高付加価値サービス」の創出が急務となっています。電力取引市場の価格動向を捉えた機動的な調達戦略(リスク管理)や、DXを活用した顧客接点の拡大が求められており、エネルギー・トレーディングやデジタルマーケティングの知見を持つ人材への期待が高まっています。
中部電力パワーグリッド(送配電事業)
事業内容:電力の輸送・安定供給、送配電ネットワークの運用・保守。
業績推移:経常利益269億円。エリア需要増に伴う託送収益の増加により前年同期比で増益。
注目ポイント:レベニューキャップ制度(投資と収益の均衡を図る制度)への適切な対応と、次世代ネットワーク構築に向けた投資が進行中です。インフレ下でのコスト管理と、IoT技術を活用した設備監視サービス「&Conote」等の展開により、強靭なインフラ構築と収益化を両立できる技術者が不可欠となっています。
JERA(燃料・火力発電)
事業内容:世界最大級の燃料上流・発電事業会社(東京電力FPとの折半出資)。
業績推移:持分法投資利益786億円。海外・再エネ発電事業の利益増が全体を牽引。
注目ポイント:脱炭素化という巨大な潮流の中、アンモニア・水素といった新エネルギーへの転換を進めています。中部電力側からのモニタリング機能も強化されており、大規模M&Aやグローバル投資の管理・ガバナンスに精通した経営管理人材が、グループ全体で活躍できる機会が増えています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度第2四半期 決算説明会資料 P.45
中部電力グループは、資本市場の期待に応えるべくROE8.0%を目標に据えた経営へ舵を切っています。質疑応答資料によると、これまでの成長投資を無制限に継続するのではなく、採算性や将来性に疑義がある事業については「強い勇気を持ってスクラップする」という抜本的なポートフォリオ見直しに着手しています。
一方で、浜岡原子力発電所の再稼働に向けては、2024年12月よりプラント審査へとフェーズを進めており、巨額の安全対策投資に対する「コスト回収の予見可能性」を高める制度対応を政府へ働きかけています。転職者にとっては、守りのインフラ運用だけでなく、事業構造の再編(スクラップ&ビルド)や、不動産を活用した地域課題解決といった、変化の激しいプロジェクトを牽引するスキルが、高く評価される局面となっています。
4 求職者へのアドバイス
「安定供給」という使命感に加え、新たに設置された「不動産事業本部」や、抜本的な事業ポートフォリオ再編という構造改革フェーズへの関心をアピールすることが有効です。特に、資本コストやROEを意識した経営管理、既存の枠にとらわれない新成長領域(不動産・まちづくり・脱炭素サービス)における専門性(プロフェッショナル)を軸に、同社の変革を支えたいという姿勢が評価されるでしょう。
・「次期中期経営計画で掲げられるROE8%目標の達成に向け、現場レベルではどのような評価指標(KPI)の導入が検討されていますか?」
・「不動産事業本部におけるまちづくり企画では、外部ベンチャーや自治体との共創において、中途採用者にどのような役割を期待していますか?」
・「質疑応答で『採算の合わない事業の整理』への言及がありましたが、既存事業の収益改善(ターンアラウンド)において、どのような専門性を組織として求めていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
採用プロセスで感じた人事部の対応の素晴らしさ
入社を決めた大きな理由は、採用プロセスで感じた人事部の対応の素晴らしさでした。 特に、面接時の丁寧な説明や、入社後のサポート体制についての詳細な情報提供が印象的でした。 入社後もその印象は変わらず、期待通りの環境で働けています。
(20代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度第2四半期 決算説明会における主な質疑応答
- 2025年度第2四半期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。