小田急電鉄の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

小田急電鉄の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

小田急電鉄の2026年3月期2Q決算は、営業利益280億円と通期目標に対し52.8%の進捗で順調。約897億円を投じる車両所移転や新宿駅大規模開発など、100年に一度の変革期にあります。技術職や開発職を中心に、次世代インフラを担う専門人材の需要が急拡大しています。


0 編集部が注目した重点ポイント

交通業の輸送人員増加が連結利益を牽引する

鉄道業およびバス業において、人流の回復に伴う輸送人員の増加が顕著です。2025年度中間期実績では、交通業の営業利益が前年同期比で11億円の増益(+6.8%)を達成しました。特に定期外客の伸びが収益に大きく貢献しており、鉄道事業を中心とした強固な収益基盤の回復が、中長期的な採用拡大を支えるポジティブな要因となっています。

約897億円を投じる大規模な車両所移転を決定する

2025年9月、大野総合車両所の移転建替えを正式に決定しました。投資予定額は約897億円、竣工は2032年度中を予定しています。この構造的な変化により、最新設備を導入した高効率な検査体制の構築や環境負荷低減を目指します。エンジニアリング職や技術管理職において、次世代のインフラ構築に関わる大規模なキャリア機会が創出されています。

生活サービス業の構造改革による反動減を吸収する

百貨店やストア事業における決算期変更(前期13ヵ月連結から今期6ヵ月連結へ)や、UDSグループの連結除外といった特殊要因により、一時的に減収減益となっています。しかし、これらの構造改革はポートフォリオの最適化を目的としており、今後は新宿駅西口地区の開発計画など、不動産・賃貸領域を主軸とした新たな成長局面への移行が進む見通しです。

1 連結業績ハイライト

交通業の好調が下支えするも、特殊要因により前年同期比では減収減益の着地。
2025年度中間期連結損益計算書

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.4

営業収益

1,984億円

-5.4%

営業利益

280億円

-3.5%

経常利益

274億円

-7.8%

中間純利益

230億円

-30.1%

2025年度中間連結業績は、営業収益が前年比112億円の減収、営業利益が10億円の減益となりました。この主な要因は、生活サービス業における決算期変更による連結期間の短縮(前期比1ヵ月減)や、UDSグループの連結除外という特殊要因によるものです。一方で、交通業は輸送人員増により大幅増益、不動産業も政策保有株式の売却益が想定を上回るなど、本業の収益性は堅調に推移しています。

通期予想に対する進捗状況については、営業利益530億円の計画に対し280億円を達成しており、進捗率は52.8%と、中間期として目標を上回る順調なペースで推移しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

交通・不動産が成長を牽引。生活サービスは構造改革の過渡期に。
セグメント別業績詳細

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.5

交通業

事業内容:鉄道(小田急電鉄)、バス(小田急バス、神奈川中央交通等)の運営。

業績推移:営業収益 901億円(+3.4%)、営業利益 184億円(+6.8%)。

注目ポイント:鉄道事業の定期外客が対前年比2.8%増と好調です。バス事業でも運賃改定の成果が出ており、収益性が向上しています。安全投資と並行し、大規模な車両所移転プロジェクトが動き出しており、土木・電気・建築といった技術系専門人材への需要が非常に高いセクションです。

注目職種:鉄道技術エンジニア、施設管理、交通計画、安全推進

不動産業

事業内容:不動産販売(小田急不動産)、賃貸(小田急SCディベロップメント)等。

業績推移:営業収益 398億円(-5.2%)、営業利益 66億円(-8.5%)。

注目ポイント:分譲業での売却件数減により減益となりましたが、賃貸業では商業施設の賃料収入が増収となっています。新宿駅西口地区の開発計画が本格化しており、既存の枠組みを超えた「まちづくり」を推進できる都市開発・アセットマネジメント経験者に大きな挑戦の場が提供されています。

注目職種:再開発開発推進、商業施設リーシング、不動産営業、建築企画

生活サービス業

事業内容:百貨店、ストア(小田急商事)、ホテル、レストラン飲食等。

業績推移:営業収益 763億円(-13.3%)、営業利益 29億円(-34.2%)。

注目ポイント:決算期変更による連結期間短縮という特殊要因を考慮すると、ストア事業の実質的な既存店収益は向上しています。ホテル業では、客室単価の上昇やインバウンド需要の取り込みが課題となっています。グループを横断した顧客体験(CX)の向上のため、マーケティングやデジタル活用の専門家を求めています。

注目職種:店舗マネジメント、EC企画、デジタルマーケティング、ホテル運営

3 今後の見通しと採用の注目点

2030年度の営業利益800億円に向け、観光と不動産が成長の二翼を担う。
連結財務目標

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.26

小田急グループは、2030年度に営業利益800億円、ROE(自己資本利益率)10%以上という高い目標を掲げています。今後の成長戦略の柱は、箱根エリアを中心とした「観光」の更なる進化と、新宿駅西口地区の開発を軸とした「不動産」事業の拡大です。

直近のトピックスとしては、大野総合車両所の移転建替えという約897億円の大規模投資が挙げられます。これは単なる老朽化対策ではなく、10両編成への完全対応やDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した次世代検修体制への転換を意味します。また、質疑応答資料等の文脈からは、政策保有株式の売却を加速させ、その資金を成長分野へ再投資する攻めの姿勢が明確になっています。

採用面では、既存の鉄道事業を安定運用する人材に加え、大規模プロジェクトを完遂するマネジメント人材や、変化する消費行動を捉えるデータアナリストなど、「変革」を主導できるプロフェッショナルが今後ますます必要とされるフェーズにあります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

小田急電鉄は今、新宿駅周辺の大規模再開発や車両拠点の移転といった「100年に一度」の構造的変化の真っ只中にあります。単なる「インフラの維持」ではなく、「沿線価値の再定義」や「DXによる業務変革」に挑戦したいという動機が非常に高く評価される環境です。特に「観光」や「まちづくり」における具体的な成功体験や、大規模投資プロジェクトを管理するスキルを軸に語ると、現在の同社の戦略的ニーズに合致しやすくなります。

Q&A

面接での逆質問例

1. 「大野総合車両所の移転プロジェクトにおいて、現場レベルでのデジタル活用や自動化はどこまで計画されていますか?」
2. 「新宿駅西口の開発計画において、鉄道事業と不動産事業のシナリオの統合はどのように進められていますか?」
3. 「生活サービス業の構造改革が進む中で、グループ各社が持つ顧客データの相互連携における現在の課題は何ですか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

独身寮社宅完備と手厚い福利厚生

カフェテリアプランに独身寮・社宅完備と手厚い福利厚生。ディズニーランドや横浜ベイスターズ主催試合の割引などかあり、それらを利用している社員は多数。その他、ウェルボックスにより、フィットネスジム・カラオケなど割引利用出来るお店が多数あり、遊ぶときにはよく利用できる。

(30代前半・営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]
"

現場採用だとポストがあかないと出世しにくい

現場採用だとポストがあかないと出世しにくい。現場採用の人は一定のポストにつくと昇格したくない人が増える傾向があり下位職位の人が昇格しにくい雰囲気である。昇格試験は年1回。

(20代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料(2025年11月13日発表)
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月13日発表)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


関連記事

【面接対策】小田急電鉄の中途採用面接では何を聞かれるのか

新宿から小田原、江の島、多摩までを結び、首都圏の人々の足として重要な役割を担っている、小田急電鉄への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を問われるほか、即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されます。事前にしっかり対策しておきましょう。


wiget_w300
wiget_w300