小松製作所の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

小松製作所の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

小松製作所の2026年3月期2Q決算は、円高や物量減の影響で減収減益となったものの、通期利益予想を5,000億円へ上方修正。次世代車両開発に向けたテック企業との協業加速や、利益2.1倍と急伸する産業機械部門の好調が目立ちます。変革期にある巨大メーカーで、技術者や金融、SCM等の人材が担える役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

通期業績予想を上方修正し利益5,000億円を目指す

2026年3月期の通期見通しについて、売上高を3兆8,880億円、営業利益を5,000億円へと上方修正しました。為替の円安推移に加え、懸念されていた米国関税コストの軽減策が135億円改善するなど、外部環境の変化を柔軟に利益へ繋げています。転職者にとっては、厳しい市場環境下でも確実に利益を出す「経営の強さ」を実感できるフェーズです。

次世代車両プラットフォーム開発でテック企業と協業する

米国のApplied Intuition社と、次世代鉱山機械の基幹技術となるSDV(ソフトウェアで機能を制御する車両)開発に向けた戦略的協業を開始しました。また、2027年度までの自動運転システム実用化を目指し、ティアフォー社等との連携も加速させています。建機メーカーから「ソリューションパートナー」への転換を象徴する、IT人材の活躍フィールドが急拡大しています。

半導体・自動車向け産業機械が利益2.1倍と急成長する

産業機械他部門において、セグメント利益が前年同期比で約2.1倍の166億円へと飛躍的な成長を遂げました。自動車産業向けの大型プレス販売や、半導体産業向けエキシマレーザー(特殊な光源装置)のメンテナンス売上が好調です。建機以外の事業ポートフォリオが強化されており、製造業の多様なバックグラウンドを持つ人材にとって魅力的なキャリア機会が生まれています。

1 連結業績ハイライト

上期は円高や物量減の影響により減収減益となるも、通期予想は上方修正。戦略的な価格改善とコスト削減が利益を下支えしています。
2025年度 業績見通し

出典:2025年度 第2四半期(4-9月) 決算説明会 P.15

売上高(上期)

1兆8,916億円

前年比 ▲3.9%

営業利益(上期)

2,771億円

前年比 ▲8.7%

純利益(上期)

1,757億円

前年比 ▲12.9%

2026年3月期第2四半期の連結累計実績は、売上高1兆8,916億円、営業利益2,771億円となりました。建設機械・車両部門において主要通貨での円高や、インドネシアでの石炭価格低迷に伴う物量減少が響き、前年同期比では減収減益となりました。しかし、販売価格の改善が364億円のプラス寄与となり、利益率14.6%という高い水準を維持しています。

通期予想に対する進捗状況については、営業利益ベースで55.4%と堅調に推移しています。下期の想定為替レートを1ドル140円と保守的に見積もりつつも、米国の関税コスト軽減や市場回復を見込んで上方修正を行っており、通期目標の達成に向けた確度は高いと評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

主力の建機事業は地域ごとに明暗が分かれる一方、産業機械部門が新たな成長の柱として台頭しています。
セグメント別売上高と利益の見通し

出典:2025年度 第2四半期(4-9月) 決算説明会 P.17

建設機械・車両部門

事業内容:掘削、積込、運搬等を行う各種建設機械や鉱山機械、林業機械の製造・販売およびサービスを展開。

業績推移:売上高1兆7,422億円(前年同期比▲4.8%)、セグメント利益2,420億円(前年同期比▲13.0%)。

注目ポイント:北米ではエネルギー・インフラ向け需要が堅調に推移しており、レンタル需要にも反転の兆しが見られます。一方でアジアはインドネシアの石炭価格下落が響き苦戦中。地域別の需給バランスを調整するグローバルな供給網管理能力や、ICT建機化率27%という強みを生かしたデジタル施工ソリューションの展開が急務となっており、施工管理やデータ分析の専門人材が強く求められています。

注目職種:ICT建機ソリューションエンジニア、グローバルSCM企画、施工デジタルトランスフォーメーション推進

産業機械他部門

事業内容:大型プレス機、工作機械、半導体製造用のエキシマレーザー関連事業(ギガフォトン等)を運営。

業績推移:売上高1,069億円(前年同期比+10.5%)、セグメント利益166億円(前年同期比+112.1%)。

注目ポイント:自動車業界の設備投資需要を背景とした大型プレスの販売増に加え、半導体業界向けのエキシマレーザーメンテナンスが高収益を牽引しています。ギガフォトン社は17.1%増収と成長が著しく、精密機械や光学技術に精通した技術者の採用意欲が高まっています。建機に次ぐ収益の柱として、投資が加速しているエキサイティングな領域です。

注目職種:精密機械設計、光学・レーザー技術開発、半導体製造装置フィールドサービス

リテールファイナンス部門

事業内容:建設機械の購入者に対する販売金融サービスを提供。顧客の資金繰りを支援する機能。

業績推移:売上高610億円(前年同期比▲1.3%)、セグメント利益169億円(前年同期比+13.9%)。

注目ポイント:為替の影響により減収となったものの、資金調達コストの低下により2桁増益を達成。資産規模は1兆4,303億円と拡大を続けています。金融の専門性を建機ビジネスに融合させる「バリューチェーン経営」の中核であり、グローバルな金融スキーム構築やリスク管理能力を持つ人材にとって、事業会社ならではの金融キャリアを築ける環境です。

注目職種:国際金融・資金調達、グローバルリスク管理、販売金融企画

3 今後の見通しと採用の注目点

「ダントツの商品・サービス・ソリューション」を掲げ、次世代プラットフォーム開発に向けた外部連携をさらに強化する方針です。
Applied Intuition社との協業

出典:2025年度 第2四半期(4-9月) 決算説明会 P.48

今後の成長戦略において最大の注目点は、鉱山機械の完全自律化に向けた技術投資の加速です。Applied Intuition社との協業では、AIやシミュレーション技術を駆使し、「思考・学習・進化する鉱山機械」の開発を推進します。これは従来のハードウェア開発から、高度なソフトウェア・アーキテクチャを中心とした開発体制への構造的シフトを意味しており、システムエンジニアやAIスペシャリストにとって、今がまさに「変革の最前線」に参画できる絶好のタイミングです。

市場環境については、インドネシアの停滞は当面続くと見られるものの、北米・欧州・中近東での底打ち感が期待されています。また、西アフリカのコートジボワールにトレーニング拠点を2026年完成予定で設立するなど、新興市場の深耕も着実に進めています。伝統的なものづくりに、最新のソフトウェア技術とグローバルな市場開拓力を掛け合わせられる人材が、同社の次代を担う鍵となります。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

「次世代建機のプラットフォーム開発」という壮大なテーマに触れるのが有効です。特にApplied Intuition社との協業など、ソフトウェア主導の開発体制への転換に、自身のIT・AI技術やプロジェクト管理能力をどう活かせるかを具体化してください。また、厳しい市場環境で上方修正を勝ち取る利益創出へのこだわりに共感し、自身の貢献意欲を示すことも評価に繋がります。

Q&A 面接での逆質問例

「Applied Intuition社との協業によって、社内の開発エンジニアの役割分担や求められる技術スタックはどのように変化していく予定でしょうか?」「産業機械部門の飛躍的成長に伴い、建機部門との技術交流や人材流動についてどのような施策を考えておられますか?」など、将来の組織像を見据えた質問が効果的です。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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部門間の交流が少ない点は改善の余地がある

部門間の交流が少ない点は改善の余地があると感じます。異なる視点やスキルを持つ人々との交流が増えればさらに良くなると思う。

(30代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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年収はここ最近非常に上がってきて満足

年収はここ最近非常に上がってきて満足してます。 不満はほとんど聞いたことないです。 ボーナスも多くもらえます。 仕事のアウトプットに対して貰えるお金が見合っていないくらいもらえます。

(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔米国基準〕(連結)
  • 2025年度 第2四半期(4-9月) 決算説明会資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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