ライオンの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

ライオンの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

ライオンの2025年12月期3Q決算は、高付加価値化と構造改革により事業利益が19.9%増と好調。2026年からのインド参入や組織変革の決定など、これまでの保守的な体制から「先に仕掛ける会社」への変貌を急いでいます。変革期にある同社で転職希望者が担える役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

収益構造改革を推進し事業利益率を改善させる

中期経営計画の柱として、不採算商品の整理や高付加価値化を断行しています。2025年10月末には調理関連品ブランドの譲渡を完了し、年間65SKU(最小管理単位)の削減も見込んでいます。これにより、国内の一般用消費財事業における事業利益率は前年同期比で2.0ポイント改善しており、収益重視の体制への転換が進んでいます。

海外成長を加速させインド市場へ新規参入する

グローバル展開の次なる一手として、2026年1月にインド新会社を設立し市場参入することを決定しました。また、ベトナムの関連会社を100%子会社化するなど、東南アジアでの支配力も強化しています。中国市場の環境変化を受け、売上規模の追求から「利益を伴う成長」へと戦略を転換しており、海外事業におけるキャリア機会が質的に変化しています。

2026年からマネジメントプロセスを大幅に刷新する

意思決定の迅速化と実行力強化のため、組織体制のアップグレードを決定しました。従来の機能軸の組織から、事業単位でバリューチェーンが完結する体制へ移行します。DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した経営判断の可視化も推進しており、変革期にある同社では自律的に動ける専門人材の重要性がかつてないほど高まっています。

1 連結業績ハイライト

主力製品の高付加価値化と競争費用の効率化が寄与し、対前年で増収増益。利益面では構造改革の成果が鮮明に現れています。
2025年度第3四半期連結業績の概要

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明資料 P.5

売上高

3,049億円

+1.3%

事業利益

223億円

+19.9%

営業利益

278億円

+62.7%

※事業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費(恒常的な事業の業績を測る指標)

2025年度第3四半期累計の連結業績は、売上高が3,049億円(前年同期比1.3%増)、事業利益が223億円(同19.9%増)と増収増益で着地しました。営業利益については、ベトナムの子会社化に伴う段階的な株式取得による利益(44億円)が計上されたこともあり、同62.7%増と大幅な伸びを見せています。

通期予想に対する進捗率は、売上高で72.6%、事業利益で74.4%となっており、年初の公表値に対して概ね順調に推移しています。下期に向けては、9月に投入した新製品の育成や、オーラルヘルスケアを中心とした高付加価値シフトをさらに加速させる方針です。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内・海外・産業用品の全セグメントで事業利益が増加。特に国内一般用消費財とマレーシア市場が成長を牽引しています。
セグメント別売上高・事業利益実績

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明資料 P.7

一般用消費財事業(日本国内)

事業内容:ハミガキ、ハブラシ、ハンドソープ、洗剤、一般用医薬品等の製造販売。

業績推移:売上高1,860億円(+1.6%)、事業利益158億円(+32.2%)。

注目ポイント:オーラルヘルスケアが4.6%増と牽引。最高価格帯の「デントヘルス DXプレミアム」などの高付加価値品が好調です。ブランド譲渡やSKU削減といった構造改革により、マージンの高いポートフォリオへの再構築を主導できるマーケティング・企画人材が求められています。

注目職種:ブランドマネジャー、商品企画、サプライチェーンマネジメント(SCM)

産業用品事業

事業内容:タイヤ用ゴム防着剤、二次電池用導電性カーボン、業務用洗浄剤等の展開。

業績推移:売上高434億円(+7.8%)、事業利益22億円(+2.8%)。

注目ポイント:半導体搬送用容器に用いられる導電性樹脂が大幅に伸長。モビリティやエレクトロニクスといった先端成長産業向け素材に注力しており、化学品領域でのBtoB営業や研究開発職にとって、活躍のフィールドが広がっています。

注目職種:法人営業、研究開発(化学系)、テクニカルサービス

海外事業

事業内容:東南・南アジア、北東アジアにおける日用品の製造販売。

業績推移:売上高1,298億円(+0.7%)、事業利益55億円(+15.9%)。

注目ポイント:マレーシアが積極販促により10.1%増と好調な一方、中国は戦略的な価格維持により減収。地域ごとに「規模か利益か」の投資判断の最適化を急いでいます。ベトナムの連結化やインド参入を控え、グローバル事業の立ち上げや経営管理を行える人材へのニーズが高まっています。

注目職種:海外事業開発、海外子会社管理、グローバルマーケティング

3 今後の見通しと採用の注目点

収益構造改革の「刈り取り」フェーズへ。インド参入と組織変革を軸に、次なるダイナミズムを創出する攻めのステージに入ります。
中期経営計画主要KPIの進捗

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明資料 P.28

今後の成長戦略の目玉は、世界最大の人口を有するインド市場への本格参入です。2026年1月に現地子会社を設立し、ベビー・キッズ向けのスキンケアやオーラルケアを起点にオンライン販売を開始します。これまでの提携モデルではなく、独資での参入によりスピード感のある経営を目指しており、新規事業のゼロからの立ち上げ経験を積める貴重な機会となります。

質疑応答で言及された組織変革では、従来の並列型組織から「事業本部完結型」の直列的体制へ移行し、決裁権限も大幅に見直されます。これは「先に仕掛ける会社」への脱皮を意図しており、レポートラインの簡素化と意思決定の高速化を求めています。大手企業ながらベンチャーのようなスピード感を求める風土への変容が進んでおり、変化を恐れず改革を推進できる人材にとって、今がまさにジョインすべきタイミングといえるでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「大手消費財メーカーの構造変革」への貢献をキーワードにしましょう。特にライオンが掲げる「高付加価値化へのシフト」や、2026年からの「事業単位での完結型組織」といった方針に触れ、自身の専門スキルが経営のスピードアップにどう寄与できるかを強調するのが有効です。また、インド市場への独資参入といった挑戦的なグローバル戦略への共感を語ることも、意欲の高さを伝える強い材料になります。

Q&A

面接での逆質問例

「2026年からの新組織体制において、現場のバリューチェーンの完結は具体的にどのような業務の変化を求めていますか?」
「インドへの独資参入において、現地の商慣習やEC中心の流通戦略に対し、どのような日本発の習慣づくりを強みとして活かす計画ですか?」
「SKUの削減や非注力事業の整理といったポートフォリオ改革が進む中で、今後新たに注力したい製品カテゴリーや技術領域は何ですか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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働く子持ちの女性に非常に手厚く配慮してくれる

残業や休暇は非常に取得し易く、積極的に取るよう周囲から推奨されるほど。フレックス勤務も可能で、働く子持ちの女性にとっては非常に手厚く配慮してくれる。残業についても、自分の裁量で決められるため、自立的な人材にとってはストレスなく勤務できると思う。残業代も当然支払われるし、休日出勤についても振り替え休日もしくは残業代が支給される。

(30代後半・研究開発・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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女性の管理職はまだまだ多いとは言えず

出世している人は独身の方が多い傾向。 ただし、女性の管理職はまだまだ多いとは言えず、改善の余地はあるだろう。

(20代後半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • ライオン株式会社 2025年12月期 第3四半期決算短信
  • ライオン株式会社 2025年12月期 第3四半期 決算説明資料
  • ライオン株式会社 2025年度第3四半期決算説明会 アナリスト質疑応答(要旨)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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