0 編集部が注目した重点ポイント
① 国内におけるオバジの商標権を約124億円で取得する
2025年11月、主力ブランド「オバジ」の日本国内における商標権取得を決定しました。これまではロイヤリティを支払って展開してきましたが、今回の権利取得により、従来の小売店だけでなく美容クリニック等の新市場へ恒久的な展開が可能になります。フラッグシップブランドの戦略自由度が飛躍的に高まり、事業開発やマーケティング職におけるキャリア機会が拡大しています。
② アジア事業がM&A効果により前年比51.3%増収と急成長する
シンガポールのユーヤンサン社の連結化により、アジアセグメントの売上高が大幅に伸長しました。香港や中国の市況が低調な中でも、ベトナムやインドネシア等の東南アジア諸国で二桁成長を維持しています。グローバル拠点での製造・販売の最適化を急いでおり、海外事業管理や国際的なサプライチェーンの専門スキルを持つ人材の需要が高まっています。
③ 週3~4日勤務の「ビヨンド勤務」等の新制度で人的資本を最大化する
「全員参画のWell-being経営」を掲げ、副業や学びに時間を充てられる新制度を導入しました。社員の社外での経験を組織の活性化に繋げる狙いがあります。自律的なキャリア形成を支援する先進的な環境は、成長意欲の高い中途採用者にとって極めて魅力的な選択肢となります。制度の運用を通じて、個人の能力を組織の価値創造に結びつける役割が期待されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.5
売上高(中間累計)
1,642億円
前年比 +18.1%
営業利益(中間累計)
193億円
前年比 +8.6%
EBITDA
273億円
前年比 +23.2%
※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額(事業の実質的なキャッシュ創出力を測る指標)
2026年3月期中間期の連結業績は、ユーヤンサン社やモノ社の買収による増収効果が大きく、売上高は過去最高を更新しました。原価率の上昇や人件費・のれん償却費の増加といったコスト増を、売上高の伸長が上回り増益を確保しています。
中間期実績に基づき、通期の営業利益予想を前回の390億円から395億円へ上方修正しました。修正後の通期計画に対する進捗率は、営業利益ベースで48.9%となっており、計画に沿って順調に推移しています。下期も高機能なスキンケア製品の展開を強化し、成長を加速させる方針です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.9
日本(ロート製薬単体等)
事業内容:アイケア、スキンケア、内服・食品、メディカル製品の製造販売。Obagiや肌ラボなどの強力なブランドを保有します。
業績推移:売上高835億円(前年比+2.6%)、営業利益110億円(同+12.0%)。インバウンド需要も過去最高を更新しました。
注目ポイント:ヘアケア領域(Gyutto等)の新分野確立に注力しています。また、オバジの商標権取得により、メディカル領域とのシナジー創出が急務。国内市場の深掘りと新規チャネル開拓を担う、戦略立案能力の高い人材が活躍できる環境です。
アジア
事業内容:中国、台湾、ベトナム、インドネシア、シンガポール(ユーヤンサン社)等での事業展開。
業績推移:売上高573億円(前年比+51.3%)、営業利益71億円(同+18.3%)。東南アジアが好調を維持しています。
注目ポイント:ミャンマーでの輸入再開によるV字回復や、ベトナムでの発売15周年キャンペーン成功など、地域密着の施策が奏功。ユーヤンサン社の多国籍展開を加速させるため、現地法人とのPMI(買収後統合)やガバナンスを担えるグローバル人材を求めています。
アメリカ
事業内容:メンソレータム社(米国)やブラジル法人を通じたスキンケア、消毒薬の販売。
業績推移:売上高101億円(前年比+0.6%)、営業利益4億円(同△35.1%)。販管費の増加により減益となりました。
注目ポイント:ハイドロックス社の医療機関向け消毒剤が好調。ブラジルではECチャネルの拡大に成功しています。利益率の改善に向けたオペレーションの効率化や、巨大な米州市場での販売チャネル最適化を推進できるプロフェッショナルが求められています。
ヨーロッパ
事業内容:英国、ポーランドのDAX社、オーストリアのモノ社を通じた医薬品・化粧品事業。
業績推移:売上高115億円(前年比+43.7%)、営業利益2億円(同△58.2%)。容器供給業者の問題による原価上昇が響きました。
注目ポイント:モノ社の無菌生産ラインを活用し、ロートのアイケアを欧州全域へ広げる構想が進行中。薬事力の強みを活かした新市場参入(クロアチア等)を加速させており、複雑な欧州規制に対応しながら事業をスケールさせる知見を持つ人材への期待が高いです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.16
ロート製薬は2025年を「長期視点での成長を実現するための重要な年」と位置づけ、強気な投資姿勢を崩していません。質疑応答で言及された通り、いたずらに販促費をかけるのではなく、成長が見込める分野(ヘアケア等)へ戦略的に投資する方針です。また、来期には肌ラボ等の主力ブランドでのマークアップ(値上げ)も検討中であり、ブランド価値を背景とした収益性向上が期待されます。
次世代の柱として期待されるのが、フィトサイエンス(自然界の力を科学的に解明する新事業)や再生医療、アニマルヘルスといった新規領域です。特に藻類テクノロジー研究所等の研究拠点を活かし、環境負荷を低減しながら高機能な栄養源を提供する試みが本格化しています。質疑応答で強調された「変化をいち早く察知する現場力」を強化するため、スピード感を持って異業種の知見を持ち込める人材の獲得が、2035年の目標達成に向けた最優先課題となっています。
4 求職者へのアドバイス
ロート製薬は「Well-being」を追求し、製薬の枠を超えて食や再生医療、アニマルヘルスまで事業を広げる「変革の只中」にあります。志望動機では、同社のパーパスへの共感に加え、Obagiの権利取得やアジア拠点の急拡大といった具体的変化に対し、自身の専門性がどう寄与できるかを語ることが有効です。特に、新制度「ビヨンド勤務」に象徴される、個人の成長を組織の力に変える文化の中で、何を成し遂げたいかを具体化させましょう。
- 「Obagiの商標権取得に伴い、今後美容クリニックや自費診療市場でのプレゼンスをどう高めていく計画でしょうか?」
- 「ユーヤンサン社の買収後、東南アジア以外の新規市場開拓における最大のチャレンジは何だとお考えですか?」
- 「ビヨンド勤務を選択した社員が、外部での知見を実際の製品開発や業務プロセス改善にどう繋げているか、具体的な事例があれば教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自分の仕事の成果が実感しやすい環境
商品の配置が工夫されており、店頭での見つけやすさが魅力です。広告も頻繁に目にするため、自分の仕事の成果が実感しやすい環境です。人気商品を多く取り扱っているため、多くのお客様に商品を届けることができるのは大きなやりがいです。全体として、やる気次第で充実感を得られる職場だと思います。
(40代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]全体を把握するのは容易ではない
案件が多岐にわたるため、全体を把握するのは容易ではありません。再生医療事業への投資も行っており、社会的意義は感じられますが、採算性についてはまだ不透明な部分があります。
(30代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]使用した主な公開資料:
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 中間期決算説明会(プレゼンテーション資料)
- 2026年3月期中間期 決算説明会 質疑応答



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。