0 編集部が注目した重点ポイント
① アジアでの戦略的投資を加速し収益性の回復を図る
2025年12月期第3四半期累計の業績は、アジアでの先行的な戦略的投資により営業減益となりました。しかし、第3四半期単体ではアジアの実質増収増益を達成しており、回復傾向が鮮明です。マーケティング投資が徐々に効果を発揮しており、海外事業でのキャリア機会が再び拡大する局面を迎えています。
② 次世代ESG目標2035を策定し共生社会の実現をリードする
2026年度からの実施に向けて、新たな中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2035」を策定しました。女性が人生を自由にデザインできる社会の実現や、紙パンツの水平リサイクル「RefF」の社会実装拡大など、より踏み込んだ16のテーマを掲げています。社会価値創造を事業の主軸に据える同社で、専門性を発揮できるフィールドが広がっています。
③ 生成AI導入とDX人材育成により業務効率を最大化する
独自デジタルツール「UniChat」の導入により、特許サマリ作成時間を最大83%改善させるなど、DX推進が加速しています。全社員を対象とした生成AI勉強会や、グローバルでのオンライン学習システム活用により、デジタルを使いこなす「共振人材」の育成を強化中です。最先端テクノロジーを現場で活用したい意欲的な人材にとって、魅力的な環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明資料 P.5
売上高
6,942億円
(前年同期比 -3.9%)
コア営業利益
866億円
(前年同期比 -16.4%)
四半期利益
607億円
(前年同期比 +2.0%)
※コア営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費(事業の経常的な業績を測る指標)
2025年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比3.9%減の6,942億円、コア営業利益が同16.4%減の866億円となりました。前年の過去最高業績の反動やアジアでの戦略的投資、為替影響により減収減益となりましたが、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2.0%増の607億円と増益を確保しています。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高で71.3%、コア営業利益で72.2%に達しています。下半期からの戦略投資効果が顕在化しており、アジア地域が回復基調にあることから、通期目標の達成に向けて概ね順調な進捗と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明資料 P.8
パーソナルケア事業
事業内容: ウェルネスケア(大人用おむつ)、フェミニンケア(生理用品)、ベビーケア(乳幼児用おむつ)の開発・製造・販売。
業績推移: 売上高は5,708億円(前年同期比5.5%減)。アジアでの先行投資や中国の風評影響が響きましたが、回復局面に入っています。
注目ポイント: 日本市場では価値転嫁が奏功し利益率を維持。海外ではベトナムが前年比+11%成長と好調です。中国市場も3月を底にシェアが回復しており、デジタルマーケティングやクイックコマースへの対応など、販売チャネルの変革をリードできる人材が求められています。
ペットケア事業
事業内容: 犬・猫用フードおよび排泄ケア用品(シート・おむつ・システムトイレ)の展開。
業績推移: 売上高は1,131億円(前年同期比4.9%増)。北米や中国などの海外市場が高い成長を牽引しています。
注目ポイント: 北米では関税対応と価値転嫁が奏功し、実質売上高+13%成長を継続。中国では現地の有力企業との資本提携により生産体制を強化しています。グローバルな事業開発や、ペットの健康をサポートするAIサービス「ごはんマッチング」の推進など、テック領域の知見も活かせます。
所在地別:日本・アジア・その他
事業内容: 日本国内市場および、アジア、北米、中東、中南米、欧州での地域別事業展開。
業績推移: 日本は0.1%増収。アジアは10.1%減収。北米・中東を含む「その他」は3.2%増収と好調を維持。
注目ポイント: アジアのコア営業利益率は第1四半期を底に着実に改善しており、第3四半期は6.8%まで回復しました。エジプトでは収益性改善が促進され、中東も成長を牽引。各地域の文化・習慣に合わせた「現地化」戦略を推進するグローバルリーダーの活躍機会が豊富です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明資料 P.54
ユニ・チャームは2025年12月期の通期連結業績予想を据え置き、親会社株主帰属当期利益851億円(前期比4.0%増)を目指しています。質疑応答では、アジアにおける利益回復について「来期はさらに攻勢をかけ、大幅な利益増加を目指す」と言及。中国での異物混入等の風評についても沈静化しており、北米や中東の好調で十分カバー可能としています。
新たな成長の軸となるのが、2026年度から始動する「Kyo-sei Life Vision 2035」です。従来の2030年目標をアップデートし、女性のエンパワーメントや環境負荷低減、ダイバーシティマネジメントの推進をさらに強化します。これに伴い、サステナビリティと事業成長を統合できる高度な経営感覚を持つ人材や、グローバルでの組織変革を担える専門人材の採用意欲が今後さらに高まると予想されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社が提唱する「NOLA & DOLA(必要不可欠なケアから生きる楽しさまで)」という理念への共感が不可欠です。今回の決算では、金利や為替の変動、地政学リスクがあるなかで「価値転嫁の浸透」と「デジタル基盤の刷新」を同時に進めている点が特徴的です。「社会課題の解決を競争優位に変える仕組みづくり」に貢献したい、という意欲を伝えると高い評価につながりやすいでしょう。
面接での逆質問例
「新中長期目標『Kyo-sei Life Vision 2035』において、特に女性の経済的自立支援やバリューチェーン構築において、入社後どのような専門性が組織の変革に求められていますか?」や、「UniChatを活用した業務改善が劇的な成果を上げていますが、生成AIの活用をさらに商品開発や顧客接点の高度化へ繋げるために、どのような課題を認識されていますか?」など、将来の目標に向けた具体的な質問が効果的です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
柔軟な働き方が可能で有給も自由に取得できる
リモートワークとオフィス勤務のバランスが取れており、柔軟な働き方が可能です。有給休暇は比較的自由に取得でき、時間単位での休暇も利用できるため、プライベートとの調整がしやすいです。給与水準は高めなので、時短勤務でも効率的に働ける環境です。
(30代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]ビジネス感覚の重視と人事施策への課題
一方で、ビジネス感覚が求められる環境であり、どの部署にいても利益を生むアイデアが期待されます。特に製造や開発の現場では、最前線で働く人々が重視される風潮があります。しかし、人材開発部の施策が現場の足を引っ張ることがあり、改善が望まれます。会社の規模が大きくなるにつれて、使い物にならない人材が増え、人事系の部署も増加している印象です。
(40代前半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 第3四半期 決算説明資料
- 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年12月期 第3四半期決算説明会 質疑応答



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。