日本触媒の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

日本触媒の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

日本触媒の2026年3月期2Q決算は、海外市況の重石を受けつつも、ソリューションズ事業の収益改善により利益予想を上方修正しました。北米E-TEC社の買収や医薬品CDMO設備増強など、「攻め」の投資が具体化。「なぜ今日本触媒なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

北米の建設化学企業イーテックを子会社化し事業基盤を強化する

2025年度上期より、コンクリート混和剤用ポリマー等を手掛ける株式会社イーテックを新規連結しました。これにより北米での事業拡大とシナジー加速を狙います。従来のマテリアルズ主体の構造から、高付加価値なソリューションズ事業へのシフトを象徴する動きであり、海外展開を担う人材のキャリア機会が拡大する可能性があります。

通期の営業利益を上方修正し利益率の改善を推進する

ソリューションズ製品のスプレッド(原材料と製品の価格差)拡大等を受け、通期の営業利益を前回予想から10億円上方修正の180億円に引き上げました。原材料価格下落の恩恵を確実に利益へ繋げる管理体制が機能しており、不透明な市場環境下でも着実に利益を創出できる体質へと進化しています。

健康・医療や電池材料など成長領域への設備投資を加速させる

成長の柱として、リチウムイオン電池材料の中国での生産規模拡大や、中分子医薬品の受託製造設備増強を決定しました。来年度には微粒子生産設備の商業運転開始も控えており、先端技術領域での専門性を活かしたいエンジニアや研究職にとって、挑戦しがいのある投資フェーズに入っています。

1 連結業績ハイライト

海外市況の低迷を受け減収減益も、ソリューションズ事業の収益改善が下支え。通期利益予想の上方修正は、確かな成長の兆しを示しています。
業績実績の概要

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.5

売上収益 2,002億円 (前年同期比 △3.2%)
営業利益 90億円 (前年同期比 △13.8%)
セグメント利益 96億円 (前年同期比 △21.2%)

※セグメント利益 = 営業利益 + 持分法による投資損益(持分法:投資先企業の利益を自社の利益として反映させる会計手法)

2026年3月期第2四半期累計の業績は、販売数量の増加はあったものの、製品の海外市況下落やドル安の進行により、全体としては減収減益の着地となりました。特に主力のマテリアルズ事業において海外市況の低迷が継続したことが、利益面での重石となっています。

一方で、通期の業績予想に対しては、営業利益180億円の計画に対し中間時点で90億円と、進捗率は50.0%に達しています。売上収益も通期予想4,050億円に対し進捗率49.4%となっており、中間決算としての進捗評価は概ね順調と言えます。ソリューションズ事業での採算改善が進んでいることから、下期に向けたさらなる積み上げが期待されます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

汎用的な化学品を扱うマテリアルズから、独自の高機能製品を揃えるソリューションズへと投資の重心を移しています。
セグメント別の売上・利益予想

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.12

マテリアルズ事業

事業内容:アクリル酸(AA)、高吸水性樹脂(SAP)、酸化エチレン(EO)など、幅広い産業で使用される基盤化学品の製造・販売を担います。

業績推移:売上収益 1,397億円(前年同期比 △6.6%)、セグメント利益 65億円(同 △29.2%)。

注目ポイント:中国市場の供給過剰による市況低迷が響きましたが、新興国でのSAP拡販により販売数量は増加しています。インドネシアでの設備増設など、グローバルな需給調整を担う物流・生産管理の専門家が必要不可欠な領域です。

注目職種:グローバルサプライチェーン管理、海外営業、生産技術

ソリューションズ事業

事業内容:電子情報材料、電池材料、医薬中間原料、各種アミン類など、顧客の課題を解決する高付加価値な特殊化学品を提供します。

業績推移:売上収益 605億円(前年同期比 +5.5%)、セグメント利益 27億円(同 △0.5%)。

注目ポイント:界面活性剤等のスプレッド拡大に加え、ディスプレイ向け材料の中国向け拡販が寄与しました。利益が横ばいなのは持分法適用会社での減損が影響しており、事業自体は増益基調です。先端ITや脱炭素ニーズに直結しており、高度な技術営業やR&Dの知見が求められています。

注目職種:技術営業、半導体材料開発、電池材料エンジニア

3 今後の見通しと採用の注目点

新中期経営計画に基づく「ソリューションズ事業の拡大」が加速。次世代産業の基盤を支える投資が次々と具体化しています。
株主還元方針とDOEの推移

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.25

日本触媒は、2027年度に向けた新中期経営計画において、ソリューションズ事業の利益最大化を掲げています。今後の採用において特に注目すべきは、「電池材料」「健康・医療」「エレクトロニクス」の3領域です。

電池材料分野では、EV(電気自動車)向けLIB(リチウムイオン電池)用電解質の需要が旺盛で、中国に続き日本(北九州市)でも新工場計画が進行中です。また、健康・医療分野では核酸やペプチドといった中分子医薬品のCDMO(医薬品受託開発製造)事業の受託数が増加しており、大量製造設備の導入を決定しました。

これらの動きは、同社が「素材供給メーカー」から「産業の課題解決パートナー」へと変革している証左であり、従来の化学メーカーの枠に捉われない、多様な産業バックグラウンドを持つ専門人材の採用を強化していく方針が読み取れます。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

世界トップクラスのシェアを誇るアクリル酸・高吸水性樹脂という「強固な経営基盤」を持ちながら、現在進行形でソリューションズ事業への構造シフトに挑んでいる点に注目しましょう。特に、北米E-TEC社の買収に伴う「グローバルな事業開発」や、医薬品CDMO、次世代電池材料といった「新規領域への積極投資」を志望動機の軸に据えることで、同社の変革意欲と合致したアピールが可能です。

Q&A

面接での逆質問例

・「北米E-TEC社の買収により、現地のエンジニアや拠点との間でどのようなナレッジ共有や技術交流が始まっていますか?」
・「医薬品CDMO事業において、大量製造設備の導入後、組織として新たにどのような専門スキルを持つ人材を求めていますか?」
・「ソリューションズ製品のスプレッド拡大が上方修正の要因となりましたが、この採算重視の姿勢は、現場の開発や営業手法にどのような変化をもたらしていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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ボーナスや福利厚生もしっかりしている

給与は文句無しの金額を頂いているおり、ボーナスや福利厚生もしっかりしている。現在は高吸収ポリマーの売れ行きが良いのでボーナスが良いと言える。

(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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その会社でしか通用しないスキルの塊になる

しかし、個人のスキルは自分次第のため、長く勤めれば勤める分、その会社でしか通用しないスキルの塊になると思います。

(30代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(2025年11月7日)
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明資料(2025年11月11日)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

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