0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期業績予想を上方修正し成長を加速させる
IT機器やハイエンドスマートフォン向け製品の需要が想定を上回ったことを受け、2026年3月期の通期予想を上方修正しました。売上収益を前回予想から320億円、営業利益を130億円引き上げています。旺盛なデバイス需要を背景に、成長領域への投資と採用が加速する見通しです。
② マネジメント体制変更で事業構造を刷新する
2025年度よりマネジメント体制の変更を行い、報告セグメントの分類を変更しました。インダストリアルテープ、オプトロニクス、ヒューマンライフの3軸をより鮮明にし、各領域での意思決定を迅速化させています。組織の再編に伴い、新しい体制下での管理部門や企画職のキャリア機会が拡大しています。
③ 核酸受託製造の商用化ステージが本格化する
ヒューマンライフ事業内のライフサイエンス領域において、将来の商用化が見込まれる大型案件の生産を開始しました。第2四半期から始まったこの動きにより、核酸医薬の受託製造(CDMO)としての地位がより強固になっています。バイオ・メディカル分野の専門人材にとって、飛躍的な活躍の場が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期決算説明資料 P.4
第3四半期累計の業績は、円高による88億円の減益影響があったものの、これを除くと実質的な増収増益となりました。売上収益はインダストリアルテープやヒューマンライフが牽引し、過去最高の水準を維持しています。営業利益率は18.8%と高水準をキープしており、効率的な経営体制が際立っています。
通期予想に対する進捗率は、売上収益で76.5%、営業利益で79.5%に達しており、業績の進捗は非常に順調です。特に営業利益については通期目標の75%ラインを優に超えており、修正後の上方修正目標に対しても強い達成意欲が示されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期決算説明資料 P.8
インダストリアルテープ
【事業内容】 接合材料や保護材料、自動車材料などを提供。スマホ組み立て用部材や半導体プロセス材が主力です。
【業績推移】 売上収益2,751億円(前年比+3.0%)、営業利益388億円(同+3.0%)と増収増益を達成しました。
【注目ポイント】 ハイエンドスマホ向けの電気剥離テープの採用拡大や、半導体メモリ向け需要の増加が成長を牽引しています。製造拠点の統廃合による合理化も進んでおり、生産技術やSCMの最適化を担う人材の重要性が増しています。
オプトロニクス
【事業内容】 光学フィルムなどの情報機能材料と、高精度基板などの回路材料を展開。スマホやタブレットが主戦場です。
【業績推移】 売上収益4,120億円(同-2.4%)、営業利益1,205億円(同-12.6%)と、円高や戦略的撤退の影響で減収減益となりました。
【注目ポイント】 LCDスマホ向けフィルムの戦略的撤退を進める一方、ハイエンドノートPC向けは好調です。HDD市場の回復も見込まれており、ポートフォリオの入れ替えと次世代製品の市場投入を担う事業開発や企画人材の募集が期待されます。
ヒューマンライフ
【事業内容】 核酸受託製造のライフサイエンス、高分子分離膜のメンブレン、おむつ向け材料のパーソナルケア材料を含みます。
【業績推移】 売上収益1,069億円(同+8.0%)、営業損失25億円(前年は57億円の赤字)と収益性が大幅に改善しています。
【注目ポイント】 核酸受託製造(CDMO)で商用化案件が始動し、大きな収益の柱へと育っています。中国での排水規制強化に伴うZLD需要や環境貢献型製品の拡販など、ESG領域に直結する事業を展開しており、社会貢献度の高いキャリアを志向する層に最適です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期決算説明資料 P.14
2026年3月期の通期見通しは、売上収益1兆270億円、営業利益1,860億円へと上方修正されました。主力であるハイエンドスマホ市場の底堅さに加え、タブレットやノートPC向け光学フィルムの需要が堅調に推移する見込みです。また、為替レートを1ドル150円(期末想定154.3円)と見直したことで、不透明な外部環境に対する経営の柔軟性も高まっています。
特筆すべきは800億円規模の自己株式取得など、株主還元と投資のバランスを重視した姿勢です。設備投資額は1,100億円、研究開発費は470億円と過去最高水準を計画しており、新製品開発や製造拠点のデジタル化を加速させています。これにより、AI・データ分析や先端材料開発などの領域で、中途採用の重要性がこれまで以上に高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
日東電工は「ニッチトップ」戦略を掲げ、高度な技術で特定の市場を支配する強みを持っています。今回の決算で見られた核酸受託製造の商用化成功や、スマホ向け電気剥離テープの採用モデル拡大は、その戦略の正しさを裏付けています。「高い技術力を持つ環境で、世の中のデファクトスタンダードを作りたい」という意欲を、具体的な製品群と結びつけて語ることが有効です。
面接での逆質問例
「マネジメント体制の変更とセグメント再編により、現場の意思決定のスピードや組織間の連携にどのような変化がありましたか?」「ヒューマンライフ事業での大型案件商用化に伴い、今後期待される次なる成長領域とその課題について教えてください。」など、構造変化や新事業のフェーズを意識した質問は、高いビジネス感度をアピールできます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
圧倒的なシェアを誇り安定感がある
偏光板市場での圧倒的なシェアを誇る企業で、内部留保の充実が安定感を支えています。新しい事業の開拓にも積極的で、既存の強固な基盤を活かして新たな挑戦を続けています。ニッチトップ戦略を駆使し、特定の市場での優位性を確保している点も魅力的です。将来性に期待が持てます。
(30代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]上層部に古い考え方が残っている
入社前に期待していたことと、実際に働き始めてからの現実には多少の違いがありました。特に、上層部には古い考え方が残っている部分も見受けられます。収入面での満足は高いですが、待遇だけに頼っていると、仕事に対する情熱やモチベーションを維持するのが難しくなることもあります。
(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算説明資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。