0 編集部が注目した重点ポイント
① 上海虹橋中薬飲片を連結子会社化する
2025年8月に上海の飲片(きざみ生薬)大手である上海虹橋中薬飲片有限公司の株式51%を取得し、連結子会社化を完了しました。当第2四半期より貸借対照表を連結しており、中国における生薬プラットフォームの基盤を大幅に強化しています。これにより、中国事業でのキャリア機会が飛躍的に拡大する可能性が高まっており、グローバルな活躍を目指す人材にとって強力な事業成長の転換点となっています。
② 中国の規制緩和で修治加工が可能になる
2024年11月施行の外商投資規制(ネガティブリスト)緩和により、これまで外資企業に禁止されていた「修治(蒸す・炒る等の伝統的な生薬加工)」の実施が可能になりました。自社での高付加価値な飲片製造が可能となるこの変化は、同社の技術力を中国市場で最大限に発揮できる歴史的な規制解除です。品質管理や製造技術の専門性を備えた人材の需要がさらに高まっています。
③ 通期売上高予想を100億円上方修正する
M&Aの影響と中国事業の好調を背景に、通期の連結売上高予想を期初計画から100億円引き上げ、1,980億円に修正しました。業績拡大に伴い、年間配当予想も144円へと8円の増配を決定しており、株主還元姿勢も強化されています。成長投資と還元を両立させる安定した経営基盤は、転職者にとっても極めて安心感の高い環境と言えます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会 P.11
当中間期の売上高は898億97百万円(前年同期比0.9%増)となりました。国内事業では2025年3月末の流通在庫が高水準だったことや限定出荷の影響で微減となりましたが、中国事業が2桁増収と好調に推移し、全体を牽引しています。営業利益は生薬費や加工費の上昇、情報提供活動の強化に伴う販管費の増加により171億19百万円(同18.8%減)となりましたが、中間計画に対しては107.0%の達成率となり、着実な進捗を見せています。
利益面では前年同期の過去最高水準と比較して減少しているものの、加工費の低減や販管費の抑制が功を奏し、当初の利益計画を上回るペースで推移しており、通期目標の達成に向けて順調な進捗状況と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会 P.26
国内事業
事業内容:医療用漢方製剤129処方の製造販売、一般用漢方製剤等のヘルスケア製品の展開、およびこれらを通じた医療現場への情報提供活動。
業績推移:売上高79,539百万円(前年同期比0.5%減)。営業利益17,135百万円(同19.2%減)。医療用漢方製剤の実売数量は2.6%増加しています。
注目ポイント:「高齢者関連」「がん(支持療法)」「女性関連」の重点3領域に経営資源を集中しています。特にオンラインMRを活用した「漢方Onlineスタジオ」など、デジタルとリアルを融合させた高度な情報提供体制への変革を推進中。科学的根拠(エビデンス)に基づいた漢方普及に向け、医療の質向上に貢献できる専門人材が求められています。
中国事業
事業内容:原料生薬の販売、飲片(きざみ生薬)の病院・薬局への提供。スマートファクトリーによる「一人一方(患者毎の調剤)」サービスの展開。
業績推移:売上高10,357百万円(前年同期比13.9%増)。生薬PFの営業利益は5.3億円と21.3%の大幅増益を達成しました。
注目ポイント:上海虹橋中薬飲片の連結により、上海エリアでのシェアが拡大しています(注:当中間期はB/Sのみ連結)。「一人一方」を実現するスマートファクトリーの完全自動化など、伝統医療に最先端ITを融合させる製造業のDXを中国で先行実施しています。海外拠点の立ち上げやサプライチェーン管理の経験を持つ人材には、大きなキャリア機会が存在します。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会 P.6
2026年3月期の通期予想は、上海虹橋中薬飲片の連結影響を織り込み、売上高1,980億円(対前期比9.3%増)、営業利益350億円へと上方修正されました。下期からは新たに連結される子会社の損益も寄与し、成長スピードが一段と高まります。特に中国事業では、これまでの「生薬プラットフォーム」に加え、中成薬(生薬製剤)市場への参入を目指す「製剤プラットフォーム」の基盤構築が進んでいます。
国内では、がんキャラバン2025などの大型セミナーを通じた、病院医師へのアプローチを強化。e-プロモーションによる情報認知件数は前年同期比130%と生産性が劇的に向上しており、働き方の面でもデジタルスキルを活かせる環境が整っています。2031年度に向けてDOE(自己資本配当率)5%を目指す方針も明文化されており、長期的な企業価値向上にコミットする姿勢が鮮明です。
4 求職者へのアドバイス
同社は今、日本の伝統薬を世界基準の「植物薬」へと昇華させる第2の創業期にあります。特に中国での外商投資規制の緩和や大規模M&Aの完了は、従来の国内主導型ビジネスからの脱却を象徴しています。「漢方のエビデンス構築」という学術的側面と、「スマートファクトリーによる製造革新」という工学的側面の両輪で、未踏の領域に挑戦したいという意欲を伝えるのが有効です。
「中国における修治加工の解禁を受けて、具体的にどのような新製品開発や製造プロセスの見直しを計画されていますか?」「国内の重点3領域において、オンラインMRとリアルMRの役割分担は今後どのように進化させていく方針でしょうか?」「新しく連結された上海虹橋中薬飲片とのシナジー創出において、中途採用者に最も期待する役割は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自社製品に限界
新薬が出ないため自社製品に限界を感じる。数字、売上での評価のため市場縮小などにより売上が下がると評価も下がる。営業であるため相手の欲に付き合わなくてはならない。結局は信頼関係でなく価格で付き合いが決まることがしばしばある。
(30代前半・MR・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。