JX金属の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

JX金属の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

JX金属の2026年3月期2Q決算は、AIサーバー向け先端材料の爆発的な成長により営業利益予想を150億円上方修正。タツタ電線の完全子会社化によるメディカル分野進出や、三菱マテリアルとの銅事業統合など、先端素材メーカーへの歴史的変革の最中にあります。転職希望者が担える新領域の役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

AIサーバー需要が業績を牽引し通期予想を150億円上方修正する

生成AI市場の急拡大を背景に、半導体材料や情報通信材料といった「フォーカス事業」が極めて好調です。2025年度の連結営業利益予想を当初の1,100億円から1,250億円へ引き上げました。最先端半導体向け材料の増販が利益を押し上げており、先端素材メーカーとしての地位を盤石にしています。

タツタ電線の完全子会社化でメディカル事業を新たな収益の柱に据える

2024年度にタツタ電線を完全子会社化し、同社を通じて医療機器メーカーの全株式を取得するなど、メディカル領域への本格進出を果たしました。電線・ケーブル技術をカテーテル等の医療分野へ応用する構造改革を推進しており、転職者にとっても新規事業開発や異業種融合のキャリア機会が大きく広がっています。

三菱マテリアルとの事業統合で製錬事業の競争力を強化する

2025年11月、パンパシフィック・カッパーと三菱マテリアルの銅事業統合に関する基本合意を締結しました。原料調達の一括化やコスト削減により国際競争力の維持を図ります。ベース事業の体制適正化を進める一方で、高付加価値なリサイクル事業へのシフトを鮮明にしており、抜本的な事業再編が進むダイナミックな環境です。

1 連結業績ハイライト

主力製品の増販と為替・銅価格の見直しにより、上期実績は前年を上回り、通期計画も大幅な増益を上込んでいます。
2025年度上期実績および通期見通し

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.4

売上高(上期)

3,964億円

前年同期比 +18%

営業利益(上期)

700億円

前年同期比 +3%

通期営業利益予想

1,250億円

前回予想比 +150億円

2026年3月期上期の売上高は前年同期比18%増の3,964億円となり、営業利益は700億円を達成しました。前年同期に計上された資産売却益等の一過性要因を除いた実質ベースでは155億円の増益となっており、事業の稼ぐ力が着実に強化されています。特に先端材料を担うフォーカス事業が利益成長を力強く牽引しています。

通期予想に対する進捗率は、修正後の営業利益目標1,250億円に対して56%となっており、下期の需要見込みを含め業績推移は順調と評価できます。好調な業績を背景に、年間配当予想も1株当たり18円から21円へと増配が予定されています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

AIサーバー向け先端材料が爆発的に成長する一方で、伝統的な銅事業も効率化とリサイクル重視へ大きく舵を切っています。
事業セグメント別営業損益差異分析

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.13

半導体材料

事業内容:半導体用スパッタリングターゲット(ナノレベルの薄膜形成材料)、InP基板、タンタル・ニオブ材料等の製造。

業績推移:売上高831億円(前年比+13%)、営業利益190億円(前年比+20%)と大幅な増益を達成。

注目ポイント:AIサーバー関連の需要拡大により、主力製品が軒並み好調です。特にキャパシタ向けタンタル粉は販売数量が前年比63%増と驚異的な伸びを記録。次世代パッケージ向け新素材の開発や量産体制の構築が急務となっており、技術開発・製造エンジニアの重要性が高まっています。

注目職種:プロセス開発エンジニア、次世代材料研究、量産立ち上げ担当

情報通信材料

事業内容:圧延銅箔、チタン銅、タツタ電線の電線事業など、通信・モバイル向け高機能材料を展開。

業績推移:売上高1,557億円(前年比+41%)、営業利益153億円(前年比+5%)。タツタ電線の連結化が寄与。

注目ポイント:スマートフォン市場の回復に加え、AIサーバー用途での高機能銅合金(チタン銅等)の採用が拡大しています。タツタ電線との統合により、メディカル事業領域を新たな柱とする方針を打ち出しており、既存技術の他分野展開に携わるチャンスがあります。(注:タツタ電線は2024年度より連結)

注目職種:メディカル事業開発、高機能合金のアプリケーションエンジニア

基礎材料

事業内容:リサイクル原料の集荷・販売、電気銅の受託製錬、資源開発の投資管理など。

業績推移:売上高1,610億円(前年比+4%)、営業利益404億円(前年比▲6%)。資源権益売却の反転が影響。

注目ポイント:銅鉱山権益の一部売却や三菱マテリアルとの銅精鉱・電気銅販売の事業統合など、抜本的なポートフォリオ見直しを断行中です。リサイクル原料の増処理に向けた設備投資も決定しており、サーキュラーエコノミーを体現する次世代の資源・製錬モデルへの変革を担う人材を求めています。

注目職種:リサイクル技術開発、資源循環スキームの事業企画、SCM最適化

3 今後の見通しと採用の注目点

2027年度に向けて「フォーカス事業」の営業利益構成比を67%以上まで引き上げる高い目標を掲げています。
中長期事業目標と進捗

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.10

JX金属は、従来の資源・製錬中心の企業体から、高度な差別化技術を持つ先端素材メーカーへの転換を加速させています。2027年度目標として連結営業利益の年平均成長率(CAGR)10~15%を掲げ、特に半導体材料セグメントでは利益率25~30%という極めて高い収益性を目指しています。

設備投資も積極的で、茨城事業所(日立地区)での次世代材料の量産開始や、ひたちなか新工場での製造設備稼働(2026年3月予定)など、供給能力の拡大が目白押しです。防衛分野や核融合スタートアップへの出資、インド現地法人の設立など、既存の枠組みを超えた新領域への挑戦も続いており、グローバルかつ多角的なキャリア機会が存在します。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「生成AIの進化を下支えする世界シェアNo.1製品群(半導体ターゲット等)」や「製錬事業の再編を通じた資源循環型社会への貢献」といった、同社の社会的インパクトの大きさに注目してください。また、タツタ電線の連結化による「メディカル事業」への挑戦など、第二の創業期ともいえる変革フェーズにあることを志望理由に盛り込むのが有効です。

Q&A

面接での逆質問例

・「AIサーバー市場の成長に伴い、CVD/ALDプリカーサ材料の増産体制構築において、具体的にどのような現場課題に直面されていますか?」
・「三菱マテリアルとの事業統合により、若手や中堅社員の役割やキャリアパスにどのような変化が期待されますか?」
・「メディカル事業を柱とする上で、中途採用者に期待されるマインドセットや専門性は何ですか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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ワークライフバランスはとてもよい

男性でも子供の送り迎えのために遅出や早帰りなど、フレックスタイム制度を積極的に使っており、ワークライフバランスはとてもよいと思う。

(20代後半・技術関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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社食がないところもある

地方勤務だと、住宅補助や社宅のありがたみはイマイチ感じられない(もとの家賃が安いため)。また、配属箇所によっては社食がないところもある。

(20代後半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • JX金属株式会社 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料(2025年11月11日発表)
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2025年11月11日発表)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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