イビデンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

イビデンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

イビデンの2026年3月期2Q決算は、生成AIサーバー向けの旺盛な需要を背景に増収増益を達成。大野工場の量産開始に伴う記念配当や累進配当の導入、1対2の株式分割など、攻めの姿勢が鮮明です。「なぜ今イビデンなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

AIサーバー向け需要が好調で増収増益を達成する

生成AI向けサーバーの旺盛な需要を背景に、第2四半期累計の売上高は前年同期比7.7%増、営業利益は14.2%増と伸長しました。特に電子事業において、AIサーバー向けの高性能ICパッケージ基板(半導体チップを載せる基板)の受注が好調に推移しており、同社の成長を強力に牽引しています。

大野工場の量産開始と累進配当の導入を決定する

最先端製品を生産する大野工場の量産開始を記念し、10円の記念配当を実施します。また、2030年度までの株主還元方針として、減配せず配当を維持または増やす「累進配当」を導入しました。これは将来の収益拡大に対する経営陣の強い自信の表れであり、採用市場でも注目すべきマイルストーンです。

1対2の株式分割を実施し投資家層の拡大を狙う

2026年1月1日付で、普通株式1対2の株式分割(1株を2株に分ける手続き)を実施することを決定しました。投資単位当たりの金額を引き下げることで、市場流動性の向上と幅広い投資家層の獲得を目指しています。企業の持続的な価値向上に向けた資本政策の一環であり、グループの組織規模がさらに拡大していく兆しといえます。

1 連結業績ハイライト

AIサーバー向けが牽引し、上方修正後の通期計画に対しても着実に歩みを進める好決算となりました。
2025年度第2四半期 連結業績実績

出典:2025年度 第2四半期 決算説明会 P.4

売上高

1,955億円

+7.7%

営業利益

326億円

+14.2%

最終利益

221億円

+7.5%

2026年3月期第2四半期(中間期)は、生成AIブームを受けたAIサーバー向けの受注が継続的に好調で、前年を上回る実績となりました。営業利益率は16.7%に達し、前年同期の15.7%から改善しています。フィリピン工場でのコスト低減活動も利益に貢献しました。

通期予想(営業利益610億円)に対する進捗率は53.4%となっており、期初予想からの上方修正(当初550億円から610億円)を踏まえても業績は順調に推移しています。下半期には新工場の減価償却費(設備の価値が時間とともに減少することを見越した会計上の費用)の増加を見込んでいますが、AI市場の追い風を受けて堅調な推移が予想されます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

AIサーバー向け基板を担う電子事業が飛躍する一方で、セラミック事業は市場環境の変化への対応が課題となっています。
ICパッケージ基板需要見通し

出典:2025年度 第2四半期 決算説明会 P.11

電子事業

事業内容:パソコンやサーバー向けの高機能ICパッケージ基板の製造。半導体の性能を引き出す重要部材を提供。

業績推移:売上高1,135億円(+15.6%)、営業利益254億円(+41.4%)と大幅な増収増益。

注目ポイント:AIサーバー向け基板の需要が非常に強く、GPU(画像処理装置)やASIC(特定用途向け集積回路)に対応した高付加価値製品が牽引。大野工場の稼働開始により供給能力が拡大しており、次世代の微細化・大型化技術を担うエンジニアや、生産改革を推進する生産技術人材のニーズが高まっています。

注目職種:半導体パッケージ設計、生産技術開発、製造プロセスエンジニア、品質保証

セラミック事業

事業内容:ディーゼル車用排ガス浄化フィルター(DPF)やパワー半導体用特殊炭素製品などを展開。

業績推移:売上高397億円(▲8.0%)、営業利益38億円(▲45.8%)と厳しい状況。

注目ポイント:EV(電気自動車)市場の減速によるパワー半導体向け部材の低迷や、自動車生産台数の伸び悩みが影響しています。一方で、PHEV(プラグインハイブリッド車)や新興国の建機・農機向け需要は堅調です。不透明な市場環境下で、既存技術の転用や新市場領域(原子力・パワートレイン等)の開拓に向けた戦略的な営業・開発が急務となっています。

注目職種:材料開発、新事業開発、海外営業、サプライチェーンマネジメント

その他事業

事業内容:建設工事(発電・排水処理設備等)、住宅用建材、造園、情報サービス等の多角化展開。

業績推移:売上高422億円(+5.1%)、営業利益32億円(▲6.8%)。

注目ポイント:建設部門で大型物件の施工が順調に進み増収となりました。建材部門は住宅着工の遅れが響きましたが、グループ全体の基盤を支える役割を担っています。資材価格の高騰などコスト面での圧力を、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した施工管理や効率化で打破できるDX人材が重宝されています。

注目職種:施工管理(電気・土木)、DX推進、社内ITエンジニア

3 今後の見通しと採用の注目点

生成AI向け市場のさらなる拡大を見据え、大型投資と新工場の早期安定稼働が次の成長フェーズのカギとなります。
大野工場と工場ネットワーク

出典:2025年度 第2四半期 決算説明会 P.12

2026年3月期通期では、売上高4,200億円、営業利益610億円を見込んでいます。注目の大野工場ではAIサーバー向けに特化した生産体制を構築し、市場の成長を確実に取り込む方針です。また、河間工場についても早期稼働に向けた顧客との協議を継続しています。

技術トレンドの進化は速く、ガラスコア基板(次世代の基板材料)や部品内蔵化などの先端パッケージング技術の開発を加速させています。セラミック事業ではEV市場の不透明感を織り込んでいますが、内燃機関向けの需要を確実に確保しつつ、新市場へのシフトを狙います。中長期ビジョン達成に向け、経営資源の配分を最適化するフェーズにあり、グローバルな視点でのサプライチェーン管理や高度な研究開発能力を持つ人材の価値がかつてなく高まっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は生成AIブームの核心である「高性能パッケージ基板」で世界的な存在感を放っています。大野工場の量産開始など「攻めの投資」が進む中で、世界最先端のモノづくりに携われる点は強力な志望動機になります。また、累進配当の導入に見られるような安定した財務基盤と還元姿勢は、長期的なキャリア形成を望む方にとって大きな魅力となるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「大野工場の量産開始に伴い、現場の組織体制や生産性向上のためのミッションはどう変化していますか?」
  • 「次世代のガラスコア基板開発において、中途採用者に期待される異分野の知見があれば教えてください。」
  • 「EV市場の減速を受け、セラミック事業での新市場(原子力やeパワートレイン)へのシフトをどのように加速させていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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世界的大手企業との関係構築スキルを磨ける

電子部品業界でのB to B取引を通じて、特に世界的な大手企業との関係構築のスキルを磨くことができました。地元出身者として、岐阜県内で誇りを持って働ける環境が整っていると感じます。社内では、同僚からの相談に乗り、適切なアドバイスを提供することで、他者の役に立っている実感を得られる瞬間が多く、やりがいを感じます。

(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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努力が正当に評価されにくい

忙しい部署とそうでない部署で年収が同じなのは不公平に感じます。努力が正当に評価されにくく、成果よりも上司に気に入られることは最重視される風潮があり、働きがいを見出すのが難しい環境です。

(30代前半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2025年度 第2四半期 決算説明会(2025年10月31日)
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年10月30日)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。

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