0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期業績予想を1兆5,500億円へ上方修正
上半期の売上高が過去最高を更新し、堅調な進捗を見せています。データセンター向けファンモーターや航空機需要の回復を背景に、通期の売上高予想を従来の1兆5,200億円から1兆5,500億円へと上方修正しました。営業利益も大台の1,000億円達成を目指しており、成長スピードがさらに加速しています。
② 新事業「ミネベアリニアモーション」が始動
2025年10月より、ツバキ・ナカシマから取得したボールねじ・ボールウェイ事業を核とする新会社が正式に始動しました。同社の超精密加工技術と、グループのモーター・センサー技術を組み合わせた「相合(そうごう)」製品の開発により、ヒューマノイドロボット市場など次世代領域でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。
③ カンボジア第二工場の本格立ち上げを推進
カンボジアのプルサット新工場において、10月から設備移管を開始し11月より一部出荷を予定しています。同拠点は将来的に再生可能エネルギー100%での運営を目指す基幹拠点となります。垂直統合生産システムの導入により、営業利益700億円規模を創出するプレシジョンテクノロジーズ事業の柱として、グローバルな生産管理体制の構築が進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会 2026年3月期 第2四半期 P.21
2026年3月期第2四半期累計の売上高は、為替影響や米国相互関税といった厳しい外部環境がありながらも、上半期として過去最高を記録しました。営業利益については、タイバーツ高の影響で前年同期比では微減となったものの、期初計画を上回る444億円を確保しています。特に第2四半期単体では、実質営業利益率(支給部品等の売上高を除いた利益率)が7.9%に達するなど、収益性の改善が顕著です。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高で50.2%、営業利益で44.4%となっており、下半期の新製品立ち上げや価格転嫁の進展を考慮すると、業績は順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会 2026年3月期 第2四半期 P.23
プレシジョンテクノロジーズ(PT)
事業内容: ボールベアリング、ロッドエンド・ファスナー、HDD用ピボットアッセンブリー等の超精密部品を展開。
業績推移: 上半期の売上高、営業利益ともに過去最高を更新。営業利益率は21.5%と極めて高い水準を維持しています。
注目ポイント: AIサーバー需要の爆発的増加に伴い、データセンター向けベアリングが絶好調です。また、LiDAR(光による検知・測距)向け車載部品やヒューマノイドロボット向けの精密昇降旋回モジュールなど、高難易度の精密設計人材へのニーズが急増しています。M&Aによるシナジー創出も本格化しており、早期の利益率向上に貢献できる環境です。
モーター・ライティング&センシング(MLS)
事業内容: ファンモーター、ステッピングモーター、計測機器、液晶用バックライト等を提供。
業績推移: 前期までの赤字から脱却し、黒字化を実現。データセンター向けファンモーターが成長を牽引しています。
注目ポイント: 生成AIブームにより、サーバーの空冷・液冷双方で冷却装置への需要が拡大しています。特にリアドア冷却装置やバルブ用途のステッピングモーターなど、熱マネジメント領域の専門性が問われています。ライティングデバイスでは車載用ディスプレイ向けの引き合いが急増しており、次世代コックピット開発の最前線で活躍できます。
セミコンダクタ&エレクトロニクス(SE)
事業内容: アナログ半導体、パワーデバイス、光デバイス(OIS等)を主力製品とする。
業績推移: 半導体は医療機器やスマホ向けが好調。光デバイスは一部レアアース問題の影響を受けるもほぼ回復。
注目ポイント: 欧米・インド向け鉄道用IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)や、高付加価値なアナログ半導体領域に特化しています。参入障壁が高い高耐圧・高信頼性領域での開発は、エンジニアとしての市場価値を高める絶好の機会です。光デバイスでは中国の規制に対抗し、ベトナム調達やレアアースフリー化を推進する強靭なサプライチェーン構築に携われます。
アクセスソリューションズ(AS)
事業内容: 自動車用キーセット、ドアラッチ、ハンドル、ミラー等の開発・製造。
業績推移: 自動車減産の影響で減収となるも、生産性改善活動「FOX project」により増益を確保。
注目ポイント: 全世界132工場のデータを連携させるスマートファクトリー化を推進しています。不振だった拠点の生産性を最大107%向上させるなど、デジタル化の成果が利益に直結するダイナミズムを体感できます。DX(デジタルトランスフォーメーション)やIoT(モノのインターネット)を駆使して製造現場を抜本的に変革したい人材には最適なフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会 2026年3月期 第2四半期 P.30
経営陣は、AIサーバー、ヒューマノイドロボット、完全自動運転(LiDAR)、ドローン、そしてこれらを支える「相合製品」を5つの成長ドライバーと定義しています。特に注目は、CES 2026での出展を予定している「握力200Nを実現するロボットハンド」です。85個のベアリングと11個のアクチュエーターを「相合」させることで、人間の手に近い力強さと精密なセンシングを両立させています。
これらの最先端プロジェクトは、既存事業の枠を超えた領域での開発が中心となるため、異業界からの先端技術者採用が今後も活発化する見通しです。また、カンボジアやベトナムなどの海外拠点の重要性が増しており、グローバルなキャリアを志向する人材にとってのチャンスも拡大しています。
4 求職者へのアドバイス
同社の最大の強みは、複数の精密部品を組み合わせ、一つの高付加価値ユニットとして提供する「相合(そうごう)」戦略です。単一の製品開発にとどまらず、他事業部の技術と連携してヒューマノイドロボットやAIサーバーなどの「世界を動かす次世代インフラ」に関わりたいという意欲は非常に高く評価されます。また、積極的なM&Aによる事業拡大期にあるため、新しい組織や文化への適応力・統合推進力をアピールすることも有効です。
- 「ミネベアリニアモーション始動により、ヒューマノイドロボット向け開発において今後強化される技術領域は具体的にどのようなものですか?」
- 「カンボジアの第二工場立ち上げに伴い、現地マネジメントや垂直統合生産の推進において中途採用者に期待される役割は何でしょうか?」
- 「FOX projectのような拠点横断的な生産性改善活動において、IT・デジタル技術が具体的にどのような現場課題を解決していますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
ワークライフバランスは良好
業務の負荷は比較的軽く、ワークライフバランスは良好です。休暇の取得も柔軟で、事前に申請すれば長期休暇も可能です。
(50代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]既存事業の成長には限界が見える
既存事業の成長には限界が見えており、今後は買収したビジネスとのシナジーをどのように活かしていくかが鍵となります。
(40代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ミネベアミツミ株式会社 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料(2025年11月6日)
- ミネベアミツミ株式会社 2026年3月期 第2四半期 決算短信(2025年11月6日)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。