0 編集部が注目した重点ポイント
① AIロボティクス領域でソフトバンクと協業を開始する
次世代の「自律型ロボット」開発を加速させるため、ソフトバンク株式会社と覚書を締結しました。AIと通信技術を融合させ、ロボットが人と柔軟に協働する未来を目指します。オフィスビルなど、これまで自動化が進んでいなかった「未自動化領域」への社会実装を推進しており、ソフトウェアエンジニアやAIスペシャリストにとって非常に魅力的なプロジェクトが始動しています。
② 再生医療の製造プラットフォーム新会社を設立する
2025年9月、アステラス製薬株式会社と共同で「セラファ・バイオサイエンス株式会社」を設立しました。安川電機のロボット技術とアステラス製薬の知見を融合し、再生医療製品の製造自動化を目指します。バイオ・メディカル領域という成長市場において、ロボティクス技術を応用した新たなキャリア機会が生まれています。
③ 米国・中国市場の需要変化に柔軟に対応し収益を確保する
地政学的リスクや関税政策が不透明な中、中国・韓国の自動車市場向けの大口案件を確実に捉え、売上収益を前年同期比0.4%増の3,952億円で着地させました。米国では空調用途向けのインバータ販売が堅調に推移しており、グローバルな需要変動をポートフォリオでカバーする柔軟な経営管理体制が強みとなっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 3-11月期業績概要 P.1
2026年2月期第3四半期累計の業績は、売上収益が3,952億円と前年同期をわずかに上回りました。営業利益については、ロボットセグメントでの売上構成(案件ミックス)の変化により減益となりましたが、モーションコントロールでの付加価値改善が下支えし、計画通りの推移となっています。なお、純利益の大幅減は、前年同期に計上された持分法適用会社の株式売却益の反動によるものです。
通期予想(売上収益5,250億円、営業利益480億円)に対する進捗率は、売上収益が75.3%、営業利益が69.2%となりました。第3四半期までの推移は「想定通り」と評価されており、特に売上収益は目標の75%ラインを超えており、順調な着地が見込まれています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 3-11月期業績概要 P.6
モーションコントロール
【事業内容】ACサーボモータ、コントローラ、インバータなどの開発・製造を行い、工場の自動化や電力制御を支える中核事業です。
【業績推移】売上収益1,709億円(前年同期比4.2%減)、営業利益164億円(2.4%増)。付加価値改善により増益を達成しました。
【注目ポイント】受注残の正常化が進む中、日本の電子部品市場向けACサーボや、米国の空調・太陽光発電用パワーコンディショナ向けインバータの販売が好調です。間接費の抑制と付加価値の向上を両立させており、安定した収益基盤の上で次世代製品開発に携われる環境です。
ロボット
【事業内容】産業用ロボット、半導体製造装置用ロボット、人協働ロボット等の開発・製造・販売を展開しています。
【業績推移】売上収益1,830億円(7.3%増)、営業利益155億円(3.9%減)。中国・韓国での大口案件が売上を牽引しました。
【注目ポイント】自律ロボット「MOTOMAN NEXT」などのAIロボティクス領域への投資を加速しています。案件ミックスの影響で利益は微減ですが、一般産業分野での自動化需要をグローバルに捉えており、AIによる認識・判断を動作に繋げる高度なエンジニアリングスキルが求められています。
システムエンジニアリング
【事業内容】鉄鋼プラントや上下水道、港湾クレーンなどの社会インフラ向け電気システムを提供しています。
【業績推移】売上収益268億円(前年同期比3.5%減)、営業利益27億円(9.6%減)。主力分野での販売が微減となりました。
【注目ポイント】鉄鋼プラント等の既存領域は微減ですが、社会インフラの老朽化更新需要や環境対応型システムへの転換など、長期的かつ安定的なプロジェクトに携わることができます。国内売上比率が83%と高く、社会貢献性の高い分野での専門性を磨けるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 3-11月期業績概要 P.15
今後の成長戦略の核となるのは、安川電機が定義するAIロボティクス(モーションとAIの融合)です。従来のティーチング作業を不要にする「自律的な動き」の実現により、これまで人手に依存していた複雑な梱包作業や組立作業の自動化を目指しています。
注目すべきは、ソフトバンクとの提携により推進される「AI-RAN(無線アクセスネットワークにAIを組み込む技術)」の活用です。これにより、工場内だけでなくオフィスビルや百貨店などの「未自動化領域」へロボットを普及させる計画です。また、再生医療向けロボットシステム「まほろ」が米国FDAの先進製造技術指定を受けるなど、医療・ライフサイエンス領域でのグローバル展開も加速しており、従来の「産業機械」の枠を超えたエンジニアの活躍の場が広がっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
安川電機は今、「ロボットを売る」企業から、AIと通信を融合させた「自律型ソリューション」を提供する企業へと進化しています。単なる機械制御の経験だけでなく、AIを活用した「判断ロジック」の開発や、ソフトバンクとの協業に見られるような「異業種連携」による新市場開拓に挑戦したいという意欲は、強力な志望動機になります。また、アステラス製薬との新会社設立など、再生医療という社会貢献性の高い分野への技術転用に関心がある点も高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
・「MOTOMAN NEXTのような自律型ロボットの普及において、既存の顧客(自動車・半導体)以外の新規領域を開拓する際、フィールドエンジニアにはどのような新しい役割が求められていますか?」
・「ソフトバンクとのAI-RAN活用プロジェクトにおいて、メカトロニクス技術者とIT・通信技術者がどのようにチームを組み、開発プロセスを進めているのでしょうか?」
・「再生医療プラットフォームの構築にあたり、医療現場特有のニーズをロボット開発にフィードバックする専門組織やプロセスはどのように整備されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
残業は多い傾向
営業なので外出も多いので、残業は多い傾向。休日出勤なども多い。 当時は変わりつつあったが、元々は営業は手当のみで、残業代はほとんどなかった。休日出勤は手当が出る。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]やりたいことをやらせてもらえる環境
やりたいことがあれば比較的やらせてもらえる環境である。色々チャレンジしたい人は声をあげれば様々なことに取り組めるチャンスはある。
(20代後半・機械設計・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
【使用した主な公開資料】
- 2026年2月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年度 3-11月期 決算補足説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。