ロームの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

ロームの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

ロームの2026年3月期3Q決算は、売上高が前年比7.2%増となり赤字から黒字転換を達成。SiCパワーデバイスの量産拡大や減価償却方法の定額法への変更など、収益基盤の強化を鮮明にしています。「なぜ今ロームなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

減価償却方法の変更により利益体質の強化を推進する

当第1四半期より有形固定資産の減価償却方法を従来の定率法から定額法へと変更しました。車載向け需要拡大に伴う大規模投資を背景に、固定資産の安定稼働を見込んだ措置です。この変更により当3Q累計の営業利益は107億円押し上げられており、構造的な収益改善が進んでいます。

民生機器向けが大幅伸長し通期売上高を上方修正する

民生機器市場、特にアミューズメント向け需要が大きく伸長したことで、売上高は前年同期比7.2%増の3,695億円となりました。これを受け、通期売上高予想を従来の計画から200億円引き上げ、4,800億円へ上方修正しています。市場回復を背景とした成長機会が拡大しています。

SiCパワーデバイスの品質保証関連コストを一時的に計上

成長の柱であるSiC(炭化ケイ素)パワーデバイス事業において、車載インバーター向けの量産採用に伴う一時的な品質保証関連コストが発生しました。これは顧客との最終調整によるもので、来期以降は改善する見通しです。戦略事業における実質的な需要は欧州向けを中心に堅調に推移しています。

1 連結業績ハイライト

売上高は前年同期比で増加し、営業利益は前年の赤字から黒字転換を達成。通期計画に対しても順調な進捗を見せています。
決算ハイライト

出典:2025年度 第3四半期 業績説明資料 P.2

売上高 3,695億円 +7.2%
営業利益 97億円 黒字転換
純利益 148億円 大幅増益

当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が3,695億1千5百万円、営業利益が97億3百万円となりました。前年同期の営業損失110億8千万円から、劇的な黒字転換を果たしています。これは民生機器市場向けの大幅な増収に加え、前期に実施した構造改革による固定費削減効果が寄与した結果です。

通期連結業績予想に対する進捗状況は、売上高実績が修正後の通期計画4,800億円に対して約77.0%に達しており、業績の推移は順調と評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

自動車・民生市場向けのLSIやパワーデバイスが成長を牽引。各セグメントで高付加価値化に向けた専門人材の需要が高まっています。
セグメント別売上構成

出典:2025年度 第3四半期 業績説明資料 P.3

LSI事業

事業内容:自動車のボディ向けやxEV(電動車)向け、民生機器のアミューズメント向けシステムLSIの開発・製造を担当。

業績推移:売上高1,693億円(前年同期比+8.6%)、セグメント利益199億円(同+400.1%)と大幅増益。

注目ポイント:ADAS(先進運転支援システム)向けが調整局面にある一方で、xEV向けの高付加価値商品が大きく伸長しています。車載市場の電動化シフトに伴い、アナログ・デジタル混在回路の設計スキルを持つエンジニアの採用が急務となっています。

注目職種:アナログLSI設計、車載システム開発、製品企画

半導体素子事業

事業内容:SiCパワーデバイス、Siパワーデバイス、発光ダイオード、半導体レーザー等のディスクリート製品を展開。

業績推移:売上高1,558億円(前年同期比+8.1%)。セグメント損失164億円(前年同期は204億円の損失)と赤字幅が縮小。

注目ポイント:SiCパワーデバイスがxEV向けに堅調。品質保証関連コストが発生しましたが、次世代半導体の量産化に向けた製造プロセスエンジニアや、パワーエレクトロニクスの回路設計に精通した人材が事業の鍵を握っています。

注目職種:プロセス開発、パワー半導体評価、品質保証エンジニア

モジュール事業

事業内容:事務機向けプリントヘッドやスマートフォン向けセンサ、車載向けLEDモジュール等の複合部品を提供。

業績推移:売上高249億円(前年同期比2.9%減)。セグメント利益30億円(同+11.1%)と収益性が向上。

注目ポイント:事務機向けが回復傾向にあり、既存事業の効率化が進んでいます。センシング技術の車載応用など、特定顧客へのカスタマイズ対応を推進するためのフィールドアプリケーションエンジニアが必要とされています。

注目職種:モジュール設計、アプリケーションエンジニア、SCM担当

その他(抵抗器等)

事業内容:主に高信頼品の抵抗器事業。シャント抵抗などの車載・産業機器向け製品を中心としたポートフォリオ。

業績推移:売上高194億円(前年同期比+2.3%)、セグメント利益33億円(同+76.2%)と好調。

注目ポイント:汎用品から高信頼・高電力品へのシフトが奏功。生産拠点再編を含む事業構造の適正化を推進しており、工場管理や生産革新をリードできるプロフェッショナルが求められています。

注目職種:生産技術、工場経営管理、材料開発

3 今後の見通しと採用の注目点

第2期中期経営計画「MOVING FORWARD to 2028」を策定。設備投資を厳選しつつ、成長事業への集中投資で収益性を改善します。
通期営業利益増減分析

出典:2025年度 第3四半期 業績説明資料 P.8

ロームグループは、2028年度を最終年度とする中期経営計画を推進しており、SiC事業の収益化と事業ポートフォリオの適正化を最優先課題としています。足元では生成AIの普及に伴うデータセンター向け需要や、xEV市場の持続的な成長が期待されており、サーバー・ストレージ向けの投資も拡大しています。

特に注目すべきは、価格適正化に向けた顧客との価格交渉の進捗です。金価格の高騰などの原材料費上昇分を反映させるべく交渉を進めており、現時点で約7割の顧客から承認を得ています。また、東芝との業務提携についても現在も協議中であり、国内パワー半導体産業の再編をリードする立場としてのキャリア機会も期待されます。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

ロームは現在、「市況に左右されない強固な事業基盤」への変革期にあります。特にSiCパワーデバイスの収益化という全社的な最重要プロジェクトに、エンジニアとしてどう貢献できるかが最大の評価ポイントとなります。また、生産拠点の再編や価格転嫁といった構造改革の実行フェーズにあるため、変化を厭わず現場改善を推進できる主体性を強調するのが有効です。

Q&A 面接での逆質問例

「SiCパワーデバイスの量産採用に伴い発生した品質保証関連コストへの対応において、開発・製造現場ではどのような技術的課題が共有されているのでしょうか?」
「中期経営計画にある生産拠点の再編が進む中で、具体的にどのような新しい役割やキャリアパスが生まれているのでしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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労働環境の改善と研究開発への投資が課題

研究開発への投資がやや不足している印象があり、これが長期的な成長の妨げになる可能性があります。開発チームは非常に熱心で、技術力の高さを感じますが、業務量が多く、徹夜が続くこともあるため、働き方の改善が求められます。全体として、技術力は高いものの、労働環境の改善と研究開発へのさらなる投資が課題です。

(50代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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成長を求める人にはやりがい

製品の品質に対するこだわりが強く、取引先からの信頼も厚いです。現在、パワーデバイスに注力しており、成功すれば大きな成果が期待できます。全体として、挑戦的な環境であり、成長を求める人にはやりがいのある職場です。

(30代前半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年度 第3四半期 業績説明資料(2026年2月4日発表)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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