0 編集部が注目した重点ポイント
① アフター収益目標を1年前倒しで達成する
商用車(CV)の保有台数増加に伴い、補修部品や整備などの「稼ぐ力」が構造的に強化されています。中期経営計画で掲げていた売上収益6,000億円の目標を1年前倒しで達成する見通しとなっており、景気に左右されにくいストック型ビジネスへの転換が着実に進んでいます。サービス拠点の能力増強など、アフター領域でのキャリア機会が大きく拡大しています。
② 中近東・アフリカ市場での販売を拡大させる
タイや北米といった主力市場での在庫調整や市況悪化に対し、中計で重点地域としていた中近東・アフリカ・中南米での拡販が中計想定以上に進捗しています。グローバルなポートフォリオ管理により特定地域の不調をカバーしており、世界35の国・地域でシェアNo.1を維持する圧倒的なブランド力を背景に、グローバルに活躍できるフィールドが広がっています。
③ 徹底した価格対応で資材費高騰をカバーする
資材費や物流費の大幅な上昇に対し、着実な価格転嫁と原価低減活動の追加によって収益性を維持する粘り強い経営を展開しています。2027年3月期には、今期実施した価格対応の効果がフルイヤーで寄与することから大幅な増益を見込んでおり、持続的な成長に向けた投資余力が強化されています。コスト管理や商品企画の専門人材への需要が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.3
売上収益
1兆6,373億円
+5.4%
営業利益
1,046億円
▲21.1%
親会社所有者帰属利益
698億円
▲11.1%
2026年3月期第2四半期の売上収益は、国内外での車両販売台数の増加や価格対応の推進により、前年同期比で838億円の増収(+5.4%)を達成しました。損益面では、為替の円高・バーツ高影響や資材費等の上昇に加え、米国関税の影響といった逆風がありましたが、これらを価格対応や原価低減活動でカバーしています。営業利益は前年同期から減少したものの、通期予想の2,100億円に対して進捗率は49.8%に達しています。
下期に向けては、アフターセールスの積み増しや更なる合理化活動の追加を予定しており、通期業績予想は当初の計画を据え置いています。現在の業績は、外部環境の不透明感の中でも着実な歩みを見せており、通期目標の達成は概ね順調な状況にあると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.4
CV(商用車)事業
【事業内容】トラック及びバスの製造・販売。国内では藤沢工場、UDトラックスの上尾工場を主要拠点として展開。
【業績推移】国内は商品刷新が奏功し4.4万台(前年比+7%)と伸長。海外も中近東・アフリカを中心に11.5万台(+7%)へ成長。
【注目ポイント】国内では物流の2024年問題を見据えた新型車両への需要が堅調です。海外では、北米での一時的な在庫調整はあるものの、中近東・アフリカを「成長市場」として攻略するグローバル戦略が奏功しています。UDトラックスとのシナジー最大化や、カーボンニュートラル対応に向けた次世代技術の開発など、技術・営業の両面で高度な専門性を持つ人材が求められています。
LCV(ピックアップトラック等)事業
【事業内容】1トン積みピックアップトラック「D-MAX」等の製造・販売。タイを主戦場とし世界中に輸出。
【業績推移】タイ国内は厳しい市況が続くものの2.2万台(+30%)を確保。輸出は中近東の鈍化をアフリカ等で補い全体で12.3万台(+12%)。
【注目ポイント】タイ市場では金融引き締めに伴うローンの厳格化が続いていますが、主力顧客である農家・商人のニーズに応える高いリセールバリューと製品の堅牢性を武器にシェアを維持しています。足元では市況の回復を待ちつつ、好調なアフリカ・オセアニア市場への輸出を強化しており、新興国特有の市場環境に対応できるマーケティング・販売戦略のプロフェッショナルが期待されています。
産業用エンジン・アフターセールス事業
【事業内容】建設機械向け等のディーゼルエンジン販売、及び車両の補修部品販売・整備サービス提供。
【業績推移】エンジンは好調な需要を反映し年間見通しを+5千台に上方修正。アフターは前倒しで売上6,000億円の大台へ。
【注目ポイント】「売って終わり」ではないビジネスモデルへの転換が加速しています。特に海外のアフター市場は、保有台数(CV)が国内を上回っているにもかかわらず、売上規模ではまだ伸び代が大きい「収益オポチュニティ」の宝庫です。コネクテッド技術(運行管理サービス)を活用したメンテナンスリースの展開など、デジタルとリアルな整備網を融合させた新たなサービス開発に携わるチャンスがあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.12
今後の焦点は、北米市場での関税影響への対応とタイ市場の回復時期です。北米向けCVについては、経済動向や追加関税に対する様子見により一時的な足踏みが見られますが、いすゞはこれを「一時的なもの」と捉え、成長市場としての認識を変えていません。小売台数は今期をボトムとして、来期以降の在庫補充と販売強化による回復を想定しています。
また、2027年3月期の目標達成に向け、国内CVでの中計目標10万台到達や、UDトラックスとのシナジー最大化を加速させます。価格対応のフルイヤー寄与と更なる原価低減活動の積み上げにより、2,100億円からの大幅な増益を見込む強気な姿勢を示しており、成長に向けた積極的な投資や人材採用が期待されるフェーズです。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
いすゞは「単にトラックを売る会社」から、「物流の稼働を支えるサービスプロバイダー」へと進化しています。アフターセールス事業が目標を前倒しで達成し、ストック型ビジネスの基盤が整っている事実に注目しましょう。この変革期において、自身の経験(デジタル活用、グローバル販路開拓、顧客成功への寄与など)が、同社の「収益オポチュニティ」の最大化にどう貢献できるかを語ることが有効です。
Q&A 面接での逆質問例
・「アフターセールス事業の目標が前倒しで達成されましたが、更なる増収に向けた海外メンテナンスリースの普及における最大の課題は何ですか?」 ・「北米やタイでの市況悪化に対し、中近東やアフリカが補完する構造となっていますが、これら成長地域において競合他社と差別化できているポイントは何ですか?」 ・「2027年3月期に大幅な増益を見込まれていますが、その達成に向けてどのようなバックグラウンドを持つ人材を最も必要としていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。