0 編集部が注目した重点ポイント
①ガス事業が牽引し営業利益は18.4%増加する
2026年3月期第3四半期決算は、売上高が4,654億円(前年同期比1.0%増)、営業利益が258億円(同18.4%増)と大幅な増益を達成しました。原料費調整制度の期ずれ差益拡大や、原材料在庫の受払差といった外部要因がプラスに働き、主力のガス事業の利益が188億円(同25.7%増)と大きく伸びたことが寄与しています。
②戦略事業への資源シフトで成長加速を図る
中期経営計画2025-2027に基づき、電気・海外・エネルギーサービスなどの「戦略事業」へ経営資源を集中させています。2027年度には戦略事業の利益を100億円規模に成長させる計画であり、従来のガス販売中心のモデルからエネルギーの枠を超えたビジネスパートナーへの変革を推進しており、専門人材の活躍フィールドが広がっています。
③1株を4株にする株式分割で投資家層を広げる
2026年1月30日に、同年4月1日を効力発生日とする1対4の株式分割を発表しました。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性向上と投資家層の拡大を目的としています。あわせて2025年度の配当も10円増配の年間90円を予定しており、株主還元と資本効率を重視した経営姿勢が明確になっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 連結決算説明資料 P.4
売上高
4,654億円
+1.0%
営業利益
258億円
+18.4%
経常利益
299億円
+7.9%
第3四半期累計の売上高は前年同期を上回り、営業利益は原材料費と売上高の期ずれ影響(スライドタイムラグ)などにより、200億円を超える水準まで拡大しました。特別利益として政策保有株式の売却益39億円を計上したことも、純利益の押し上げに貢献しています。
通期の経常利益予想330億円に対し、第3四半期末時点での進捗率は90.6%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。為替レートの見直し(160円/ドル)などはあるものの、期首の予想を据え置く堅実な着地を見込んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 連結決算説明資料 P.5
ガス(コア事業)
事業内容
都市ガスの供給および販売を行うグループの最主力セグメントです。家庭用から業務用まで広範な顧客基盤を持ちます。
業績推移
売上高は3,061億円(前年同期比0.3%増)。営業利益は188億円(同25.7%増)と大幅な増益を記録しました。
注目ポイント
販売量は気温影響等で微減したものの、原料費調整制度のプラス影響により利益体質が強化されています。今後は脱炭素化に向けた技術開発や、既存インフラを活用した新サービスの展開において、エンジニアや企画職の需要が高まっています。
LPG・その他エネルギー
事業内容
LPガスの販売を中心に、都市ガスエリア外のエネルギー需要を支える重要な収益基盤です。
業績推移
売上高は675億円(前年同期比3.8%減)。営業利益は1億円(前年は0億円)で推移しています。
注目ポイント
顧客数は64万6千件と着実に増加しており、安定したキャッシュフローを創出しています。配送効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、オペレーションの高度化を担う人材が求められています。
電気(戦略事業)
事業内容
家庭用・業務用電力の販売。ガスとのセット販売等により、顧客のエネルギーニーズをトータルで支えます。
業績推移
売上高は718億円(前年同期比5.7%増)。お客さま数は71万1千件と、5.0%の増加を見せています。
注目ポイント
顧客数の増加に伴い売上が伸長しており、中長期的な成長を牽引する戦略事業と位置付けられています。電力需給管理の高度化や、再生可能エネルギー由来のサービス開発など、専門性の高い領域での採用が活発化しています。
その他
事業内容
LNG受託加工、不動産管理、プラント施工、情報処理、リース、海外投資等を含む多角化セグメントです。
業績推移
売上高は412億円(前年同期比7.9%増)。営業利益は43億円(同12.8%増)と好調です。
注目ポイント
不動産活用の推進やプラント施工の拡大が収益に貢献しています。特に海外事業の規模拡大も戦略に掲げられており、エネルギー業界の枠に捉われない多様な専門人材(建築、IT、海外事業開発等)が必要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 連結決算説明資料 P.16
2026年3月期の通期見通しは、第3四半期の好調を維持しつつ、売上高6,300億円、経常利益330億円を見込んでいます。中期経営計画2025-2027では、戦略事業の利益を現状の40億円から100億円へ倍増させる野心的な目標を掲げており、その原動力となる投資を加速させています。
具体的には、3年間で合計1,300億円規模の戦略事業投資(電気事業、海外事業、不動産活用等)を計画しており、この大規模投資を支える財務基盤も強固です。変革期にあるエネルギー業界において、従来の常識に縛られない新しい価値を創造できる人材の獲得が、計画達成の鍵を握っています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
東邦ガスは現在、ガス事業で築いた安定基盤を背景に、戦略事業(電気・海外・ITサービス等)への大胆なシフトを行っています。「地域インフラを支える責任感」と「新規事業を立ち上げる挑戦心」の両立をアピールすることが有効です。特にカーボンニュートラルや地域課題解決といったマテリアリティへの共感は、選考において重要な評価ポイントとなります。
面接での逆質問例
- 「中期経営計画で掲げられている戦略事業の利益100億円達成に向けて、私の持つ●●のスキルはどのフェーズで最も貢献できると考えられますか?」
- 「コア事業から戦略事業への経営資源シフトが進む中で、組織文化や働き方にどのような変化が起きていますか?」
- 「エネルギーの枠を超えたパートナーを目指す上で、現在最も強化が必要だと感じている組織能力は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
趣味や家族の為に時間を作ることは容易
有給は当日でも取得は可能なので、プライベートをかなり充実させることができる為、趣味や家族の為に時間を作ることは容易である。残業もかなり厳しく管理されている為、自分の仕事次第ではあるが残業なしで帰れる日が9割を超える。
(30代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]学歴には勝てない部分がある
関関同立、MARCH以上で旧帝大レベルを卒業していないと出世は難しい。いくら仕事ができても学歴には勝てない部分がある。
(30代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 連結決算説明資料



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