0 編集部が注目した重点ポイント
① 泉北高速鉄道を吸収合併し鉄道事業の分社化を断行する
2025年4月より、連結子会社であった泉北高速鉄道を吸収合併しました。さらに2026年4月からは鉄道事業を分社化し、持株会社(株式会社NANKAI)の下で「不動産事業」と「公共交通事業」を両輪とする体制へ刷新します。管理体制の大幅な変更により、意思決定の迅速化と専門人材の最適配置が進むことで、新たなキャリア機会が拡大しています。
② 通天閣観光などのM&A寄与で営業利益が前年比17.0%増を達成する
2024年12月に子会社化した通天閣観光や同年10月の明光バスが業績に大きく貢献しました。大阪・関西万博の効果やインバウンド需要の拡大が重なり、第3四半期累計の営業利益は341億71百万円と大幅な増益を記録。既存の「大家業」から、体験価値を重視したサービス事業へとポートフォリオの変革が着実に進んでいます。
③ 中期経営計画に基づき不動産・交通へ最大3,600億円を投資する
2025年度からスタートした中期経営計画「NANKAIグループ中期経営計画2025-2027」において、最大3,600億円の集中投資を計画しています。特に不動産事業の飛躍的拡大を目指し、収益不動産の取得や難波千日前地点の再開発などを強力に推進中。事業成長に向けた積極的な投資姿勢は、専門性を発揮したい転職者にとって非常に魅力的な環境です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会資料 P.5
第3四半期累計の連結業績は、運輸業における輸送人員の増加や、前期末に完了したM&Aの効果がフルに寄与し、極めて好調に推移しました。営業利益率は17.5%と高水準を維持しており、人件費や動力費の上昇を増収効果で十分に吸収しています。
通期業績予想に対する進捗率は、営業収益が72.0%、営業利益が88.7%に達しています。営業利益ベースでは第3四半期時点で既に通期計画の大部分を達成しており、業績は当初予想を大幅に上回る順調な推移を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会資料 P.21
運輸業
事業内容
南海電気鉄道による鉄道事業、およびバス事業、フェリー事業など、沿線の基幹交通インフラを支える事業群。
業績推移
営業収益 890億円(+5.9%)、セグメント利益 149億円(+20.2%)。万博効果により増収増益。
注目ポイント:2025年4月に泉北高速鉄道を吸収合併し、重複機能の統合による効率化を推進しています。鉄道事業の分社化を控え、安全・更新投資に加えて「なにわ筋線」プロジェクト等の成長投資も加速。運行管理の一元化やDX推進、技術継承など、インフラの変革を担うエンジニアや管理職への期待が高まっています。
不動産業
事業内容
なんばエリアを中心としたオフィス・商業施設の賃貸、および沿線内外でのマンション分譲・物件取得。
業績推移
営業収益 353億円(+15.4%)、セグメント利益 101億円(+4.6%)。分譲販売が好調に推移。
注目ポイント:従来の「大家業」から「総合不動産事業」への脱却を掲げ、回転型ビジネス(AM・PM・BM)の強化に注力しています。私募リートの増資やAUM拡大、物流施設の高度化など、金融と開発が融合した高度な案件が増加。投資判断やアセットマネジメントの知見を持つプロフェッショナルが活躍できるフィールドが広がっています。
流通業
事業内容
なんばCITY・なんばパークス等のショッピングセンター経営、および駅ナカ・コンビニ「トモニー」の運営。
業績推移
営業収益 230億円(+5.9%)、セグメント利益 36億円(+5.9%)。免税売上が好調。
注目ポイント:インバウンド客による免税売上高の急増が業績を押し上げました。既存リソースの深化に加え、なんばエリアの回遊性向上を目指すマーケティング戦略が重要となっています。顧客データの利活用や新規テナント誘致など、都市型商業施設の価値最大化に挑むチャンスです。
レジャー・サービス業
事業内容
通天閣観光や、ビル管理・メンテナンス、葬祭業、eスポーツ事業など多岐にわたるサービス展開。
業績推移
営業収益 364億円(+16.2%)、セグメント利益 39億円(+58.8%)。M&A効果が顕著。
注目ポイント:新規連結された通天閣観光が収益に大きく寄与。eスポーツ分野でも施設運営からスクール事業へと進出するなど、新規事業のスケールアップを推進しています。既存の枠組みにとらわれない柔軟なサービス設計と、高い収益性を両立させる事業開発人材が必要とされています。
建設業
事業内容
南海辰村建設を中心に、土木工事、建築工事の施工管理。沿線インフラの保守・更新工事。
業績推移
営業収益 339億円(-7.7%)、セグメント利益 17億円(+26.8%)。減収増益。
注目ポイント:完成工事高の減少により収益面は減収となったものの、利益率の向上によりセグメント利益は大幅な増益となりました。工事原価の適切なコントロールと利益重視の選別受注が奏功しています。生産性改善をリードできる施工管理技術者の存在感が増しています。
その他の事業
事業内容
情報処理事業、ビル清掃、広告、ホテル経営など、グループを補完する多様なサービス。
業績推移
営業収益 23億円(+13.3%)、営業損失 1.8億円。赤字幅が縮小。
注目ポイント:事業規模は小さいながらも、グループ全体のDX戦略やデジタル接点の強化を支える重要な役割を担っています。損失幅も改善傾向にあり、組織の効率化と新規収益源の探索を並行して進めています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会資料 P.28
南海電気鉄道は、2026年4月に予定している鉄道事業の分社化を契機に、経営基盤の抜本的な強化を図ります。新社名「株式会社NANKAI」への移行を見据え、既存の鉄道インフラを支えるだけでなく、不動産開発やデジタルエンターテインメントといった成長領域へリソースを再配分する方針です。
質疑応答資料によれば、大阪・関西万博後の需要剥落(剥落額:約20億円)をカバーするため、インバウンド向け単価の向上や収益不動産投資による利益確保を急いでいます。なんば駅周辺の大型再開発やeスポーツ事業など、Web3.0時代を見据えた「デジタルエンターテインメント CITY 構想」も実証実験段階からマネタイズフェーズへと移行。既存の鉄道会社の枠を超え、自律的に事業を推進できる多様なプロフェッショナル人材の獲得が、今後の成長の鍵となります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
南海グループは現在、単なる公共交通の提供者から、「不動産と公共交通を両輪に成長する総合企業」へと生まれ変わろうとしています。鉄道事業の分社化や「株式会社NANKAI」への社名変更といった歴史的な変革期に立ち会えることは、他の鉄道会社にはない大きな魅力です。「インフラとしての安定感を背景に、新しいビジネスモデルの構築に挑戦したい」「なんばを起点とした国際的なまちづくりをリードしたい」という意欲が、同社の「行動フェーズ」にある現況と強く合致するでしょう。
面接での逆質問例
・「2026年4月の鉄道事業分社化に伴い、専門人材の評価制度や報酬体系はどのようにアップデートされる予定でしょうか?」
・「中期経営計画の最大3,600億円の投資計画において、私の経験(例:不動産開発)が短期的な収益創出にどのように貢献することを期待されていますか?」
・「デジタルエンターテインメントCITY構想において、リアルのインフラとデジタルサービスを融合させるための組織横断的なチーム体制はどのように構築されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
和気あいあいノビノビとはたらく事が出来る
人間関係も非常に良く、和気あいあい、ノビノビとはたらく事が、出来る企業、職場環境だと思います。仕事の内容も多種多様です。自分自身のヤル気さえあれば、目標の達成に向かってズンズン突き進んでいける道を作ってくれています。
(40代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]バリバリ働いて出世したい人には不向き
ほぼほぼ横並びで課長職まで出世する。バリバリ働いて出世したい人には不向きですが、普通に楽しく働きたい人にとってはいい環境です。
(0代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 第2四半期 決算説明会資料
- 2025年度第2四半期決算説明会 質疑応答



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