0 編集部が注目した重点ポイント
①通期業績予想を上方修正し成長を加速させる
2026年3月期の中間決算において、当初の想定を上回る進捗を見せたことから通期の業績予想を上方修正しました。営業利益は前回発表の320億円から350億円(修正率9.4%増)へと引き上げられ、物流事業における貨物取扱量の堅調な推移が収益を力強く牽引しています。
②グローバル事業の確立に向け海外拠点を拡充する
米国サバンナ支店の開設やインド現地法人の設立、さらにインドのSaurashtra Freight Pvt. Ltdの子会社化など、世界規模での拠点網拡大を推進中です。2025年9月にはKLKGロジスティックスHDの株式取得を完了しており、フォワーディング事業の強化を通じてグローバル領域でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。
③DXとインフラ投資による事業基盤の強靭化を図る
中期経営計画2030に基づき、苫小牧港での「晴海物流センター」竣工やデバンニングロボットの導入検証など、先端技術と物理拠点の融合を進めています。DX投資には累計180億円の計画を掲げており、業務の効率化と付加価値サービスの拡張を担う専門人材の重要性が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明資料 P.3
営業収益
1,465億円 (+6.4%)
営業利益
192億円 (+14.3%)
経常利益
214億円 (+15.0%)
2026年3月期第2四半期の業績は、コンテナ取扱量の増加や一部貨物における一過性の需要獲得により、前年同期比で増収増益となりました。営業利益率も12.3%から13.2%へ向上しており、増収による利益率改善と持分法投資利益の増加が寄与しています。また、EBITDAも256億円(前年比9.8%増)と着実に拡大しています。
通期予想に対する中間期末時点の進捗率は、営業収益が51.0%、営業利益が55.1%に達しており、期初予想を大幅に上回る順調な進移となっています。この実績を踏まえ、親会社株主に帰属する当期純利益も294億円へと上方修正されており、安定した経営基盤が示されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明資料 P.6
物流事業
【事業内容】 港湾運送、倉庫、国内運送、工場荷役請負、国際運送などを展開するコア事業。国内主要6大港での強固な基盤を持つ。
【業績推移】 営業収益 1,302億円(前年比+8.7%)、セグメント利益 168億円(前年比+16.5%)と大幅な増収増益。
【注目ポイント】 コンテナ取扱量の増加に加え、穀物・飼料や青果物の取り扱いが堅調に推移しました。北海道の「晴海物流センター」竣工や北米での自社運営倉庫稼働など、積極的な設備投資が実を結んでいます。適正単価の収受も進み、収益性が大幅に改善している点が強みです。
その他事業
【事業内容】 重量物・建設、車両整備、物品販売(鋼材・燃料等)を含む多角的サービスを提供。
【業績推移】 営業収益 180億円(前年比▲7.4%)、セグメント利益 24億円(前年比+1.2%)。
【注目ポイント】 発電所機器の運搬等の前年スポット案件の反動や燃料販売の減少により減収となりましたが、重量・建設における貨物構成の変化と利益率改善の取り組みにより、利益は前年を確保しています。社会インフラに関わる専門性の高い輸送技術が安定した利益源となっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明資料 P.13
「長期ビジョン2035」および「中期経営計画2030」に基づき、2030年3月期に営業収益3,500億円、営業利益380億円という高い目標を掲げています。現状、物流事業は計画通り推移していますが、米国関税の影響や世界的な経済政策の転換といった外部環境の変化を注視していく必要があります。
成長事業(3PL、フォワーディング、社会インフラ、海外)の収益貢献は来期以降に本格化する見込みです。KLKG HDとの連携強化によるクロスボーダー物流の拡大や、インド・東南アジア圏でのネットワーク構築など、国際的なビジネス創出が加速しています。これらの戦略実行には、グローバルな知見と変革を推進するDX人材の確保が不可欠な状況です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、国内の安定基盤を背景に「グローバル事業の確立」と「DXによる提供価値の拡張」を最優先課題としています。これまでの物流実務の経験に加え、KLKG HDとの協業によるフォワーディングの強化や、インド・米国等の海外新拠点での立ち上げなど、「新しい物流の形をデザインする」という攻めの姿勢に共感できる人材が求められています。既存の枠組みにとらわれず、デジタルとリアルの融合を通じて顧客のサプライチェーンを最適化したいという意欲は強い武器になるでしょう。
面接での逆質問例
- 「KLKGロジスティックスHDとの協業において、既存の物流リソースとどのような相乗効果を生み出す計画ですか?」
- 「インドや米国等の海外拠点の拡大に伴い、現地での意思決定プロセスや日本本社との連携体制はどのように構築されていますか?」
- 「DX投資180億円のなかで、特に現場のオペレーション負荷を軽減し、労働力不足の解消に繋がっている具体的な成功事例はありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
働きやすく子供がいる環境にも対応
とても働きやすく子供がいる環境にも対応しており、育休などの設備もととのっておりおすすめできる環境だ。男性の育休者もちらほらいたのでおすすめできる。
(20代後半・海外営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]職場の人間関係に問題
職場の人間関係に問題を感じる。思いっきり体育系なので、なじむまでは少し大変かもしれないが、長く勤めれば勤めるほど、仲良くなっていくと思う。まあ輩みたいな人もいなくは無いが、そういう人はやはり結局端へ端へと追いやられて行っている印象。
(30代前半・物流サービス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社 上組 2026年3月期 第2四半期決算説明資料(2025年11月19日)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月13日)



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