0 編集部が注目した重点ポイント
① 「淀屋橋ステーションワン」開業でオフィス・商業賃貸を強化する
2025年6月より、淀屋橋エリアの新たなランドマークとなる「淀屋橋ステーションワン」が順次開業しました。オフィスエリアのリーシングは約90%まで進捗しており、前年度開業の「ステーションヒル枚方」と合わせ、不動産賃貸業の収益基盤が大きく底上げされています。都市開発の最前線でキャリアを築きたい不動産専門職にとって、非常に魅力的なプロジェクトが進行しています。
② 万博とインバウンド需要でホテル事業の利益を約1.8倍に伸ばす
大阪・関西万博の開催効果に加え、旺盛な訪日外国人需要を的確に取り込み、ホテル事業の営業利益は前年同期比+88.0%となる3,907百万円を記録しました。客室リニューアルによる高付加価値化が奏功し、ADR(平均客室単価)が上昇基調にあります。観光需要が爆発的に高まる関西市場において、ホスピタリティと収益性を追求する醍醐味を味わえる環境です。
③ 鉄道事業のワンマン運転拡大と高付加価値化で収益構造を刷新する
人財確保が課題となる中、2025年10月より京阪本線の一部区間でワンマン運転を開始し、運営の強靱化を推進しています。一方で、座席指定の「プレミアムカー」を2両へ増結するなど、単価向上に向けた施策も着実です。守りの効率化と攻めのサービス向上を同時に担う、公共交通の未来を設計するエンジニアや企画職への期待が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.3
中間期実績は、不動産業におけるマンション販売の大型反動減が影響し減収減益となりましたが、運輸業やレジャー・サービス業における大阪・関西万博の波及効果が下支えしました。純利益については、固定資産売却益の増加などにより増益を確保しています。また、自己資本比率は36.1%と前年度末から0.4ポイント改善しており、財務の健全性は着実に向上しています。
通期業績予想に対する第2四半期末時点の営業利益進捗率は約47.9%ですが、当初の中間予想(17,400百万円)を大幅に上振れて着地しており、業績の進捗は極めて順調です。下期に向け、不動産販売の積み上げやさらなるインバウンド需要の取り込みにより、通期での過去最高益更新を射程に捉えています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.4
運輸業
事業内容
京阪電気鉄道、京福電気鉄道、京阪バス等による、鉄道・バスを中心とした交通インフラ運営。沿線住民の移動と観光アクセスを担う。
業績推移
営業収益 47,361百万円(+4.5%)、営業利益 7,289百万円(+1.5%)。旅客収入が堅調に推移。
注目ポイント:万博来場者輸送や京都観光の活性化により増収を達成。将来の労働力不足を見据えたワンマン運転区間の拡大や、AIを活用した運転士支援、スタートアップとの事業共創など、テクノロジーによる事業変革が急務となっています。既存の運行管理に加え、新しい運行体制を構築できる専門人材が必要とされています。
不動産業
事業内容
京阪電鉄不動産等によるマンション分譲、および「淀屋橋ステーションワン」等のオフィス・商業施設の賃貸・管理。
業績推移
営業収益 52,685百万円(-28.3%)、営業利益 9,190百万円(-25.0%)。マンション販売の反動が要因。
注目ポイント:分譲事業は反動減となったものの、賃貸事業は「ステーションヒル枚方」の寄与により賃料収入が大幅増となりました。仙台や藤沢へのエリア拡大も進めており、地域密着から全国区へのアセットマネジメントへと進化しています。多様なアセットの価値を最大化できる開発・管理スキルが求められるフェーズです。
流通業
事業内容
京阪百貨店、京阪ザ・ストア等による百貨店・ストア経営、および「枚方モール」等のショッピングセンター運営。
業績推移
営業収益 27,701百万円(+2.1%)、営業利益 1,054百万円(-5.0%)。SC経営は増収を維持。
注目ポイント:2024年9月開業の「枚方モール」が初の中間期を迎え、SC経営の売上が3.2%増加しました。百貨店業はインバウンドの反動で苦戦していますが、食を中心とした既存店リニューアルや「ほこみち制度」による駅前広場の活性化など、リアルな購買体験の創出に力を入れています。店舗開発や販促企画のプロフェッショナルが歓迎されます。
レジャー・サービス業
事業内容
ホテル京阪等によるホテル経営、および「汽船」などの観光レジャー事業。体験型価値の提供を主軸とする。
業績推移
営業収益 22,658百万円(+17.8%)、営業利益 4,310百万円(+82.4%)。全セグメントで最大の利益増。
注目ポイント:ホテル稼働率が「ホテル京阪」で86.9%まで上昇し、営業利益は約1.8倍と爆発的に成長しました。2025年10月には京都に「チームラボ」常設施設をオープンするなど、エンタメ要素と融合した観光開発が加速中。グローバルな感性と高い収益管理能力を持つホテルマネジメント層にとって、絶好の挑戦機会です。
その他の事業
事業内容
ビオスタイル等による「BIOSTYLE(京阪版SDGs)」ブランドの展開、およびクレジットカード事業等の補完事業。
業績推移
営業収益 3,150百万円(+30.2%)、営業利益 330百万円。前年同期の赤字から黒字転換。
注目ポイント:カード会員獲得の好調により黒字転換を達成。グループ共通のライフスタイルブランド「BIOSTYLE」を軸に、社会的価値と経済的価値を両立させる先進的なビジネスモデルを推進しています。既存の鉄道系企業のイメージを覆す、新しい価値創造に挑める領域です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.23
京阪グループは、2030年度に向けた長期ビジョンの実現に向け、「大阪東西軸復権」と「観光体験価値共創」を主軸に据えています。淀屋橋から中之島、ベイエリアへ至る開発計画や、京都市内での新たな観光拠点開発は、単なる施設建設にとどまらず、地域課題の解決と収益性の両立を目指す「BIOSTYLE経営」の具現化です。
今後の注目点は、2031年開業予定の「なにわ筋線」を見据えた中之島線の延伸検討や、三条駅周辺の再開発プロジェクトです。大規模な設備投資が進む一方、株主還元も強化しており、今期の配当予想を前回の年89円から97円へ増配することを決定しました。盤石な財務基盤を背景に、大胆な都市変革をリードできるリーダー層やスペシャリストの獲得が経営の最優先課題となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
京阪グループは、独自のSDGs基準である「BIOSTYLE」を経営の中核に据えており、社会貢献とビジネスの融合を本気で追求しています。「淀屋橋ステーションワン」や「枚方モール」のような大規模再開発による街の活性化に直接関われることは、関西に拠点を置く技術者・開発職にとって最大の醍醐味です。「沿線価値を再耕する」という強い意志に共感し、自身の専門スキルを地域の未来に還元したいという姿勢が、同社との強いマッチングを生むでしょう。
面接での逆質問例
・「鉄道事業におけるワンマン運転の拡大やプレミアムカーの増強は、現場のサービス品質やオペレーションにどのような変革を求めていますか?」
・「淀屋橋や枚方での再開発成功を受け、次に注力する沿線外エリアでの事業展開において、どのようなバックグラウンドを持つ人材を必要としていますか?」
・「BIOSTYLE経営を現場レベルで加速させるために、個々の社員が持つ挑戦(チャレンジ)を組織としてどのように評価・支援されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
全体的にマジメな人が多い
全体的にマジメな人が多い印象。当たり前と言えば当たり前だが、会議にはみんな必ず時間通りに来て、実施をしており、時間にルーズな人は基本的に見受けられない。
(20代後半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]無能と有能とが差が出にくい
無能と有能とが差が出にくいので、いわゆる「出来る人」については、もっと上を目指したい、適正に評価してほしいと思い、他社への転職を、考えてるきっかけになってしまうのではないかと懸念をする。
(20代後半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料



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