0 編集部が注目した重点ポイント
① 継続収益比率が83.9%に達し経営基盤が安定する
主力のクラウドサービスへの移行が加速した結果、契約により安定的に発生する継続収益(サブスクリプション収益)の比率が83.9%まで上昇しました。クラウドARR(年間経常収益)は前年同期比19.5%増と高い成長率を維持しており、フロー型からストック型ビジネスへの構造転換が完成しつつあります。収益の安定性は、エンジニアが長期的な視点で製品開発に集中できる環境を裏付けています。
② オンプレミスの新規販売を終了しクラウド化を加速させる
2025年2月末をもってオンプレミス(自社所有型)製品の新規販売を終了し、クラウド移行戦略「Up to Cloud」を本格化させています。現時点でサポート終了が近い旧シリーズは約11万システム存在しており、これらを最新のクラウドネイティブ構造へ移行させる巨大な需要が発生しています。大規模なシステム刷新に携わりたい開発者やコンサルタントにとって、非常に魅力的なキャリア機会が拡大しています。
③ AIエージェントやBPaaS等の新戦略で市場を広げる
AIテクノロジーを活用した「奉行AIエージェントサービス」の提供を開始し、自動仕訳や連結会計支援など、バックオフィス業務の劇的な効率化を推進しています。さらに、業務代行とシステムをセットで提供するBPaaS(ビーパース)戦略も始動しました。単なるソフトウェア提供に留まらず、顧客のDXを全方位で支援する体制への進化は、多様な専門性を持つ中途採用者の活躍を後押ししています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期決算説明会資料 P.3
2026年3月期第3四半期の累計実績は、売上高が378億77百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益が172億70百万円(同8.5%増)となりました。利益率の高いクラウドサービス「奉行クラウド」が力強く牽引し、増収増益を達成。広告宣伝費や人件費(新卒104名の採用や給与の底上げ)といった人的資本への積極投資を継続しながらも、営業利益率は45.6%と極めて高い水準を保っています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が73.2%、営業利益が71.9%となりました。いずれも75%をわずかに下回っているものの、ストック収益の積み上がりや例年の季節性を考慮し、業績は概ね順調に推移していると評価されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期決算説明会資料 P.7
ソフトウェア事業(プロダクト領域)
【事業内容】 会計・人事・給与等の基幹業務ソフト「奉行シリーズ」の開発・提供。クラウドサービスとオンプレミス製品をカバー。
【業績推移】 プロダクト全体で前年同期比15.7%増と大幅伸長。特にクラウドは20.7%増と成長の柱となっています。
【注目ポイント】 オンプレミス新規販売終了に伴い、既存顧客のクラウド移行を促す「Up to Cloud」戦略が加速しています。また、2027年強制適用の「新リース会計基準」への対応製品が高単価で推移しており、制度変更をチャンスに変える開発・営業の連携が強みです。
ソフトウェア事業(サービス領域)
【事業内容】 ソフトウェアの導入指導、保守サービス、運用支援(サポートセンター運営)を提供。
【業績推移】 前年同期比4.7%減。オンプレミス保守からクラウド移行が進んだことによる一時的な減少です。
【注目ポイント】 新たに開始したBPaaS(BPO+SaaS)戦略により、単なる保守に留まらない「実務代行」まで踏み込んだサービス展開が始まっています。顧客の退職や人材不足という課題に対し、システムの枠を超えた解決策を提案できるカスタマーサクセス人材の需要が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期決算説明会資料 P.15
同社は今後、「クラウドネイティブAzureのSaaS型ビジネスの確立」をミッションに掲げ、5つの重要戦略を推進します。特に注目すべきはISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)への登録完了です。国産SaaS ERPとして初の登録を果たしたことで、民間企業だけでなく行政機関・自治体への販路拡大が期待されています。
また、AI分野では、Microsoftとの強力なパートナーシップを背景に、数千億円規模の研究開発成果を自社製品へ自動的に享受できる構造を構築しています。「奉行AIチャット」や自動翻訳機能など、実務に即したAI実装を次々と進めており、最新技術をビジネス実務へ落とし込む実装力を持つエンジニアにとって、挑戦しがいのあるフェーズです。好調な業績を背景に期末配当の増配も発表しており、安定した還元姿勢も魅力の一つです。
4 求職者へのアドバイス
「オンプレミスからクラウドへ」という歴史的な構造転換の真っ只中にあります。単なる開発志望だけでなく、Up to Cloud戦略やBPaaSといった最新のビジネスモデルに強い関心を示すことが重要です。また、「健康経営優良法人ホワイト500」を7年連続で取得しており、人的資本投資を重視する社風に触れつつ、自身のスキル向上を会社の成長にどう繋げるかを語るのが効果的です。
・「ISMAP登録により行政市場への展開が期待されていますが、自治体特有のニーズに対してどのような製品開発体制を想定されていますか?」
・「BPaaS戦略ではパートナー企業との共創が重要となりますが、現場のコンサルタントにはどのようなアライアンス構築能力が求められますか?」
・「人的資本への積極投資を掲げられていますが、中途採用者が最新のクラウド技術やAIナレッジを習得するための教育環境について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
社員同士の仲が非常に良く横の繋がりが深い
社員同士の仲が非常によく、同期や部署で飲みに行ったり休日に遊びに行ったりすることも多くありました。営業職は転勤が多いので異動の時期になると送別会、歓迎会などが恒例行事でした。
(40代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社オービックビジネスコンサルタント 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)(2026年1月26日発表)
- 株式会社オービックビジネスコンサルタント 2026年3月期 第3四半期決算説明会資料(2026年1月28日発表)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。