※本記事は、株式会社オービックビジネスコンサルタント の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オービックビジネスコンサルタントは、企業業務に関するソリューションテクノロジーの開発メーカーとして、会計・人事・給与等の基幹業務や周辺・拡張業務に対応するクラウドサービスなどを提供しています。パートナー企業を通じて顧客の業務効率化に貢献しています。
単体従業員数は1,065名です。
オービックビジネスコンサルタントは、企業業務向けソリューションテクノロジーの開発メーカーとして、会計・人事・給与などの基幹業務や周辺業務を効率化するクラウドサービスをパートナー企業を通じて提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社オービックビジネスコンサルタントは、ITソリューションを提供する企業として、従業員の成長と働きがいを重視する環境が特徴です。安定した事業基盤のもと、長期的なキャリア形成を支援する方針がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も30代半ばであることから、人材の定着が進み、経験豊富な社員が多数活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,314,685円 |
| 平均勤続年数 | 11.6年 |
| 平均年齢 | 34.7歳 |
| 単体従業員数 | 1,065人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の制度を採用しています。この制度は、国内および海外の従業員に適用されます。
なお退職一時金制度(非積立型制度)では、退職給付として、給与と勤務期間に基づいた一時金を支給します。退職給付債務は33.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、経営ミッションである「業務にイノベーションを お客様に感動を」の実現に向け、人的資本を重要な経営基盤と位置付けています。企業価値の持続的向上を支える中核施策として、「チームOBC」という企業文化、人財採用、人財教育、社内環境整備、ダイバーシティ経営の5つの戦略を一体的に推進しています。これらの根幹には、全社員が役割の違いを超えて一体となり、顧客価値の最大化と社会への貢献を目指す「チームOBC」という企業文化があります。
人財採用においては、「チームOBC」に共感し、自律的に成長できる人材の確保を重視しており、公正な採用活動のもと、主体性や志、他者貢献意欲など人間性を重視した新卒採用をメインに行っています。人財育成では、「社員の成長なくして会社の成長はない」との認識のもと、知識ゼロから新入社員全員に対して一律かつ継続的な教育を行うことで、高度なIT人財の育成に注力しています。スキルや知識だけでなく、心を大切にしながら人間性を磨く教育も重視しており、体系的な新卒育成、専門知識・スキルの強化、自律的学習の促進、マインド・人間力の育成、マネージャー研修、ビジネス系研修など多様なプログラムを提供しています。
社内環境整備では、従業員が心身ともに健康な状態で能力を最大限に発揮できるよう健康経営を推進しており、社内診療所の設置や定期健康診断のオプション検査費用会社負担、インフルエンザ予防接種の社内実施、禁煙外来・女性外来・栄養指導等の専門支援、健康セミナーや運動施策、健康ポイント制度など、安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針としては、新卒の安定採用を実現するため、4年連続でベースアップを実施し、継続的な賃金水準の向上を図ることで、人財採用競争力を高め、高度IT人財の安定確保を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当事業年度に配偶者が出産した従業員数に対して、当事業年度に育児休業を取得した男性従業員及び育児目的休暇を利用した男性従業員の割合を算出しています。賃金は、基準外賃金及び賞与を含み、通勤費、退職金は除いて算出しています。従業員数は、期中の勤務日数に応じて算出しています。時間短縮勤務者93名(全員女性従業員)を含んで算出しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある従業員に占める女性従業員の割合 | 6.5% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 89.6% |
| 従業員の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 76.7% |
| 従業員の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用従業員) | 77.2% |
| 従業員の男女の賃金の額の差異(うち非正規雇用従業員) | 59.3% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある従業員に占める女性従業員の割合 | 6.5% |
| 従業員の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 76.7% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性従業員の育児休業取得率 | 89.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社オービックビジネスコンサルタントは、企業業務に関するソリューションテクノロジーの開発メーカーとして、クラウドサービス等を提供しています。パートナー企業を通じて、お客様の業務効率化に貢献するビジネスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
オービックビジネスコンサルタントは、主に会計、人事、給与といった企業の基幹業務や、それに付随する周辺・拡張業務に関するソリューションテクノロジーを開発しています。これらのソリューションは、パートナー企業を通じて顧客に提供され、業務効率化を支援するクラウドサービスが主力となっています。
同社の収益モデルは、クラウドサービス収益の増加が安定的な売上増加の主な要因となっています。また、新規顧客獲得に向けた営業活動にも注力しています。一方で、オンプレミス製品のユーザーがクラウド製品へ切り替える動きが見られ、オンプレミス保守売上は減少傾向にあります。
関連会社として、ユニオンソフトがビジネスソフトウェアの開発・販売を、その他の関係会社であるオービックがコンピュータのシステムインテグレーション事業やシステムサポート事業を行っています。また、オービックオフィスオートメーションはOA関連機器や消耗品の販売、および同社ソフトウェアプロダクトの販売も手掛けています。
同社はソフトウェア事業の単一セグメントとして事業を展開しており、海外売上高はありません。特定の相手先である株式会社オービックオフィスオートメーションへの販売実績は、総販売実績の約1割を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の事業年度において、オービックビジネスコンサルタントの売上高、営業利益、経常利益、当期純利益はそれぞれ増加しました。この売上高の増加は、主にクラウドサービス収益の拡大と、新規顧客獲得に向けた営業活動の成果によるものです。
一方で、サービスの売上高は減少しました。これは、オンプレミス奉行製品のユーザーが奉行クラウド製品へ切り替えたことなどにより、オンプレミス保守売上が減少したことが要因となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
オービックビジネスコンサルタントの従業員数は1,065人であり、平均年齢は34.7歳、平均勤続年数は11.6年となっています。平均年間給与は8,314,685円で、前事業年度と比較して2.1%の増加を示しています。これらの数値は、同社の組織構成や報酬水準の傾向を把握する上で参考となるでしょう。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は強固な財務基盤と安定した収益力を持ち、事業の継続性において高い安心感があります。手元資金も厚く、不測の事態にも対応できる体制が整っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は高い自己資本比率を維持しており、財務の安定性がうかがえます。自己資本利益率もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、事業活動を安定的に継続できる基盤があると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 1,590億円 | 1,694億円 |
| 自己資本比率 | 76.7% | 76.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.0% | 11.0% |
| 現金及び現金同等物 | 1,610億円 | 1,163億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、営業活動による資金は収入となっています。投資活動による資金は支出であり、前期に比べて支出額が増加しています。これは主に定期預金の預入れ、投資有価証券の取得、無形固定資産の取得によるものです。財務活動による資金は支出となっており、配当金の支払いが主な要因です。
当期のフリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。これは将来の成長に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しており、事業の拡大や新たな価値創造への意欲がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 166億円 | △371億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はMicrosoftプラットフォームにフォーカスした製品開発を行っており、Microsoftプロダクトのライフサイクルが業績に影響を与える可能性があります。また、企業の基幹業務や企業業務全体に向けたビジネスソフトウェアや業務サービスを提供しているため、会計基準や税法、その他様々な制度改正等があった場合、最新プログラムの継続提供に対応するための開発費用負担が増加するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
急速な技術革新や競争の激化が生じた場合、同社の開発体制へ大きな影響が及ぶ可能性があります。変化に応じた柔軟な開発体制の構築と、最新環境での研究開発が求められる状況です。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オービックビジネスコンサルタントは、「業務にイノベーションを お客様に感動を」というミッションを掲げ、顧客第一主義を徹底する企業です。先進的なIT技術を駆使し、お客様の期待を超える価値創造を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
オービックビジネスコンサルタントは、「業務にイノベーションを お客様に感動を」をミッションとして掲げています。創業以来、「顧客第一主義」の経営目標を堅持し、中堅及び中規模・小規模企業のIT化を強力にサポートするリーディングカンパニーとしての役割を自覚しています。
同社は、顧客に価値あるものを提供し、顧客の成長に貢献することを企業の目的と考えています。お客様の期待を超える感動を届けられる企業を目指し、基幹業務システムの進化を業界の先頭に立って開拓しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、「自由と公平」「採用と教育」「革新と戦略」「選択と集中」「報連相と情報共有」の5つの「成長のための基本姿勢」を基本方針としています。経営理念である「オープン・フェア・フラット・グローバル」に基づき、多様な「個」を尊重し、その共創として組織の成果を最大限に発揮できると考えています。
社員やパートナー企業の満足度を追求し、組織力・チーム力を高めることを重視しています。また、新しいビジネスとの共創をはかり続けると共に、「最新制度への準拠」と「業務の正確性」を徹底しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、企業のAX(AIを活用した技術革新:AIトランスフォーメーション)を実現するため、AI技術の強化を図り、業務の効率化と生産性の向上を支援しています。また、高いセキュリティのもと安心してお使いいただける環境を提供し、お客様の期待を超えるサービスと感動を届けることをミッションの実現と考えています。
人財戦略においては、OBCで働くすべての人を「人財」と捉え、人的資本投資を強化しています。「採用と教育」を最重要方針とし、社員が成長し続けられる組織づくりを進めています。健康経営も推進しており、「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に2年連続で認定され、「健康経営銘柄2026」にも選定されています。
環境に配慮した事業活動も推進しており、業務のデジタル化による紙の削減や、リモート活用によるCO2削減に取り組んでいます。サステナブルな社会の実現に向け、SDGs等の社会課題解決を通じて企業としての社会的責任を果たすことに努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
オービックビジネスコンサルタントは、取締役会が業務執行の決定と監督を担い、監査役会が経営監視を行う体制を採用しています。社外役員を登用することで、経営の透明性と客観性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
オービックビジネスコンサルタントの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるオービックです。また、代表取締役社長執行役員の和田成史氏や代表取締役副社長執行役員の和田弘子氏といった創業家関係者が上位株主に名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| オービック | 36.81% |
| 和田 成史 | 21.07% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 6.77% |
| 和田 弘子 | 4.80% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 3.88% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長執行役員は和田成史氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 和田 成史 | 代表取締役 社長執行役員 | 1980年12月 同社設立、同社代表取締役社長就任。2025年6月 同社代表取締役 社長執行役員就任より現職。 |
| 和田 弘子 | 代表取締役 副社長執行役員 管理本部長 | 1980年12月 同社設立、同社取締役就任。1999年6月 同社専務取締役管理本部長就任。2025年6月 同社代表取締役 副社長執行役員管理本部長就任より現職。 |
社外取締役は、野田順弘氏(オービック代表取締役会長)、橘昇一氏(オービック代表取締役社長)、伊東千秋氏(元富士通代表取締役副社長)、成田純治氏(元博報堂代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の決定と監督、および監査役会による経営監視の体制を採っています。社外取締役および社外監査役の選任により、経営の客観性と透明性の確保を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
オービックビジネスコンサルタントの役員報酬は、企業価値向上への貢献を重視した設計となっています。業務執行取締役に対しては、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および譲渡制限付株式による非金銭報酬を組み合わせて支給しています。一方、監督機能を担う社外取締役には基本報酬のみを支払う方針です。業績連動報酬は当期純利益の水準や目標達成率を考慮し、非金銭報酬は株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式で構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 2.5億円 | 61.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 87百万円 | 12.5百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
個人別報酬が開示されている役員は、和田成史氏(1.21億円)、和田弘子氏(1.06億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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