0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期業績予想を上方修正し売上高1,172億円を目指す
好調な受注環境を背景に、2026年3月期の通期連結業績予想を上方修正しました。第3四半期(3Q)累計の売上高は前年同期比9.2%増、営業利益は14.0%増と極めて堅調です。特に産業ITやセキュリティ製品の需要が伸びており、期末に向けてさらなる成長が見込まれます。
② 2026年4月に「AI・ソリューション事業本部」を新設する
2026年4月1日付で大幅な組織変更を実施します。「AI・ソリューション事業本部」を新設し、配下に「インキュベーションラボ」を置くことで、新技術の収益化を加速させる方針です。先端技術領域でのキャリア機会が飛躍的に拡大する可能性が高まっており、エンジニアにとって大きな注目点です。
③ 注力領域のDAS事業売上高が前年比13.9%増と伸長する
DXやAI等の新技術を活用した「DAS事業」が、前年同期比13.9%増の416億円に到達しました。クラウドを利用したシステム開発が成長の牽引役となっており、全社売上高に占める割合も高まっています。既存のIT保守から高付加価値なDX案件へのシフトが鮮明になっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第3四半期 決算説明資料 P.3
売上高
86,849百万円
(前年比 +9.2%)
営業利益
13,890百万円
(前年比 +14.0%)
親会社株主帰属純利益
9,033百万円
(前年比 +11.7%)
第3四半期(3Q)累計の売上高は868億円を超え、前年比で大幅な増収増益を達成しました。システム開発事業において、大手銀行の基幹システム更改案件などの金融ITが好調だったことに加え、自動車関連を中心とした産業ITが大きく伸長。さらにソリューション事業でもセキュリティ製品のニーズが急拡大しており、全方位で成長が加速しています。
修正後の通期予想(売上高1,172億円、営業利益184億円)に対し、売上高の進捗率は74.1%、営業利益の進捗率は75.5%となっており、業績は順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第3四半期 決算説明資料 P.5
システム開発事業(金融IT)
事業内容:大手銀行や保険会社、証券会社、カード会社向けのソフトウェア開発および基幹システム構築。
業績推移:売上高25,817百万円(前年比6.9%増)、営業利益5,070百万円(6.7%増)。
注目ポイント:保険会社の大型プロジェクト収束があったものの、大手銀行の基幹システム更改や既存案件の拡大が力強く、高水準の受注を維持しています。メガバンク等の大規模システムに携わる機会が豊富で、金融業務知識を持つPM・SEへの需要は依然として高い状態です。
システム開発事業(産業IT)
事業内容:製造業やサービス業、通信業、運輸業、商業、公共団体など多岐にわたる業種向けのシステム開発。
業績推移:売上高21,106百万円(前年比11.8%増)、営業利益3,265百万円(23.5%増)。
注目ポイント:自動車関連の製造業からの受注が非常に好調で、セグメント利益率は15.5%まで改善。DX関連の案件が増えており、生産計画の自動化やAIアルゴリズムによる業務効率化など、エンジニアとしての技術的挑戦が可能なフィールドが広がっています。
システム開発事業(社会基盤IT)
事業内容:通信、鉄道・航空、公共団体、電気・ガス・水道業などの社会インフラを支えるシステム開発。
業績推移:売上高17,872百万円(前年比8.6%増)、営業利益3,415百万円(4.5%増)。
注目ポイント:通信業や運輸業を中心に受注が順調に推移しました。一部で採算性の低いプロジェクトがあったものの、公共インフラのデジタル化ニーズは根強く、社会貢献性の高い大規模案件のマネジメントスキルが磨ける環境です。
システム開発事業(ITインフラ)
事業内容:金融業や公共団体を主要顧客としたITインフラの設計・構築・保守運用サービス。
業績推移:売上高9,823百万円(前年比6.9%増)、営業利益1,752百万円(5.3%増)。
注目ポイント:銀行等の金融機関におけるインフラ構築案件が堅調です。子会社プロジェクトの延伸影響を受けつつも増益を確保。クラウド移行(AWS/Azure等)やセキュリティ基盤の整備など、モダンなITインフラ技術を扱う案件が増加しています。
ソリューション事業
事業内容:セキュリティ、医療、HR(人事)、株主優待サービス、RFIDなどのパッケージ・プラットフォーム提供。
業績推移:売上高12,791百万円(前年比14.0%増)、営業利益873百万円(139.1%増)。
注目ポイント:公共団体等でのセキュリティ強化ニーズにより、セキュリティ関連売上が前年比74.0%増と爆発的に成長しています。自社製品「BizInsight」を通じた生成AI活用の提案など、受託開発とは異なる「プロダクト中心」のビジネスに関わりたい方に最適な環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第3四半期 決算説明資料 P.15
NSDは2026年3月期をもって、売上高1,000億円超を目標とした中期経営計画を最終年度として締めくくり、新たな成長フェーズに突入します。2026年4月の組織変更では、「グループ経営統括本部」を新設してグループシナジーを強化するほか、AI関連ビジネスを推進する専用組織を設けることで、これまでの受託開発中心のモデルから、より高利益なソリューション・新技術事業への転換を急いでいます。
特に、日立製作所との業務提携を通じたDX・AI領域での共創や、M&Aによる事業規模拡大を継続する方針です。トップマネジメントの追加選定(今城義和氏、黄川田英隆氏の代表取締役2名体制)も発表されており、攻めの経営体制が整っています。
4 求職者へのアドバイス
NSDは現在、金融・産業の強固な顧客基盤を持ちながら、「AI・ソリューション」への構造シフトを強力に推進しています。「単なる受託開発ではなく、自社パッケージやAIプラットフォームを用いた提案に関わりたい」という意欲や、4月に新設される「AI・ソリューション事業本部」でゼロからビジネスを創る意気込みを伝えると、現在の経営方針と合致し、高く評価される可能性が高いでしょう。
「4月に新設されるAI・ソリューション事業本部では、既存のシステム開発事業とどのように連携し、相乗効果を生み出していく計画でしょうか?」や、「インキュベーションラボでは、具体的にどのような新技術の商用化に最優先で取り組んでいるのでしょうか?」など、新組織や技術戦略に踏み込んだ質問は、事業への深い理解を示す絶好の機会になります。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
出産休育休と取得しやすい環境ではある
出産休、育休と取得しやすい環境ではある。復帰し、働いている人も多い。時短もよく活用している人も多い。
(30代後半・プロジェクトリーダー・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社NSD 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社NSD 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。