0 編集部が注目した重点ポイント
① 営業利益が前年比68.6%増の大幅増益で着地する
2026年3月期第1四半期は、売上高が3,758億円(前年同期比0.7%増)となる一方、営業利益は38億4,200万円(同68.6%増)と利益面で急成長を遂げました。ワクチンの定期接種開始や高額なスペシャリティ製品の好調に加え、在庫評価基準の見直しが利益を押し上げており、収益性の向上が鮮明です。
② 調剤薬局事業を11社へ集約し運営体制を効率化する
2025年4月より、グループ内の調剤薬局事業会社の再編を断行し、従来の24社から11社へと大幅に集約しました。2026年4月までにはさらに4社への統合を目指しており、管理コストの削減と生産性向上を図るフェーズにあります。構造改革に携わる機会や、より強固な組織でのキャリア構築が期待できる変化です。
③ 再生医療分野で3社提携し新サービスを開始する
帝人リジェネット、伊藤忠商事と業務提携し、バイオベンチャー等を支援する「再生医療エコシステム」の構築に着手しました。物流から製造、販売までをワンストップで支援する体制を整え、次世代医療市場の開拓を加速させています。卸売の枠を超えた「フルラインサービス」の拡充により、専門性の高い人材の活躍フィールドが広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第1四半期決算概況 P.2
当第1四半期の連結業績は、売上高3,758億1,300万円、営業利益38億4,200万円となりました。4月の薬価改定(医薬品の公定価格引き下げ)という逆風があったものの、帯状疱疹ワクチンの定期接種化による需要増や、抗がん剤を中心としたスペシャリティ製品の取り扱い拡大により増収増益を確保しています。
通期予想に対する営業利益の進捗率は約18.5%となっています。1Qの季節性や、在庫評価基準の一部見直しによる利益押し上げ要因が含まれているものの、通期計画に対する進捗状況は概ね順調に推移しています。また、不採算品の価格是正や流通コストの適正化も着実に進んでおり、通期目標達成に向けた基盤が整っています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第1四半期決算概況 P.3
医薬品卸売事業
事業内容:病院や診療所、調剤薬局等への医薬品・検査薬・医療機器の販売。実務主体は東邦薬品等。
業績推移:売上高3,620億円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益41億円(同56.2%増)と大幅増益。
注目ポイント:医薬MS(営業担当)による検査薬市場の開拓や、「共創未来ポータル」を通じたDX化が進行中です。高付加価値なスペシャリティ製品の流通に加え、患者宅配送サービス「LIMON」の開始など、物流機能の高度化が進んでおり、企画・営業・物流の各職種で変革をリードする人材が求められています。
調剤薬局事業
事業内容:調剤薬局の運営を通じた処方せん調剤、服薬指導。ファーマクラスター傘下企業が担当。
業績推移:売上高246億円(前年同期比7.4%増)、営業利益1.8億円(前年同期は4.9億円の損失)と黒字化達成。
注目ポイント:店舗網の整理統合により事業会社の数を24社から11社へ集約した成果が現れています。医療DX推進体制整備加算などの技術料収入も増加しており、デジタル技術を駆使した次世代型薬局への転換期にあります。経営管理や、ITを活用した薬局運営に関心がある人材にとって魅力的な環境です。
医薬品製造販売事業
事業内容:ジェネリック医薬品等の研究開発・製造・販売。共創未来ファーマが担当。
業績推移:売上高29億円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益0.4億円(同86.6%減)。
注目ポイント:売上原価の上昇により利益面は苦戦しましたが、「羽田パッケージングセンター」を開設し、今秋より製薬メーカーからの二次包装受託を開始予定です。CDMO(医薬品受託製造開発)事業への本格参入を目指しており、製造・品質管理分野での新たな事業開発に関与できるフェーズにあります。
その他周辺事業
事業内容:医療用材料の供給、情報処理サービスの提供、ビル管理等。
業績推移:売上高16億円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益1.4億円(同190.1%増)の大幅伸長。
注目ポイント:小規模ながら利益率が改善し、グループの多様なニーズを支える基盤となっています。医療機関向けの診療予約システムなどの顧客支援ビジネスの一部を担っており、ITとヘルスケアを融合させたサービス開発の現場として、独自のキャリア機会が存在します。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第1四半期決算概況 P.6
東邦HDは現在、中期経営計画2023-2025の最終年度を迎えており、卸売業の収益性改善と新規成長領域への投資の両立を図っています。注目すべきは「再生医療エコシステム」の構築です。帝人リジェネットや伊藤忠商事との提携により、高度な品質管理が求められる再生医療等製品の流通網を盤石なものにし、バイオベンチャーの市場参入をワンストップで支援する体制を整えています。
経営体制においても、社外取締役の比率を過半数に高め、女性取締役を3分の1にするなど、ガバナンス機能の抜本的強化を断行しました。新たにCGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー)を設置し、透明性の高い経営へとシフトしています。DX推進や再生医療といった先端領域への挑戦と、経営基盤の刷新が同時に進んでおり、変化を厭わないプロフェッショナル人材の採用意欲が高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
単なる「薬の卸」という枠組みから、「フルラインサービス提供企業」への進化を掲げている点に注目しましょう。具体的には、再生医療の流通網構築や、ポータルサイトを通じた医療DXの推進など、同社が目指す「社会課題の解決」に自身のスキル(営業、IT、物流等)をどう活かせるかを語るのが有効です。調剤薬局事業の抜本的再編など、経営効率化を推進する積極的な姿勢に呼応する「変革への意欲」を示すことが高評価につながります。
面接での逆質問例
「再生医療エコシステムの構築において、現場の営業担当者や物流担当者にはどのような新しい役割が求められているとお考えですか?」
「調剤薬局事業を24社から最終的に4社へ統合する計画がありますが、組織融合を進める上での文化的な課題や工夫について教えていただけますでしょうか?」
「CGOを新設しガバナンス強化を進めていますが、その姿勢は一般社員の意思決定のスピードや風通しにどのような影響を与えていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
ヘタな会社に行くよりは安心出来る
大手だけあり福利厚生はまずまずかと思います。保養所関係、慶弔見舞金、退職金制度など物凄く良くはありませんが、不満の無い範囲内です。なのでヘタな会社に行くよりは安心出来るかと思います。住宅補助関係も勤務地外出身者、転居を伴う転勤者にはそれなりに面倒を見てもらえます。
(40代前半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東邦ホールディングス株式会社 2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 東邦ホールディングス株式会社 2026年3月期第1四半期決算概況(2025年8月5日発表)



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