スズケンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

スズケンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

スズケンの2026年3月期2Q決算は、スペシャリティ医薬品流通が48%増と急成長。2025年9月の日本橋箱崎オフィスへの機能集約により、グループ一体経営によるDXと既存事業の変革が加速しています。「なぜ今スズケンなのか?」転職希望者が担える新たな役割と成長領域を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

本部・事業会社機能を箱崎オフィスへ集約し連携を強化する

2025年9月より、スズケン本社各部署およびグループ会社計6社の機能を「MSH 日本橋箱崎ビル」へ集約しました。ロジスティクスやデジタル関連の専門人材をワンフロアに集めることで、事業間連携を加速させる構造改革を断行しています。意思決定の迅速化により、グループ一体経営の推進と新たな価値創出を目指す狙いがあり、キャリア採用者にとっても部門を越えたコラボレーションの機会が広がる大きな変化と言えます。

スペシャリティ医薬品流通が前年同期比48.0%増と急成長を遂げる

希少疾患治療薬などを扱う「スペシャリティ医薬品流通受託事業」が、新規受託の増加により売上高2,034億円(前年同期比48.0%増)と驚異的な成長を記録しました。同社が掲げる「両利き経営」の柱として、高度な品質管理を強みにメーカーからの信頼を獲得しています。この領域の拡大に伴い、高付加価値な物流設計や製薬企業向けコンサルティングなどの職種で、専門性の高い人材の重要性が急速に高まっています。

3か年で1,000億円規模の株主還元を継続し資本効率を追求する

中期経営計画の最終年度に向け、3年間平均の総還元性向100%以上を目標に掲げ、2026年3月期も260億円の自己株式取得を予定通り進めています。PBR1倍超の維持を意識した経営が定着しており、政策保有株式の縮減も着実に実行されています。資本コストを強く意識した筋肉質な組織への変革は、既存事業の生産性向上やDX投資の原動力となっており、安定した経営基盤と攻めの姿勢が両立している状況です。

1 連結業績ハイライト

スペシャリティ医薬品の成長が牽引し増収を確保。販管費抑制の徹底により利益面も計画通りの進捗を見せる。
連結業績概況

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 P.11

売上高

1兆2,194億円

(前年同期比 +1.8%)

営業利益

169億円

(前年同期比 -0.8%)

中間純利益

162億円

(前年同期比 -19.9%)

2026年3月期第2四半期の連結売上高は、コロナ関連商材の減少をスペシャリティ医薬品の受託増加が補い、増収を達成しました。営業利益については、物流コストや仕入価格の上昇という逆風に対し、徹底した販管費の見直しと抑制により、概ね業績予想(160億円)を上回る水準を確保しています。中間純利益の減少は前年同期の投資有価証券売却益の反動によるもので、経常的な収益力は堅調を維持しています。

通期予想に対する進捗状況については、営業利益ベースで50.4%となっており、中間決算としては概ね順調に推移しています。下期に向けても、デジタルビジネスの収益化準備や物流自動化による生産性向上を継続し、通期目標の達成を目指しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

コアとなる卸売から成長著しいスペシャリティ受託、未来を担うデジタルヘルスまで全5セグメントが変革期にある。
スマートロジスティクス戦略

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 P.24

医薬品卸売事業

事業内容:国内最大級のネットワークを誇る医薬品卸。約16万軒のお得意さまへ安定供給を行う社会インフラとしての役割を担う。

業績推移:売上高1兆1,772億円(前年同期比1.9%増)。薬価改定の影響はあるが、抗悪性腫瘍剤や新薬が寄与。

注目ポイント:「既存事業の変革」として、デジタルMS(営業担当者)の活動支援やバックヤード機能の集約を推進中。10万軒超が導入する「納品予定アプリ」や「発注提案アプリ」の活用により、営業の生産性向上と付加価値提供を追求しており、既存ビジネスをDXで進化させるやりがいが大きいです。

注目職種:DX推進、営業企画、ロジスティクス管理

スペシャリティ医薬品流通受託事業

事業内容:希少疾患薬など厳格な管理を要する医薬品の、メーカーからの流通一括受託。国内参入を狙う製薬企業を支援する。

業績推移:売上高2,034億円(前年同期比48.0%増)。受託社数・品目数ともに順調に拡大し、利益貢献度が増している。

注目ポイント:製薬企業の日本市場参入をワンストップで支援する「J-ENTRY Consortium」を立ち上げるなど、ビジネスモデルの構築力が問われる領域です。ドラッグ・ロスの解消という社会的意義が深く、メーカーの戦略パートナーとして、より高度な流通ソリューションを提案できる人材が求められています。

注目職種:製薬企業向け事業開発(BD)、マーケティング、品質管理スペシャリスト

地域医療介護支援事業

事業内容:グループ傘下の保険薬局(526店舗)の運営および、ショートステイ、有料老人ホームなどの介護事業を展開。

業績推移:売上高464億円(前年同期比0.4%減)。薬局の不採算店舗整理を進める一方、営業利益は4億円超へ大幅改善。

注目ポイント:介護事業のエスケアメイトにおいて、施設稼働率の向上が増収増益に寄与しています。地域包括ケアの現場で「個」と繋がる接点を最大活用し、ケアテックの導入や新サービスモデルの開発に注力しており、現場改善と事業成長をダイレクトに感じられる環境です。

注目職種:店舗運営・マネジメント、介護サービス企画、ケアテック導入支援

ヘルスケア製品開発事業

事業内容:SKK(三和化学研究所)による医薬品製造および、医療機器・材料の開発。重点領域は糖尿病、腎、透析。

業績推移:売上高254億円(前年同期比2.6%減)。薬価改定の影響を受けるが、透析関連製品などは堅調に推移。

注目ポイント:特許品や新薬創出加算品の開発を継続しつつ、受託生産(CMO)の強化により収益基盤の多様化を図っています。グループのリソースを活かした独自の製品開発が可能であり、メーカーとしてのものづくりと卸の流通知見を融合させた新たなプロダクトを生み出せるフィールドです。

注目職種:R&D、生産管理、医薬品ライセンス担当

医療関連サービス等事業

事業内容:メーカー物流受託(外部ロジスティクス)およびデジタルヘルス事業。医療・介護連携SNSのMCSなどを運営。

業績推移:売上高208億円(前年同期比2.6%減)。子会社の清算等の影響はあるが、デジタルヘルス事業の収益性が改善。

注目ポイント:38万人のIDを持つ「メディカルケアステーション(MCS)」を活用した情報ビジネスを推進中。生成AIを活用した「グループ情報統合基盤」の整備により、データ利活用による収益化を加速させています。テック企業と旧来のアナログな医療現場を繋ぐ、最もエキサイティングな領域です。

注目職種:データアナリスト、新規事業開発、プラットフォーム企画

3 今後の見通しと採用の注目点

「健康創造事業体」の実現に向け、デジタルとリアルの融合を加速。DX人材育成目標は既に達成。
人材育成・組織強化

出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 P.30

スズケングループは、コア事業である卸売の安定供給責任を果たしつつ、高成長のスペシャリティ領域とデジタルビジネスを第2の柱に育てる「両利き経営」の実践期にあります。特に注目すべきは、人材育成への本気度です。中期経営計画で掲げたDX関連資格(ITパスポート、DX検定等)の取得人数目標を前倒しで達成しており、組織全体のリスキリングが着実に進行しています。

箱崎オフィスへの機能集約により、今後は事業会社間の垣根を越えた「One Team」でのソリューション提案が主流となります。質疑応答でも示唆されている通り、生成AIを活用した業務プロセス改革や、医療・介護従事者の声を直接集計・分析するマーケティング支援事業の収益化など、これまでの卸売業の枠に捉われないキャリアパスが生まれています。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

同社は単なる物流企業ではなく、デジタルとリアルの接点を活用した「健康創造事業体」へと脱皮しようとしています。志望動機では「既存のインフラを守りながら、DXで新しい価値を付加したい」という両利きの視点を持つことが重要です。特に箱崎オフィスへの集約やDXリスキリングの成果といった具体的な変化に触れ、自身のスキルがグループ一体経営にどう貢献できるかを語ると、高い評価に繋がるでしょう。

Q&A 面接での逆質問例
  • 箱崎オフィスへの機能集約により、具体的に「他部署との連携」においてどのようなシナジーが生まれていますか?
  • スペシャリティ医薬品の成長に伴い、メーカーとの「戦略的パートナーシップ」を担う人材にはどのような素養が求められますか?
  • J-ENTRY Consortium」のような外部企業との協業プロジェクトにおいて、中途採用者はどのような役割を期待されていますか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

感謝の言葉をいただく瞬間にやりがい

生命関連商品を取り扱う業務に携わる中で、急な依頼に迅速に対応し、感謝の言葉をいただく瞬間にやりがいを感じます。

(40代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]
"

特定のスキルを磨く機会は少ない

日々の業務は主にルーチンワークが中心で、特定のスキルを磨く機会は少ないと感じます。

(30代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社スズケン 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料(2025年11月13日発表)
  • 株式会社スズケン 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算短信〔日本基準〕(連結)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。

wiget_w300
wiget_w300