0 編集部が注目した重点ポイント
①ラーメン事業を第3の柱に据え海外展開を加速させる
2026年2月期第3四半期より、ラーメン事業が成長の第3の矢として本格化しています。2025年11月には京都発のブランド「キラメキノトリ」の海外1号店を上海にオープンしました。前年同期は一部未連結であったため単純比較はできませんが、ラーメン事業単体で売上高が前年比168.6%と急成長しており、専門人材のキャリア機会が拡大しています。
②アジア統括本部の分割により海外意思決定を迅速化する
当期より組織体制を刷新し、従来のアジア統括本部を「中国統括本部」と「東南アジア統括本部」に分割新設しました。管理体制の強化と意思決定のスピードアップを目的としており、特定の地域に深く関わりたいグローバル志向の求職者にとって、各マーケットに特化した戦略立案に携われる可能性が高まっています。
③IT基盤強化に向けた組織再編でDX推進のスピードを上げる
「グループIT統括本部」への名称変更と合わせ、部門を4つに細分化する組織再編を実行しました。吉野家店舗での店内タブレット導入を当初計画より前倒しで加速させるなど、実務へのIT活用を強化しています。事業成長をIT側面から支えるエンジニアやプロジェクトマネージャー職の重要性が一層増しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期第3四半期 決算補足資料 P.3
売上高
166,628百万円
+9.8%
営業利益
5,558百万円
Δ2.1%
親会社株主純利益
3,346百万円
+0.5%
2026年2月期第3四半期累計の連結売上高は1,666億28百万円となり、前年同期比で148億77百万円の増収を記録しました。吉野家・はなまる両事業の既存店が好調に推移したことに加え、M&Aによってグループ入りしたラーメン事業の貢献が大きく寄与しています。営業利益については、米をはじめとする原材料価格の高騰により原価率が2.1%悪化しましたが、販管費率を1.6%低減させる適正な管理により、営業利益55億58百万円を確保しています。
通期予想(売上高2,250億円)に対する進捗率は74.1%となっており、業績は概ね順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期第3四半期 決算補足資料 P.5
吉野家
事業内容:牛丼チェーン「吉野家」の国内展開。新サービスモデル店(C&C、ジグソーカウンター)への改装を推進。
業績推移:売上高は1,114億95百万円(+9.2%)。利益は原材料高の影響で49億64百万円(Δ13.0%)。
注目ポイント:既存店の伸長に加え、価格改定の効果も出ています。新サービスモデル店は36店舗増加し、全店の約45%に到達。店内タブレットの導入加速など、オペレーションのDX化を主導できる人材へのニーズが高まっています。
はなまる
事業内容:セルフ式うどん店「はなまるうどん」の運営。大都市圏への展開を強化。
業績推移:売上高は248億15百万円(+7.0%)。利益は19億88百万円(+8.0%)。
注目ポイント:10月に東日本橋へ新狭小モデル「ずずず」をオープン。タッチパネル式注文端末を活用し、少人数で効率的な運営を実現しています。大都市圏ドミナント戦略の再構築に携わるチャンスがあります。
海外
事業内容:アメリカ、中国大陸、香港、東南アジアにおける「吉野家」等の展開。
業績推移:売上高は215億37百万円(+1.9%)。利益は15億円(+30.5%)。
注目ポイント:アメリカが第2四半期から回復基調に転じ、中国でも新規デリバリープラットフォームの活用により+34億64百万円の売上寄与がありました。組織再編により、地域に密着したマーケティング戦略を立案できる海外人材を求めています。
その他(ラーメン事業含む)
事業内容:ラーメン事業(キラメキノトリ等)およびグループ工場・本部機能等。(注:ラーメン事業は前期途中にグループ入りしたため単純比較不可)
業績推移:売上高は108億21百万円(+49.1%)。利益は5億29百万円(+63.3%)。
注目ポイント:ラーメン事業が売上の約78%を占めるまでに成長。上海での現地生産体制構築など、グループのサプライチェーンを活用したグローバル展開が加速しています。M&A後のPMIや多店舗展開の専門性が発揮できる環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期第3四半期 決算補足資料 P.12
吉野家ホールディングスは、2025年5月に策定した中期経営計画を軸に、既存事業の変革と新たな成長ドライバーの確立を急いでいます。国内では、新メニュー「牛肉玉ラーメン鍋膳」が発売1ヶ月で100万食を突破するなど、商品開発力が好調を支えています。海外では、アジア全域での出店を加速させ、店舗数は2,866店舗まで拡大しました。
また、タマネギ端材のアップサイクル等の取り組みが「第34回食品安全安心・環境貢献賞」を受賞するなど、ESG経営への注力も鮮明です。組織の再編が進む今、変化を楽しみながら各事業の「変身」を主導できる人材の採用に意欲的です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
吉野家が「牛丼」の一本足打法から脱却し、マルチブランド戦略とグローバル展開へ舵を切っている点に注目しましょう。特に、ラーメン事業の海外進出や、アジア統括本部の分割による地域特化戦略は、実務のスピード感を重視する求職者にとって強いアピール材料になります。「グループのIT基盤強化」という具体的な組織課題に対して、自身の専門性がどう貢献できるかを語るのが有効です。
面接での逆質問例
- 「アジア統括本部の分割により、各地域での意思決定の権限は現場にどの程度委譲されているのでしょうか?」
- 「ラーメン事業におけるグループシナジー(SCMや工場活用)において、現在最大の課題となっている点はどこでしょうか?」
- 「IT組織の細分化再編により、現場の店舗オペレーション改善に対するDXチームの関わり方はどう変化しましたか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社吉野家ホールディングス 2026年2月期 第3四半期 決算補足資料
- 株式会社吉野家ホールディングス 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。