0 編集部が注目した重点ポイント
① 米国タイトオイル資産の大型買収を決定
2026年2月末に、連結子会社を通じて米国VRIH社の全持分を取得し、約13億米ドル規模のタイトオイル・ガス資産を取得することを決定しました。これにより、同社が成長の柱とする海外E&P事業(石油・天然ガスの探鉱・開発・生産)の基盤が大幅に強化されます。新規連結に伴い、エンジニアやプロジェクト管理職種のキャリア機会が大きく拡大する可能性があります。
② 不採算・非中核事業の整理を加速させる
2025年7月に英領北海のJAPEX UK全株式を譲渡、同年12月には石油製品等販売のジャペックスエネルギーを売却するなど、事業ポートフォリオの刷新を断行しています。これら構造的変化により、経営資源をCCS(二酸化炭素回収・貯留)などの成長領域へシフトさせています。転職者にとっては、既存事業の維持より新規・成長領域への挑戦が求められる環境です。
③ 通期業績予想を大幅に上方修正する
円安による在外子会社の販売収支増加や為替差益を見込み、2026年3月期の通期純利益予想を前回公表から90億円上振れの450億円へと修正しました。油価下落等のマイナス要因を為替影響や持分法投資利益の好転でカバーしており、堅実な収益構造を維持しています。この安定した財務基盤は、長期的なプロジェクトに従事したい技術職にとって大きな魅力となります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.4
売上高
2,603億円
前年同期比 △5.3%
営業利益
320億円
前年同期比 △27.9%
経常利益
492億円
前年同期比 +5.2%
当第3四半期累計の売上高は前年同期比5.3%減となりました。主因は原油・天然ガス販売価格の下落およびLNG(液化天然ガス)販売量の減少によるものです。一方で経常利益は、持分法投資利益への転換や為替差益の増加によりプラスを確保しました。
通期業績予想に対する営業利益の進捗率は約82.2%(320億円/390億円)に達しており、業績は順調に推移しています。2月公表の修正予想では全利益指標が引き上げられており、年度末にかけて強気の姿勢を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.9
E&P事業(石油・ガス開発)
事業内容:国内外における石油・天然ガスの探鉱、開発、生産および販売を担当する同社のコア事業です。
業績推移:3Q売上高は827億円(△13.6%)。海外連結子会社における販売価格の下落が響き、セグメント利益も国内外ともに減少しました。
注目ポイント:(注:2026年2月に米国VRIH社買収を予定)。米国タイトオイル開発の強化に加え、ノルウェーでの探鉱ライセンス取得など、グローバルな権益ポートフォリオの再編を急いでいます。海外現場でのエンジニアリングや資産評価(アセットマネジメント)の経験を持つ人材が強く求められています。
インフラ・ユーティリティ(I/U)事業
事業内容:国内ガスパイプライン網による供給、LNG基地運営、電力卸売、バイオマス発電などを展開します。
業績推移:3Q売上高は1,263億円(△2.1%)。LNG販売量は減少しましたが、バイオマス燃料の通年販売開始やスライドタイムラグ益により利益は微増しました。
注目ポイント:蓄電所事業への投資拡大や、既存ガス事業の最適化(北海道ガス事業の譲渡決定など)を推進中。エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立という難しい課題に対し、電力・ガス市場の知見を持つ人材が新たな事業モデル構築のために必要とされています。
その他の事業(掘削・CN分野)
事業内容:掘削工事の請負や、CCS(二酸化炭素回収・貯留)などのカーボンニュートラル(CN)領域を含みます。
業績推移:3Q売上高は511億円(+2.5%)。石油製品の販売増などが寄与しています。
注目ポイント:2025年11月より北海道苫小牧市沖にてCCS事業法に基づく試掘作業を開始しました。脱炭素社会の実現に向けた先行投資が活発化しており、地質調査や高度な掘削技術、官民連携のプロジェクト実務経験が重宝されるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.34
同社はM&Aに向けた待機資金として、連結ベースで約1,000億円を確保しており、米国やノルウェー、インドネシアを重点地域としてさらなる案件取得を目指しています(質疑応答で言及)。米国VRIH社の買収完了後も、フェアバリュー(適正価格)に基づく積極的な投資姿勢は継続される見込みです。
国内では、苫小牧蓄電所が系統接続をクリアし、2027年秋の営業運転開始を目指しています。また、CCS(二酸化炭素回収・貯留)の試掘が本格化するなど、次世代エネルギー分野での雇用創出が期待されます。一方で、サハリン1プロジェクトについてはロシア政府令に伴う事業主体の変更後も協議が続いており、地政学的リスクへの対応能力も組織として強化される方針です。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
「石油開発」という伝統的事業を守るだけでなく、米国での13億ドル規模の資産取得に見られるような「攻めの再編」に魅力を感じるという視点が有効です。また、CCSやバイオマス発電、蓄電所事業など、エネルギー転換期の最前線で自分の技術や経験を活かしたいという姿勢は、現在の同社の戦略と合致しており、強い志望動機になります。
Q&A 面接での逆質問例
・「米国VRIH社の買収により、現場での技術者やマネージャーの役割はどのように変化していく想定でしょうか?」
・「CCSの試掘や蓄電所事業など、CN分野へのリソース配分は今後どれくらいのスピードで加速させる計画ですか?」
・「M&A待機資金を1,000億円規模で保有されていますが、新規案件を取得する際のアセット評価基準で最も重視している点は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
育児休暇をしっかり取ることができる
男性でも女性でも育児休暇をしっかり取ることができる。人によっては半年の育児休暇を取っても問題なく職場に復帰しており、すごい時代になったと感じた。
(30代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料(2026年2月12日)
- 2026年3月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕(2026年2月12日)
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答要旨(2025年11月13日)



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