東急建設の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

東急建設の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

東急建設の2026年3月期2Q決算は、国内建設事業の採算改善によりV字回復を達成。通期利益予想を大幅に上方修正しました。人的資本投資を610億円へ増額し、未経験エンジニア育成やDXを加速させる「人を活かす経営」が進行中です。「なぜ今、東急建設なのか?」転職者が注目すべき変革の舞台裏を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

国内建設事業の採算改善で業績予想を上方修正する

建築・土木ともに手持工事の追加工事や設計変更の獲得が想定を上回り、2026年3月期の通期営業利益予想を期初予想の95億円から116億円(前期比31.2%増)へ引き上げました。収益力の再構築が着実に進んでおり、施工管理やコスト管理に長けたプロフェッショナル人材の貢献機会が広がっています。

渋谷駅周辺再開発の大型案件着工でブランドを強化する

東急グループが注力する「渋谷スクランブルスクエア第II期」工事へ2025年5月に着工。鉄道施設直上の難工事で培った「都市機能を止めない技術」を強みに、2030年代以降も続く旺盛な需要を確保しています。都市型ゼネコンとして唯一無二のプロジェクトに携われる環境は、技術職のキャリア形成において大きな魅力です。

人的資本投資を610億円へ大幅増額し組織を刷新する

2025年5月の計画ローリングにより、人的資本・DXへの投資額を当初の100億円から610億円へ大幅に拡大しました。未経験者を育成する「パラエンジニア」制度や「支援育成センター」の新設(2025年4月より本格稼働)など、現場の業務負荷を軽減しつつ人材を育成する体制が強化されており、中途採用者の活躍を支える基盤が整っています。

1 連結業績ハイライト

手持工事の進捗と採算性向上により、前年同期の赤字から大幅な黒字転換を達成。通期利益予想も強気に上方修正されました。
第2四半期決算ハイライト

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.2

売上高

1,500億円

前年同期比 +26.5%

営業利益

51億円

前年 △5百万円から大幅好転

中間純利益

41億円

黒字転換

2026年3月期第2四半期の売上高は、建築の民間大型案件や官公庁土木工事の順調な進捗により、前年同期比26.5%増と大幅な増収となりました。損益面では、過年度に課題となっていた低採算案件の比率が低下したことに加え、設計変更の獲得等により、営業利益が51億円と前年同期から51億円超の改善を見せ、V字回復を果たしています。

修正後の通期利益予想に対する営業利益の進捗率は44.4%です。一見、75%基準には届きませんが、建設業界特有の「年度末(3月)完工集中」により利益が下期に偏る収益構造があるため、資料内では「予定通りに進捗」と評価されています。受注高についても個別ベースで1,559億円(進捗率51.3%)と順調であり、下期以降の業績も堅調に推移する見通しです。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

建築・土木の両コア事業で利益率が大幅に改善。渋谷再開発プロジェクトを筆頭に、難易度の高い案件が技術者の成長を後押ししています。
セグメント別実績

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.3

建設事業(建築)

事業内容:国内のオフィスビル、官公庁施設、学校等の建築および東急線沿線の再開発。リニューアル事業も含む。

業績推移:売上高1,158億円(前年同期比26.4%増)。利益面ではセグメント利益69.8億円(138.6%増)と爆発的に成長しました。

注目ポイント:渋谷スクランブルスクエア第II期やShibuya Upper West Projectなど、「都市型ゼネコン」の真骨頂とも言える案件が目白押しです。一等地の難プロジェクトを成功させるため、デジタル技術(BIM/CIM)を駆使した施工管理能力を持つ人材が求められています。

注目職種:建築施工管理、BIMエンジニア、意匠・構造設計

建設事業(土木)

事業内容:国内の鉄道工事、道路、上下水道等のインフラ建設。強みとする鉄道関連工事が中心。

業績推移:売上高321億円(23.9%増)。利益は26.7億円(372.8%増)と利益率が8.0%から12.4%へ大幅改善しました。

注目ポイント:想定以上の設計変更獲得が利益を押し上げました。今後は「ストック(修繕・維持)」への需要シフトに対応するため、アセットマネジメントの視点を持つ土木技術者の確保・育成が急務となっています。

注目職種:土木施工管理、鉄道工事技術者、インフラ維持管理

不動産事業等(国際・新規含む)

事業内容:東急グループ各社と連携した不動産開発・賃貸事業、東南・南アジアでの国際事業、PPP/コンセッション等。

業績推移:売上高20億円(109.0%増)。保有物件売却などにより、2.1億円の利益を計上しました。

注目ポイント:「戦略事業」と位置づけられ、2030年度に利益の25%を占める計画です。ZEBなどの環境不動産「TQブランド」の推進や、ベトナム等での交通インフラ開発(TOD)など、ゼネコンの枠を超えた開発プロフェッショナルが求められるフィールドです。

注目職種:不動産開発、国際事業管理、新規事業開発

3 今後の見通しと採用の注目点

「人を活かす経営」への本気度が試されるフェーズ。投資の大幅増額で、働きやすさと技術力の両立を加速させます。
人的資本投資の強化

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.23

同社は2030年度に向けた長期経営計画「To zero, from zero.」の達成に向け、人的資本への投資を610億円へ大幅増額しました。これは同業他社に劣後していた人材投資を一気に挽回し、競争優位の源泉へと変える強い意思表示です。質疑応答では、建築リニューアル事業の中長期的な売上目標を500億円へ掲げるなど、安定収益源の拡大にも意欲的です。

注目すべきは、2025年4月に本格設置された「支援育成センター」です。作業所のノンコア業務を代行・アウトソーシングすることで、技術員が本来のコア業務に集中できる環境を整備しています。さらに、未経験者を「パラエンジニア」として採用・育成する仕組みも導入。残業規制を「変革のチャンス」と捉えた働き方改革が進んでおり、ワークライフバランスを重視する経験者にとっても魅力的な選択肢となっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

東急グループが注力する「渋谷」の再開発という世界的に見ても難易度の高いプロジェクトに挑戦し、自らの技術力を一段引き上げたいという意欲を伝えるのが効果的です。また、会社が大規模に進めている「人的資本経営」や「支援育成センター」の活用により、現場の効率化や品質管理の高度化に主体的に貢献したいという姿勢は、現在の経営方針に非常に合致しています。

Q&A 面接での逆質問例

・「投資額が大幅に増額された人的資本投資の中で、デジタルスキル(ITパスポート等)の習得は現場の業務改善にどのようなインパクトを与えていますか?」
・「支援育成センターの設置により、現場技術者の一人当たりの担当業務範囲や働き方は具体的にどう変化しましたか?」
・「渋谷再開発のような長期プロジェクトにおいて、中途採用者がリーダーシップを発揮するために期待されている役割は何でしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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基本的な福利厚生は整っており充実している

基本的な福利厚生は整っており、充実していると言える。独自に資格取得・育児用品・健康促進(スポーツジム会費)や住宅補助などに使える福利厚生制度がある。

(30代前半・施工管理) [キャリコネの口コミを読む]
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基本的にプライベートはあまりありません

施工管理で入社した場合は、現場勤務となる為、建築、土木問わずに基本的に土曜日は出勤と思っていて間違いありません。また酷いときは日曜日や休日も出勤となります。現場次第ではありますが、残念ながら基本的にプライベートはあまりありません。また飲み会も非常に多い業界です。

(20代後半・施工管理・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年3月期 第2四半期決算説明資料
  • 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 機関投資家・アナリスト向け質疑応答要旨

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。