0 編集部が注目した重点ポイント
① 営業利益が過去最高を更新する
2025年度第3四半期において、営業利益は前年同期比5.7%増の149億円となり、連結財務諸表の開示を開始した1983年度以降で過去最高を更新しました。良好な受注環境を背景に、主力の建築設備事業で好採算の繰越工事が進捗したことが利益を押し上げており、エンジニアリング能力が着実に収益へ結びついています。
② マレーシア企業の株式を取得し海外展開を加速する
2026年2月、マレーシアの設備工事会社「ES Matrix社グループ」の株式40%を取得(持分法適用関連会社化)する契約を締結しました。データセンターや半導体分野に強みを持つ同社との共創により、成長著しい東南アジア市場での事業拡大を狙います。グローバルなプロジェクトに携わる機会が増えるなど、海外志向の技術者にとってキャリア機会が拡大する可能性があります。
③ 受注高が大幅増で次期繰越高は過去最高水準に達する
受注高は前年同期比16.3%増の2,428億円と極めて好調に推移しています。都市再開発関連の大型案件を獲得したことで、将来の売上の源泉となる次期繰越高も過去最高水準となっており、中長期的な仕事量の安定が期待できる状況です。豊富な手持ち案件を背景に、質の高いエンジニアリング業務に注力できる環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:三機工業株式会社 2025年度第3四半期 決算説明資料 P.4
売上高
1,705億円
(前年同期比 △3.3%)
営業利益
149億円
(+5.7%)
経常利益
158億円
(+3.4%)
純利益
130億円
(+28.4%)
当第3四半期の売上高は、前年同期に大型工事の進捗が集中した反動により減収となりましたが、利益面では主力の建築設備事業における利益率の改善(8.0%から8.8%へ向上)が寄与し、増益を達成しました。特に親会社株主に帰属する四半期純利益は、政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益の計上により、大幅な伸長を見せています。
通期予想に対する進捗状況については、営業利益で進捗率54.4%、売上高で68.2%となっています。同社の業績は例年第4四半期に完成工事が集中する傾向があり、受注高がすでに通期予想の86.7%(修正後予想ベース)に達していることから、全体として概ね順調な推移と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:三機工業株式会社 2025年度第3四半期 決算説明資料 P.6
建築設備事業
事業内容:ビルや工場向けの空調・衛生設備、電気設備、ファシリティシステム(オフィス移転支援等)の設計・施工・保守。
業績推移:受注高は前年同期比24.5%増と大幅伸長。セグメント利益も16.3%増と好調です。
注目ポイント:都市再開発に関連する超大型案件(品川駅西口地区等)の受注が相次いでいます。高度な空調・衛生技術が求められるだけでなく、工期管理や協力会社との連携など、大規模プロジェクトを完遂できるプロジェクトマネジメント人材へのニーズが非常に高まっています。
機械システム事業
事業内容:物流センターや工場向けの搬送システム(コンベヤ等)および搬送機器の製造・販売。
業績推移:受注高は前年同期比26.5%減、営業損益は7億円の損失となりました。
注目ポイント:前年同期の大型案件の反動減や人件費増により、一時的に厳しい決算となりました。しかし、物流業界の「2024年問題」を背景に自動化・省人化ニーズは根強く、中長期的な需要は健在です。施工体制の効率化を推進するためのエンジニアリング能力の再構築が急務となっています。
環境システム事業
事業内容:官公庁発注の上下水道施設、廃棄物処理施設の設計・施工・運営管理。
業績推移:売上高は前年並みを維持したものの、セグメント利益は43.6%減の4億円となりました。
注目ポイント:施工体制を考慮した慎重な受注活動により、受注高は減少しています。一方で、老朽化したインフラの更新需要は安定しており、水処理・廃棄物処理の高度化に向けた技術提案が求められています。社会貢献性の高い分野で技術を活かしたいプロフェッショナルには魅力的なフィールドです。
不動産事業
事業内容:保有不動産(SANKIビル等)の賃貸業務および建物管理。
業績推移:売上高・利益ともに前年比約11%増と、安定した収益基盤として機能しています。
注目ポイント:テナント賃貸収入が堅調に推移しており、本業のエンジニアリング事業を支える強固な財務基盤の一翼を担っています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:三機工業株式会社 2025年度第3四半期 決算説明資料 P.13
同社は2025年4月から新経営ビジョン「MIRAI 2030」および「中期経営計画2027」を始動させています。当期の受注高予想を期初から100億円上方修正し2,800億円とするなど、旺盛な建設需要を確実に取り込む姿勢です。特に「深化と共創」をテーマに、BIM(Building Information Modeling)の活用による施工効率化や、協力会社とのパートナーシップ強化を推進しています。
注目すべきは、マレーシアのES Matrix社との提携による海外事業の再加速です。大型データセンターや半導体工場といった最先端領域での施工ノウハウを相互に共有することで、日系企業のみならずグローバル顧客へのアプローチを強める方針です。これに伴い、国内の高度な技術力を海外へ展開できる、あるいは現地の施工マネジメントをリードできる人材への期待が高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「都市再開発」や「半導体工場」といった、社会インフラの最前線でエンジニアリングの深化に貢献したいという動機が強力です。また、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、空調設備の省エネ技術を指揮する「エコ・マエスチョロ」のような取り組みに共感し、技術で地球環境に最適解を出したいという視点も同社の社風にマッチします。
面接での逆質問例
・「ES Matrix社との共創において、国内の技術者が海外プロジェクトの設計や技術指導に携わる具体的なフローはありますか?」
・「次期繰越高が過去最高水準となる中、現場の働き方改革や施工の省人化を支えるDXツールの導入状況について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
竣工を迎えた瞬間の喜びは計り知れない
担当する物件が竣工を迎えた瞬間の喜びは計り知れないものがありました。それまでに背負った苦労が報われた気がしました。また、自分の会社のみならず、他の職種の人とも連携して行う仕事である為、色んな人とも仲良く一体感が生まれる仕事だと感じました。
(20代後半・施工管理・男性) [キャリコネの口コミを読む]刺激は少ない
古き良きという会社なので決められたことを着々とやり続ける真面目さが身につきます。反面刺激は少ないので安定して働き続けたいという方にはぴったりだと思います
(20代後半・経理・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 三機工業株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 三機工業株式会社 2025年度第3四半期 決算説明資料



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