0 編集部が注目した重点ポイント
① 売上高・営業利益ともに5期連続の増収増益を達成し、各利益項目で過去最高を更新する
2025年11月期決算は、売上高が1,193.7億円となり、5期連続の増収増益を果たしました。営業利益以下の各利益項目において過去最高値を更新しており、強固な収益基盤を構築しています。既存の繊維事業だけでなく、多角化戦略が結実している点は、キャリアの安定性を重視する転職者にとって大きな魅力です。
② カコテクノスグループの株式を取得し、社会インフラ分野の事業領域を大幅に拡大する
2025年10月に、鉄道車両用制御装置に強みを持つ株式会社カコテクノスの株式を取得しました。2026年11月期より通期での連結開始を予定しており、機材分野の収益拡大を加速させます。新領域への進出に伴い、電気・電子設計や製造管理などの専門スキルを持つ人材にとって、新たな挑戦の機会が広がっています。
③ 収益の柱である不動産開発事業において「八重洲通フィルテラス」の収益貢献が本格化する
人とみらい開発事業では、2025年1月に竣工した「八重洲通フィルテラス」の収益貢献が本格化します。また、伊丹工場の跡地活用など大型の再開発プロジェクトも進行中です。安定したキャッシュフローを生む不動産事業の強化は、グループ全体の投資余力を支えており、攻めの経営を支える中核部門としての役割が強まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年11月期 決算説明資料 P.5
当連結会計年度の業績は、売上高が前期比3.4%増、営業利益が2.3%増となり、中期経営計画の目標に対して順調な進捗を見せています。特に利益面では当初公表していた業績予想を営業利益以下の全ての項目で上回って達成しており、経営の規律の高さが伺えます。
成長の主因は、不織布事業を手掛ける呉羽テックやカンキョーテクノの連結寄与による産業機材事業の伸長、およびEC販売が堅調だった生活流通事業の利益増です。一部の繊維事業で在庫調整の影響を受けたものの、多角化された事業ポートフォリオがリスクを分散し、最高益更新という形でその実力を証明しました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年11月期 決算説明資料 P.6
衣料繊維事業
事業内容:中学校・高校の学生服向け生地(シェア国内トップクラス)や一般衣料用素材、ユニフォームの製造・販売を一貫体制で行っています。
業績推移:売上高30,282百万円(前期比4.0%減)、営業利益2,645百万円(前期比23.5%減)となりました。
注目ポイント:学校制服の在庫過多により減益となりましたが、国内一貫生産の強みを活かした製造合理化・DX投資を加速させています。少子化を見据え、欧米のハイブランド向けテキスタイル販売を強化しており、海外営業や生産技術の専門家の需要が高まっています。
産業機材事業
事業内容:自動車用不織布や環境フィルター、FA(工場自動化)設備、二次電池・半導体向け検査装置の開発・製造を担当しています。
業績推移:売上高35,177百万円(前期比14.1%増)、営業利益2,875百万円(前期比45.8%増)の大幅成長を記録。
注目ポイント:M&Aによる呉羽テック等のグループ化が大きく貢献しています。車載電装品やバッテリー、半導体といった成長市場をターゲットにしており、エンジニアにとっては最も技術力を発揮しやすいフィールドです。カコテクノスの加入で鉄道インフラ分野も加わり、さらなるキャリア機会が拡大しています。
人とみらい開発事業
事業内容:ショッピングセンター(コルトンプラザ等)の運営、不動産賃貸・開発、介護、保育、スポーツ施設の運営など「街づくり」を主導します。
業績推移:売上高26,679百万円(前期比0.7%増)、営業利益6,772百万円(前期比2.9%減)となりました。
注目ポイント:グループの安定利益の源泉です。八重洲通フィルテラスの竣工に伴い、今後は都心オフィスビル等の賃貸収入が本格化します。保有不動産の再開発プランを次々と検討しており、大規模プロジェクトの企画・管理に関心のある人材にとって、非常に魅力的なフェーズにあります。
生活流通事業
事業内容:寝装品、生活家電、家具、ホビー用品(スタンプ、乗馬用品)など多岐にわたる生活関連商品の企画・卸・販売を行っています。
業績推移:売上高23,199百万円(前期比3.0%増)、営業利益1,051百万円(前期比24.1%増)と増益達成。
注目ポイント:トランクルーム用コンテナ販売やEC販売が好調です。SPA(製造小売)化とEC機能の強化を重点戦略に掲げており、マーケティングや商品開発、物流合理化のスキルを持つ人材が、事業全体の収益性改善を主導する役割を担っています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年11月期 決算説明資料 P.25
2026年11月期は、中期経営計画「RN130第3次中期経営計画」の最終年度にあたり、売上高1,300億円、営業利益130億円の達成をターゲットとしています。カコテクノスの通期連結貢献に加え、産業機材事業における海外販売の拡大、不動産再開発の利益貢献などが成長を支える見通しです。
サステナビリティへの取り組みも加速しており、「服から服への資源循環プロジェクト」であるWAONAS(ワヲナス)の本格展開や、NEDO採択案件である「バイオものづくり」の研究開発も進んでいます。質疑応答では、アメリカの関税政策の影響について「現時点では大きな影響はない」と言及されており、安定した外部環境認識の下で投資を継続する姿勢が示されました。
第3次中計では200億円規模のM&A予算を確保しており、今後も積極的な事業領域の拡大が期待されます。既存事業の枠に捉われない「みらい生活創造企業」への変革期にあるため、多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナル人材の獲得が、目標達成の鍵となります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ニッケは「繊維事業」という確固たる基盤を持ちながら、積極的なM&Aと多角化経営で成長を続ける稀有な企業です。「安定した環境で長く働きながら、新規事業やグローバル展開、最先端の技術開発に挑戦したい」という動機は、現在の同社の戦略と極めて親和性が高いでしょう。特に産業機材分野のエンジニアや、不動産再開発のプロジェクト管理に意欲を持つ方は、同社の未来を担う中核人材として歓迎される可能性が高いです。
面接での逆質問例
・「カコテクノスを加え、産業機材事業がさらに拡大していますが、既存のニッケ機械製作所の技術力とどのようなシナジーを生み出そうとされていますか?」
・「衣料繊維事業での海外ブランド向け展開において、日本の製造力とグローバル市場のニーズを繋ぐために、現在どのような専門性が組織に不足していると考えていますか?」
・「資源循環(WAONAS)のような新規ビジネスモデルの構築にあたり、中途採用者にはどのようなマインドセットや実行力を期待されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
興味がある分野に行ければ面白みを見つけることができる
異動などで自分の興味がある分野に行ければ多少なりとも面白みを見つけることができるかと思うが、そう言う人は少数派だと思われる。
(20代後半・その他・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2025年11月期 決算説明資料
- 2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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